ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

大手通販会社向け長毛カーペットの新規開発及び生産販売。

株式会社日本ハイパイル

この事例のポイント

  • 従来のスライバーニットのインテリア製品は通販会社向けで大きいサイズが多く、バリエーションも多くなかったため、多様な風合いの製品を小ロットで生産できる体制を整える必要があった。
  • 中国製のジャガードカーペットマシンを購入し、既存設備と組み合わせて多様な製品の提供を目指した。
  • 新規性の高いスライバーニットを製造できるようになり、縫製面でより高級感を出せるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社日本ハイパイル
所在地和歌山県 橋本市
業種繊維工業
技術分野立体造形
従業員数19人
資本金5,000万円
設立2011年

事業の背景

同社はスライバーニット生地の製造・企画販売を主軸とし、インテリア製品や寝装品をOEMで製造している。販売先は千趣会などの通販会社が多いが、問屋経由でアパレルや手芸向けなど多様な業種へも販路を持つ。アクリルからウール、カシミヤなど幅広い素材を独自ルートで仕入れられることが強みである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来のスライバーニットのインテリア製品は通販会社向けで大きいサイズが多く、バリエーションも多くなかったため、多様な風合いの製品を小ロットで生産できる体制を整える必要があった。
  • 生産能力既存設備だけでは提供できる商品の幅に限りがあり、設備導入によるコスト増で販売価格が上がると意味がないため、価格を抑えられる生産体制が求められた。

やったこと

中国製のジャガードカーペットマシンを購入し、既存設備と組み合わせて多様な製品の提供を目指した。柄のバリエーションを豊富にし、色使いは4色までとして、アクリル、アクリル系、ポリエステル、ナイロン、PP、ウールなど多様な素材を小ロットで対応できるようにした。後工程ではシープ調、プードル調、デザインシャーリング、ポリシャーなど多様な風合いの提案を組み合わせた。機械導入後は使える糸と使えない糸が出るなどの想定外もあったが、既存設備で仕上げ加工を行い製品の試作・開発を進めた。

  • 加工機ジャガードカーペットマシン

新しい製品・サービス:既存設備を活かして製造する、新規性の高いスライバーニット製品。縫製面で高級感を出せ、小ロットや短納期にも対応できる。2017年からの販売開始を予定している。

事業の効果

新規性の高いスライバーニットを製造できるようになり、縫製面でより高級感を出せるようになった。小ロット対応も十分可能となり、得意先ブランド柄でのOEM供給体制が構築できた。既存商品と新商品の両方で短納期対応が可能な生産体制を整えたことで、急な注文にも対応できるようになった。通販会社との新たな商談も進んでおり、2017年にはカタログ掲載が予定されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    設立以来の約50年の業歴とスライバーニット生地の製造・販売という主軸事業が書かれ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けを明示する記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    通販会社向けの販路や原料仕入・素材開発力が強みとして具体的に書かれ、小ロット・多様な風合いで差別化する方針が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    通販向け大型品中心という課題と、小ロット・多様な風合い対応による新規得意先開拓の方向性は書かれるが、成長目標や数値は示されていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、新商品のカタログ掲載予定が来年とあるのみで、実現可能性の定量的根拠は乏しい。

  • 事業を進める体制3

    従業員19人の規模と既存設備を組み合わせて試作・仕上げを行った経緯は書かれるが、補助事業の遂行体制を詳しく示す記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    通販会社からのオリジナル商品需要の増加、色4色までの小ロット対応、多様な風合いの提案など、顧客ニーズと提供価値が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    既存設備との組み合わせによる試作の結果や、来年のカタログ掲載予定など時間軸は書かれるが、中長期の課題検証や解決方法は十分に説明されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    スライバーニットは同社にしかできない新規性の高い製品とされるが、一般的な普及度や高価格化の水準を示す記述は限られている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域や雇用創出に関する記述はなく、橋本市の所在地以外に国が補助する積極的理由をうかがわせる記述は薄い。

  • 費用対効果2

    付加価値額の増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果を判断できる記述はほぼない。

  • イノベーションへの貢献2

    中国製ジャガードカーペットマシンと既存設備の組み合わせは書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    橋本市の企業で、多様な素材を仕入れ生地を製造する点は地域の事業と読めるが、地域特性を活かした雇用・成長への貢献は具体的に書かれていない。

今後の展望

保有設備を活かし、通販会社向けのインテリア製品群にスライバーニットをベースとした多様な製品を新たに提供していく方針である。天然繊維の新たな素材探しを進め、ウールやカシミヤ、アルパカ、キャメルの仕入れに注力する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。