ものづくり補助金平成25年度医療、福祉和歌山県

歯科用CAD/CAMシステムを用いた保険歯科技工物全般の高度化と効率化

有限会社スリー・エフ・シー・デンタルラボ

成果CAD/CAM冠の製造本数は332本となり、前年同期比約11倍となった。

この事例のポイント

  • 同業者が数年前からCAD/CAMシステムを使い始めており、遅れをとらないためにできるだけ早く導入したかった。
  • 歯科用CAD/CAMシステムを導入し、テストを行った後、2014年12月から受注体制を整えて製造を開始した。
  • CAD/CAM冠の製造本数は332本となり、前年同期比約11倍となった。CAD/CAMシステムの導入によりCAD/CAM冠などの製造本数が大きく増え、売上に直結した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社スリー・エフ・シー・デンタルラボ
所在地和歌山県 和歌山市
業種医療業
技術分野精密加工
従業員数4人
資本金300万円
設立1992年

事業の背景

1992年設立の義歯や補綴物の製造会社で、代表は歯科技工士として30年以上の業界経験を持つ。近年はCAD/CAM冠の製造が売上の半分を占め、納入先は和歌山県内の歯科医院が多く、一部は同業者から加工業務を請け負っている。2014年4月からCAD/CAM冠が保険適用となったことで需要増加が見込まれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術同業者が数年前からCAD/CAMシステムを使い始めており、遅れをとらないためにできるだけ早く導入したかった。
  • コスト・採算機械加工の工程を外注していたため配送に日数がかかり、外注費の負担も重かった。
  • コスト・採算口腔内に装着する修復物の設計と加工に用いる複数の道具や装置をCAD/CAMシステムに統合する金銭的負担が重く、導入をためらっていた。

やったこと

歯科用CAD/CAMシステムを導入し、テストを行った後、2014年12月から受注体制を整えて製造を開始した。補助金によって資金負担を軽減したかたちでの導入である。導入により自社内で一貫生産できるようになり、外注に出す量が減った。

事業の効果

  • CAD/CAM冠の製造本数は332本となり、前年同期比約11倍となった。
  • ジルコニア有冠の製造本数は8か月累計で119本、前年同期比約6倍となった。

CAD/CAMシステムの導入によりCAD/CAM冠などの製造本数が大きく増え、売上に直結した。自社内一貫生産により外注が減り、懸案だった外注費を抑えられた。製造日数も短縮され短納期に対応できるようになった。手作業からコンピューター化したことで高度な精密仕上げが可能になり、競争力も向上して新たな加工依頼も入るようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    業界経験30年以上や歯科技工士としての実績が書かれ、CAD/CAM導入が同業者に遅れないためと説明されている。経営戦略上の位置付けは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    CAD/CAM冠の需要増加や同業者のシステム導入が背景として書かれ、導入後に製造本数が前年同期比約11倍と示されている。

  • 課題の認識と解決4

    外注による配送日数と外注費負担を課題として認識し、CAD/CAM導入後に製造日数が3~5日短縮されたと書かれている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    毎月合計100本の納品という目標値が示され、既存得意先と新規取引先からの受注を見込んでいると書かれている。

  • 事業を進める体制3

    歯科技工士の経験や加工機械の増設計画は書かれるが、補助事業を遂行する人員や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    精度が高く割れにくいCAD/CAM冠の特徴や、手作業時より優れた仕上がりが書かれ、選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    加工機械を製品ごとに1台ずつ追加する計画や3Dプリンター導入の検討が書かれるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ジルコニア冠は透明感のある素材と説明されるが、高付加価値化や高価格化を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    保険適用による需要増加は触れられるが、地域の雇用創出や波及効果など国が補助する理由は明確に書かれていない。

  • 費用対効果4

    CAD/CAM導入後に製造本数が前年同期比約11倍、ジルコニア冠が約6倍と、投資に対する売上増の効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    CAD/CAMなどのデジタル技術を使うことは書かれるが、サプライチェーンや地域全体へのイノベーション貢献は述べられていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    和歌山県内の歯科医院が営業基盤と書かれるが、地域特性を活かした成長や雇用牽引の記述は限定的である。

今後の展望

新規取引先の開拓と他技工所とのネットワーク構築を進め、営業を強化する考えである。CADオペレーターとなる歯科技工士の新規雇用・育成も計画している。加工機械を製品ごとに1台ずつ追加購入し、3Dプリンターの導入も視野に入れている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。