ものづくり補助金平成25年度製造業鳥取県

多品目で小ロット生産に対応できる、もずく用自動充填機の開発導入

株式会社海産物のきむらや

この事例のポイント

  • 顧客の要望により多品目で小ロット化が進んでおり、味付もずくの容器(パック)への充填工程が課題になっていた。
  • 多品目・小ロットに対応できるもずく用自動充填機を導入し、制御ソフトは自社で開発した。
  • サーボモーターとデジタル信号による制御で、作業者の経験に頼らず味付もずくを安定して体積計量できるようになり、充填精度が改善した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社海産物のきむらや
所在地鳥取県 鳥取県境港市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,機械制御,製造環境
設立1972年

事業の背景

当社は1972年(昭和47年)創業の食品メーカーで、もずく、アジ、ナマコ等を加工した製品を販売し、高分子もずくフコイダンの開発製造も行っている。主力製品は、もずく由来の健康食品である味付もずく、味付めかぶ、味付なまこ、あじの南蛮漬等で、防腐剤や合成着色料を使わないグレードの高い商品としている。顧客要望により多品目で小ロット化が進んでおり、もずくは気象変動などの影響で調達が困難になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力顧客の要望により多品目で小ロット化が進んでおり、味付もずくの容器(パック)への充填工程が課題になっていた。
  • 品質・精度充填量の決定が作業者の経験と勘に依存しており、充填精度を安定させることが難しかった。

やったこと

多品目・小ロットに対応できるもずく用自動充填機を導入し、制御ソフトは自社で開発した。ピストンの駆動にサーボモーターを用い、ストロークの位置決めをデジタル信号化したことで、作業者の経験と勘に頼らず味付もずくの容積計量を決定できるようにした。品目ごとに必要な容積計量に対応するピストンのストロークを制御し、ピストン動作の加減速時間とピストン速度を最適化して、安定して体積計量できるようにした。さらに、分解洗浄・殺菌対象の部品を簡素化し構造設計を改善するとともに、部品の固定方法や配管部分を変更して殺菌手法を改善した。これにより分解洗浄・殺菌対象の部品点数と作業時間を削減し、当初の目標値を達成した。

事業の効果

サーボモーターとデジタル信号による制御で、作業者の経験に頼らず味付もずくを安定して体積計量できるようになり、充填精度が改善した。充填の過不足が減ることで、仕掛品や原材料費の削減が見込まれる。分解洗浄・殺菌の対象部品が減り、作業に要する時間と労力も削減された。多品目・小ロット生産に対応できる体制が整い、当初の目標値を達成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に取り組んだ研究開発や高分子もずくフコイダン開発との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明確に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品目小ロット化という顧客要望と研究開発室の存在は読み取れるが、市場動向や競争優位の定量的な比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    多品目小ロット化と原材料調達困難という課題を挙げ、充填精度改善や分解洗浄時間削減で対応する計画が読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    分解洗浄・殺菌対象の部品点数削減や時間削減で目標値を達成したとあるが、付加価値額や賃上げの目標数値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    研究スタッフ10名以上や研究開発室の存在は読み取れるが、補助事業の遂行体制として具体的な人員配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    添加物を使わない高品質な味付もずくや個食パック商品化など、製品の価値と顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    制御ソフトの自社開発や充填精度の改善が書かれているが、スケジュールや課題解決の段階的な進め方は明確ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    味付もずくの多品目小ロット生産で高い充填精度を維持する装置を、自社開発の制御ソフトで実現する点が特徴として書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    気象変動によるもずく調達困難への対応は触れられているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    充填ロスの削減や洗浄時間削減は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    サーボモーターによるデジタル信号制御は書かれているが、地域やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は述べられていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    鳥取県境港市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する内容は具体的に書かれていない。

今後の展望

もずくは気象変動などの影響で調達が困難になっており、多品目・小ロット化のニーズに対応するための今回の設備導入は重要な課題解決策になったとしている。今後は味付もずく、あじの南蛮漬等の加工食品と、高分子もずくフコイダン「フコミン」の2つを柱に事業を進める。安売り競争には参入せず、原材料生産技術と研究開発力で、人の身体や環境にやさしい本物の商品を追求するとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。