ものづくり補助金平成25年度製造業奈良県

未利用・余剰水力エネルギー回収超小型水力発電・蓄電システムの開発

株式会社 寺田ポンプ製作所

成果水車効率 32%→39%

この事例のポイント

  • 低圧・低水量の工場排水から発電するためには、ポンプを水車として使う際の羽根車とケーシングの改良が必要だった。
  • 工場から無駄に放流されていた小水力エネルギー(少ない流量・小さな圧力)を電気に変換するため、工場排水でモーター(羽根車)を回す逆転の発想でポンプ逆転水車を試作した。
  • 水車効率 32%→39%。試作したポンプ逆転水車は、既存ポンプの逆流運転時と比べて水車効率が7ポイント改善し、低圧・低水量での起動性と高回転を実…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 寺田ポンプ製作所
所在地奈良県 大和高田市
業種はん用機械器具製造業
技術分野機械制御
従業員数118人
資本金2.813億円
設立1950年

事業の背景

当社は工業用・農業用などのポンプを扱うメーカーである。地球温暖化問題や東日本大震災を受けて、太陽光・水力・風力などの自然エネルギーによる発電が注目されている。水力の小型発電は普及しているものの、大半が河川水利用で水利権取得の手続きが煩雑なため、主に公共設備での利用にとどまり、一般企業での利用は困難である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術低圧・低水量の工場排水から発電するためには、ポンプを水車として使う際の羽根車とケーシングの改良が必要だった。
  • 品質・精度低圧・低水量での試作では効率のよい水流をつくれるかが鍵となるため、ケーシング内の微妙な水流状態を確認する必要があった。

やったこと

工場から無駄に放流されていた小水力エネルギー(少ない流量・小さな圧力)を電気に変換するため、工場排水でモーター(羽根車)を回す逆転の発想でポンプ逆転水車を試作した。羽根車は角度・外径・高さ・R形状を改良を重ねて、低圧・低水量での起動性向上と高回転を実現した。ケーシングは流入口部の形状を改良し、内部が目視できるよう透明の樹脂で成形した。さらに流入側から微量の空気を混入させ、水流中の水泡の状態で確認を行った。

その他ポンプ逆転水車(試作機)

新しい製品・サービス:超小型水力発電・蓄電システム

事業の効果

  • 水車効率 32%→39%

試作したポンプ逆転水車は、既存ポンプの逆流運転時と比べて水車効率が7ポイント改善し、低圧・低水量での起動性と高回転を実現した。これにより、工場の未利用水から小水力エネルギーを電気に変換する見通しが立った。今後は従業員10人以上の工場を主なターゲットに超小型水力発電・蓄電システムを販売し、2年目に10台・1,000万円、5年目に80台・8,000万円の売上を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存ポンプ事業の延長として水車化する話はうかがえるが、事業戦略上の位置付けや過去取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    潜在市場約12万事業所・4,000億円、水車効率32%→39%の7%改善など、市場と技術の強みが数字で示されている。

  • 課題の認識と解決3

    低圧・低水量での水流状態把握が課題と示されるが、高付加価値化や成長に直結する計画としての具体性は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    2年目10台・1,000万円、5年目80台・8,000万円という売上目標が具体的な数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    社内体制や人材配置については記載がなく、会社概要の従業員118名や設立年程度しか読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは従業員10人以上の工場、非常用電源や短時間利用のニーズという顧客像と用途が明確に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から販売までの年次目標はあるが、課題解決の方法は透明ケーシングと空気混入の確認など示され、中長期の検証計画は概要的である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    水利権の煩雑な河川利用を避け工場排水を使う超小型水力は普及度が低く、新分野での差別化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地球温暖化対策や東日本大震災を背景に自然エネルギー普及への期待が示されるが、波及効果や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金投入額と付加価値増加や費用対効果の関係は記載がなく、販売目標のみで判断が難しい。

  • イノベーションへの貢献2

    工場の未利用小水力を電気に変換する点で新しい取組がうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    再生可能エネルギーの普及という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

潜在市場は従業員10人以上の工場約12万事業所、潜在市場規模4,000億円とされ、2年目に10台(1,000万円)、5年目に80台(8,000万円)の販売を目標としている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。