ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

摘果(廃棄)青みかんを活用したリキュールの量産化とオイルの抽出

成果リキュールの生産量 1倍(従来比)→10倍(従来比)

この事例のポイント

  • リキュールを量産する体制が整っておらず、収益拡大と拡販には生産能力を上げる必要があった。
  • 補助事業では新しい装置を計3台導入した。
  • リキュールの生産量 1倍(従来比)→10倍(従来比)。洗浄工程は作業時間と流水のロスが減り、青みかんを1時間に500〜800kg洗えるようになった。

事業者のプロフィール

所在地和歌山県 有田市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数9人
設立1923年

事業の背景

大正12年に製菓業として創業し、昭和に入って食酢、しょうゆ、だしのもとの製造を始めた。有田地方の温州みかん、ニンニク、赤シソなどを使って加工品を製造している。製菓業者から「良質な国産の柑橘系リキュールが少ない」という声があり、未成熟の青みかんを原料にしたオリジナルリキュールを開発し、平成27年から「バージンオレンジ」など2種類を飲食店や土産店などを中心に出荷して好評を得た。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力リキュールを量産する体制が整っておらず、収益拡大と拡販には生産能力を上げる必要があった。
  • 品質・精度製造工程を商品の良質化、スピード化、コストダウン化できる装置が必要とされていた。
  • 新製品・新技術製造過程で廃棄していた残滓を精製してアロマオイルとして商品化するには、専用の装置が必要だった。

やったこと

補助事業では新しい装置を計3台導入した。「洗浄ゴミ取り機一式」(佐藤農機鋳造/UW-10DS型)は摘果した青みかんを洗う機械で、1時間に500〜800kgのみかんを洗えるようになり、手作業時代に比べ作業時間と流水のロスが改善した。「プレハブ冷凍庫一式」(ホシザキ京阪/パネルPF-24CC-2.00 ユニットHUS11FA)は、従来は業者に委託していたため入庫までタイムラグがあり鮮度が落ちて皮が黄変することもあったが、自社の冷凍庫で鮮度の高い状態のまま大量に入庫できるようにした。「減圧(常圧兼用)蒸留装置一式」(横山エンジニアリング/YE式DV500型)は留液とアロマオイルの分離抽出を実現し、熱源を蒸気ボイラーにしたことで処理能力、処理量、安全性が向上した。

加工機洗浄ゴミ取り機一式(佐藤農機鋳造/UW-10DS型)
その他プレハブ冷凍庫一式(ホシザキ京阪/パネルPF-24CC-2.00 ユニットHUS11FA)
加工機減圧(常圧兼用)蒸留装置一式(横山エンジニアリング/YE式DV500型)

新しい製品・サービス:青みかんを原料にしたオリジナルリキュール(「バージンオレンジ」など)と、残滓から精製するアロマオイル

事業の効果

  • リキュールの生産量 1倍(従来比)→10倍(従来比)

洗浄工程は作業時間と流水のロスが減り、青みかんを1時間に500〜800kg洗えるようになった。冷凍保管は自社で行うことで鮮度を保ったまま大量に入庫でき、皮の黄変も防げるようになった。減圧蒸留装置により処理能力と処理量が大幅に上がり、安全性も向上した。これらにより従来の10倍のリキュールを生産できる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成27年から2種類の商品を出荷し、従来の果実加工事業を発展させる位置づけが読み取れる。量産体制で従来の10倍の生産を目指す計画が明記されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    「良質な国産の柑橘系リキュールが少ない」という製菓業者の声を強みの根拠にし、和歌山県優良県産品「プレミア和歌山」に4商品が選定されている点が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    製造工程の良質化・スピード化・コストダウンという課題と、冷凍庫導入による鮮度低下の解消が具体的に示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産量を従来の10倍にする目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員9名という規模は書かれているが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理の体制の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    製菓業者の声をもとに、飲食店・土産店向けの商品価値と販路が示されており、選ばれる理由の根拠がうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    県外のフードビジネスイベントへの参加やアロマオイルの研究など方向性はあるが、スケジュールや解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    良質な国産柑橘系リキュールが少ないという市場の状況と、青みかんを原料にした商品の特徴は読み取れるが、高水準の高付加価値化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    有田地方の農産物や地元農家の果実を使う点はうかがえるが、雇用や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    洗浄機が1時間500〜800kgを処理できる点や処理能力の大幅な向上は示されているが、投入額に対する付加価値の増加は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    導入装置は減圧蒸留装置や冷凍庫などの機械設備が中心で、デジタル技術や新しいビジネスモデルの記述はわずかにしかない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    有田地方の農産物や地元農家の果実を使った加工品づくりが具体的に書かれ、地域の特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

取引実績のある販路で売上を伸ばすとともに、県外のフードビジネスイベントなどに参加して新規取引先を開拓し、販路の拡大を図る。アロマオイルの商品化はまだ実現していないが、研究を重ねて青みかんの有効成分を活用していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。