ものづくり補助金平成24年度徳島県

小ロット製品に特化したワンストップ型縫製工場の構築

白山衣料株式会社

成果裁断スピード 1倍→4倍

この事例のポイント

  • ユニフォーム市場で小ロット商品のニーズが2000年以降大幅に増えているが、メーカー各社は小ロット商品の生産ラインの確保に苦慮している。
  • 小ロット製品の製造に不可欠なCAD・CAM型の自動裁断機を導入し、あわせて刺繍機を導入して、メーカー側の要求にワンストップで応えられる体制を整えた。
  • 裁断スピード 1倍→4倍。自動裁断機の導入で裁断が速くなり、要尺計算も短時間で済むようになった。

事業者のプロフィール

事業者名白山衣料株式会社
所在地徳島県 吉野川市
業種繊維工業
技術分野繊維加工
従業員数24人
設立1981年

事業の背景

ユニフォーム衣料に求められる高品質なものづくりを国内で担ってきた会社である。主要製品は学生体操服、企業ユニフォーム、スポーツウエアである。2000年以降、ユニフォーム市場では小ロット商品の需要が大幅に増加している一方で、その生産先の確保が業界全体の課題となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑ユニフォーム市場で小ロット商品のニーズが2000年以降大幅に増えているが、メーカー各社は小ロット商品の生産ラインの確保に苦慮している。
  • 生産能力中堅クラスの下請工場では小ロット製品の受け手がなかなか見つからず、小ロット製品のほぼ全てが本社直営工場で生産され、小規模な工場を転々としている状況である。

やったこと

小ロット製品の製造に不可欠なCAD・CAM型の自動裁断機を導入し、あわせて刺繍機を導入して、メーカー側の要求にワンストップで応えられる体制を整えた。自動裁断機の導入により裁断のスピードは導入前に比べ4〜6倍に向上した。生地の歩留まりを求める要尺計算は、従来1日1時間程度かかっていたものが、パターン入力作業を含めて30分程度で可能になった。自動裁断機によるノッチ処理により縫い合わせポイントが明瞭になり、1箇所あたりの合わせ時間が15〜20秒短縮された。縫製工が1日に行う縫い合わせは平均200回であるため、200回×17.5秒=3,500秒(約58分)の時短効果が出ている。

加工機自動裁断機(CAD/CAM機)
加工機刺繍機

事業の効果

  • 裁断スピード 1倍→4倍
  • 要尺計算時間 60分→30分
  • 1箇所あたりの合わせ時間が15〜20秒短縮
  • 従来は外部に依頼し物流含め3日かかっていたが、内製化により大幅なリードタイム短縮

自動裁断機の導入で裁断が速くなり、要尺計算も短時間で済むようになった。ノッチ処理により縫い合わせの時間が短縮され、1日あたり約58分の時短効果が出ている。刺繍機の導入で、ネーム入れなどのスポット注文を内製化でき、複雑な刺繍でも1か所10分足らずで完成するため、大幅なリードタイム短縮につながった。ピックアップ効率も向上し、目先の1〜2日先の納期に追われていた状況から、同じ生産量のまま2週間程度先を見越した最適な生産計画を立てられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    小ロット縫製への特化とユニフォーム分野の取組は読み取れるが、過去の事業活動との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット需要の増加と、既存の高品質縫製技術を活かす方針が書かれ、競争優位の方向性が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    自動裁断で4〜6倍の速度向上、縫い合わせ1箇所あたり15〜20秒短縮、1日200回で約58分の時短など、数値つきで課題と解決が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    時短効果の数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性は一部のみ読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員24人の規模と外部専門家の指導を受けたことはうかがえるが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロット製品への需要増、メーカーの生産ライン確保の苦慮、高品質・低価格・短納期という提供価値が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    導入後4か月の習熟状況、外部診断士による改善指導、2週間先の生産計画への移行など、課題と対応方法が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    小ロット縫製に特化する点は示されるが、ジャンルの普及度や高付加価値化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    メーカー側の小ロット対応や裁断・刺繍の外注受託など、業界内の波及がわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果4

    自動裁断機や刺繍機の導入で作業効率が大きく改善したと具体的な時間短縮効果が示されており、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    自動裁断機やCAD/CAMの活用は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    徳島県吉野川市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小ロット需要に高品質・低価格・短納期で応えることで、メーカーにとっては利便性が高まり、自社にとっては小ロット対応をきっかけとした定番商品枠の獲得が見込まれる。また、小規模クラス縫製化のビジネスパートナーとして、裁断や刺繍工程の業務アウトソーシング受託による売上増加も見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。