ものづくり補助金平成25年度医療、福祉鹿児島県

先進医療の保険導入における歯科用CAD/CAM装置による歯冠補綴物の開発

有限会社アジャスト

成果作業時間 180分→60分

この事例のポイント

  • これまで歯冠補綴物の全部鋳造冠の作製は、人間の手作業なしでは成し得なかった。
  • 歯科用CAD/CAM装置を導入し、ハイブリッドセラミックによる歯冠補綴物を保険適用の対象として製造できる体制を整えた。
  • 作業時間 180分→60分。作業時間が180分から1/3に短縮され、品質の均一化が図られた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社アジャスト
所在地鹿児島県 鹿児島市
業種医療業
技術分野情報処理,精密加工,複合・新機能材料
従業員数17人
資本金300万円
設立1994年

事業の背景

歯科用CAD/CAM装置の登場により、従来の歯科技工の常識が覆された。平成26年4月から小臼歯に対する保険適用が始まり、当社は機械装置の導入に踏み切った。当社は10年間にわたりジルコニア専用のCAD/CAM装置を利用してきた。歯科技工所は数多く存在するが、CAD/CAMシステムを導入している技工所はごくわずかである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能これまで歯冠補綴物の全部鋳造冠の作製は、人間の手作業なしでは成し得なかった。
  • コスト・採算作業時間の短縮やコスト削減が必要であった。
  • 生産能力顧客である歯科医師のニーズに対応し、多くの患者に先進医療を提供するため、設備導入が必要であった。

やったこと

歯科用CAD/CAM装置を導入し、ハイブリッドセラミックによる歯冠補綴物を保険適用の対象として製造できる体制を整えた。CADでスキャニングした歯型をコンピュータでデータ化し、鹿児島の歯科医院だけでなく全国各地の歯科医院からの受注を可能にした。装置の作業時間が確定しているため、時間配分が容易になった。仕上がり誤差20ミクロンという高精度な製品を製造できるようになった。

新しい製品・サービス:ハイブリッドセラミック歯冠補綴物(保険適用対象)

事業の効果

  • 作業時間 180分→60分

作業時間が180分から1/3に短縮され、品質の均一化が図られた。全国の歯科医院からの受注が可能になり、販路が広がった。製品や製作プロセスや技術を統一でき、生産性・品質・コストの競争力向上につながった。材料のロスが抑えられ、コストダウンにも繋がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ジルコニア専用CAD/CAMを10年利用してきた経験があり、過去の取組との一貫性は読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    保険適用で需要が生じ、歯科技工所でCAD/CAM導入はごくわずかとあり、10年の高い知識とスキルを強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    作業時間180分から1/3に短縮、仕上がり誤差20ミクロンなど、課題と効果が数字で示され、受注拡大につなげる構想がある。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業時間が180分から1/3に短縮と示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員17人で10年間の装置利用経験があると書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    全国の歯科医院からの受注が可能になり、20ミクロンの高精度が選ばれる理由として示されている。ターゲットは歯科医院と明確。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の中長期の課題検証やスケジュールについては記載がなく、今後の取組として安価なサービスでの差別化が述べられるのみ。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    歯科用CAD/CAMによるハイブリッドセラミック補綴物は、手作業からの置き換えで、高精度・高付加価値化を図る取組として読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    保険適用による先進医療の提供や多くの患者への提供がうかがえるが、地域波及や雇用創出の具体的な記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    材料費・人件費・製作時間をカットし経営効率が改善したと述べられるが、投入額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    スキャンデータのデジタル化で全国の歯科医院と提携可能になったと述べ、デジタル技術活用による広域化がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    保険適用に伴う成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への寄与については記載がない。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島の技工所として地域から受注しているとあるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及は乏しい。

今後の展望

今回の設備導入によって後発の当社であっても受注数量を確保できると見込んでいる。材料費、人件費、製作時間のすべてをカットできたことは経営効率の改善に大きく貢献した。安価なサービスを提供することで他社との差別化を図り、更なる顧客確保につなげたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。