ものづくり補助金平成26年度製造業千葉県

小水力発電用新規「高効率自動除塵システム」の開発

株式会社新工法開発研究所

この事例のポイント

  • 落葉シーズンは人による巡回清掃では対応しきれず、大雨の後などは大量のゴミが浄水場の源水槽及び発電所の貯水槽に流入し、発電所が自動停止する事態がかなりの頻度で発生していた。
  • 除塵効率の確保のため、常時除塵できるエンドレスのネットコンベア式とし、バケット式の除塵ネットを単品交換可能な構造とした。
  • 除塵機の設置後は、大雨の後でもゴミの流入による発電所の自動停止が全て解消された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社新工法開発研究所
所在地千葉県 市原市
業種はん用機械器具製造業
技術分野製造環境
従業員数10人
資本金8,700万円
設立2006年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力落葉シーズンは人による巡回清掃では対応しきれず、大雨の後などは大量のゴミが浄水場の源水槽及び発電所の貯水槽に流入し、発電所が自動停止する事態がかなりの頻度で発生していた。
  • 人手・技能取水口から流入する小枝や落ち葉などがスクリーンに堆積して使用水量が減少し、特に山間部の小水力発電所では年間発電量の30%減が避けられない状況にあった。
  • 新製品・新技術商業用電力の無い場所でも365日絶え間なく除塵できる自動除塵機の開発が必要だった。

やったこと

除塵効率の確保のため、常時除塵できるエンドレスのネットコンベア式とし、バケット式の除塵ネットを単品交換可能な構造とした。ネットのゴミには反除塵側から水流を当てる強制除去機能、刷毛付きローラーで突き出す強制除去機能、振動で振るい落とす機構を採用し、ゴミ詰まり防止に排出コンベアーを設置した。無人化のため運転サイクルを1回/1日から連続まで設定可能とし、動作時間は30秒~300秒の範囲で設定できるようにした。さらに水位差自動検知運転機能とWEBによる運転状態の遠隔監視装置を採用した。省エネのため、ネットコンベアー、排出コンベアー、水圧ポンプの時間差起動による起動電流平滑化回路を採用し、太陽光発電装置を設置した。安全対策として過負荷防止装置、フェンスによる囲いと扉の開閉確認ランプを設けた。

加工機高効率自動除塵システム(除塵機)
その他太陽光発電装置
その他排出コンベアー
その他水圧ポンプ
検査測定監視カメラ

新しい製品・サービス:高効率自動除塵システム(自動除塵機)

事業の効果

除塵機の設置後は、大雨の後でもゴミの流入による発電所の自動停止が全て解消された。落葉の状況に合わせて稼働し、電源のない場所でも太陽光発電装置で電源を確保して24時間365日規則正しく除塵を行い、水質の維持に貢献している。落葉の状況に合わせて稼働することで、電力の負担なく常時水を供給できる除塵機が開発できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    小水力発電装置の製造が得意分野で、除塵機開発はその延長にあるが、経営戦略上の位置付けは記載されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    発電量30%減の課題に対し除塵機を開発し、今後5ヶ所への設置や浄水場へのPRを計画しているが、競合や市場分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決5

    年間発電量30%減という課題と、巡回対応の限界による発電所の自動停止頻発を挙げ、設置後は全て解消したと成果を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    高付加価値創出や賃上げの目標値は記載がなく、数値目標は読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員10名の体制で部品のほとんどを自社製作し、予算管理に苦労したと記載されているが、事務処理体制の詳細はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    落葉の塵を自動回収し、電源のない所でも太陽光で24時間365日稼働する点と、浄水場・発電所という顧客像が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    今後の設置予定を群馬・福島・大分の5ヶ所と具体的に挙げ、全国の市町村への展開を検討していると述べている。

  • 財務と資金の調達2

    資本金8,700万円、売上高3億5,000万円の記載はあるが、資金調達や財務状況の確保についての記述はない。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    小水力発電向けの除塵機とされるが、ジャンルの普及度や高価格化を示す記述はありません。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    浄水場や発電所の水質維持に貢献すると述べられているが、経済波及や雇用創出への言及は少ない。

  • 費用対効果2

    発電停止の解消という効果は書かれているが、補助金額に対する付加価値や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    WEBによる遠隔監視装置と太陽光発電を組み込み、電源のない場所でも自動除塵を可能にしていると記載されている。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    日本経済の構造転換への言及は見当たらず、読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山間部の小水力発電所を対象に、大多喜町など地域の水源管理に役立つ点が示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後の設置予定は群馬県みどり市小中川第一、第二発電所、福島県大玉村遠藤ヶ滝・大玉第一発電所、福島県会津喜多方市雄国沢発電所、大分県由布市阿蘇野用水発電所の5ヶ所を予定している。今後は全国の市町村が運営する浄水場などにも積極的にPRしていく考えである。

  • 目標:小水力発電所では年間発電量の30%減は避けられない状況にあった(開発前の見込み)
  • 目標:従来は1日に2回人の巡回監視により除塵を行っていた

事業者の声

国のものづくり補助金を頂き、念願の除塵機開発が実行できました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。