ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業島根県

バス利便性向上機器の統合化による製品力向上

株式会社バイタルリード

この事例のポイント

  • バス搭載の3つの機器は単品として開発されていたため、それぞれが独自のアプリケーションで稼働し、互いに連動していなかった。
  • 3つの機器を統合するため、一つのタブレットで操作できる統合化アプリの開発に取りかかった。
  • バス搭載機器3機種を統合した基本機器が完成し、実用機開発に向けた基本開発を完了した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社バイタルリード
所在地島根県 出雲市
業種技術サービス業
従業員数33人
資本金2,000万円
設立1998年

事業の背景

当社は交通計画のコンサルティングや公共交通に関する調査、それに伴うシステム構築を行っている。地方自治体が運営する公共バス向けに、安価な運用管理システムを開発・製造し、特に小さな地方自治体に販売している。システムは運行管理を行う「バス車載器」、乗客に行き先などを表示する「デジタルサイネージ」、乗降客数を計測する「乗降カウンター」からなる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術バス搭載の3つの機器は単品として開発されていたため、それぞれが独自のアプリケーションで稼働し、互いに連動していなかった。
  • その他運転手が営業運転中に3つのタブレットを操作することは違法であり、現実的に不可能だった。

やったこと

3つの機器を統合するため、一つのタブレットで操作できる統合化アプリの開発に取りかかった。同時に各機器を接続するための機器を開発し、基本的な関係モジュールを製作した。最終的に5台の試作機を製作し、バスに搭載して検証実験を行った。その結果、運転手の操作性と機器の安定性という課題を見出した。本事業では統合化の基本機器と操作アプリを完成させ、今後の操作性と安定性の解決には、シングルボードコンピュータを使用することとした。

ソフト統合化アプリ(操作用アプリケーション)
その他各機器を接続するための接続機器

新しい製品・サービス:バス搭載機器3機種の統合システム(基本機器)

事業の効果

バス搭載機器3機種を統合した基本機器が完成し、実用機開発に向けた基本開発を完了した。実装試験により、運用上の課題として運転手の操作性と機器の安定性の2点を明確にできた。実用に向けた大きな開発テーマを見つけ出せたことが成果である。今後は乗降客の少ない路線バス車両を主な対象とし、一般的な商品の50分の1の価格で導入できる点から市場性は高いと見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    交通計画コンサルと公共交通機器開発の一体展開が書かれ、小規模自治体向け製品として既存事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    一般商品の50分の1の価格で導入でき、路線バス車両への市場性が高いと予想されると書かれている。強みの裏付けや競合比較は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    3機器が単品開発で連動していなかった課題を挙げ、統合で運営負担を軽減すると書かれている。課題認識は明確だが、高付加価値化や成長の定量的計画は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。コンサル事業拡大の期待が述べられるのみ。

  • 事業を進める体制3

    従業員33人、創立以来の業務実績、地域公共交通計画の多数の実績が書かれている。ただし補助事業を遂行する体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小さな地方自治体向けの安価な運用管理システムとして顧客層が示され、運転手の操作負担軽減という価値も書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    実用化に向け操作性と機器の安定性を課題とし、シングルボードコンピュータの採用と今後の開発方針が明記されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    バス車載機は予算制約で未搭載の路線バスが多いと書かれ、ニッチ分野特化の形態が示されている。高付加価値化の水準は明示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域公共交通の維持という地方自治体の課題に対応すると読めるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    一般品の50分の1の価格という数字はあるが、補助金投入額に対する付加価値増や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    得られるデータをビッグデータとして解析し最適なバスダイヤを提案する構想が書かれている。デジタル活用の具体性は限定的。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    公共交通の利便性向上機器という分野は示されるが、日本経済の構造転換への寄与は記載されていない。

  • 地域経済への波及3

    島根県出雲市の地域企業として地域公共交通の計画策定を担ってきたと書かれ、地域特性との関連が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回開発した統合機器をベースに、さらなる実用向け開発を行う。路線バス車両を中心に市場性は高いと予想される。システムから得られるデータをビッグデータとして解析し、最適なバスダイヤの提案などにより、交通コンサルタント事業の拡大も期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。