ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

ネジ付スリップバーの組付及び溶接の自動化設備の導入

株式会社藤崎商会

成果生産量(日産) 480本/日→600本/日

この事例のポイント

  • ネジ付スリップバーの生産量を拡大する必要があるが、生産能力が制約されている。
  • ネジ付スリップバーの製作工程のうち、ナット組付(④工程)と溶接(⑤工程)の2工程にロボットを導入して自動化した。
  • 生産量(日産) 480本/日→600本/日。自動化により生産量が1日480本から600本、月産11,520本から14,400本に増加した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社藤崎商会
所在地広島県 広島市
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数40人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

スリップバーは2020年の東京オリンピックや東日本復興などの道路整備、空港拡張、護岸等の工事増加により、今後1.6倍から1.8倍の需要増が確実に見込まれている。建設現場の人材不足で現場加工ではなく工場生産の要請が高まり、生産力を持つ同社に追い風が吹いている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ネジ付スリップバーの生産量を拡大する必要があるが、生産能力が制約されている。
  • 人手・技能手作業で2人を要する「ナット組付」および「溶接」工程が、労働者不足の影響で生産量拡大の大きな制約になっている。
  • 人手・技能建設現場の人材不足により工場生産への要請が高まっているが、雇用状況に左右されない安定的な生産体制が必要である。

やったこと

ネジ付スリップバーの製作工程のうち、ナット組付(④工程)と溶接(⑤工程)の2工程にロボットを導入して自動化した。④工程では、搬送ロボットがナットとネジ切り済みのバーを締め付けステーションに運び、ロボットがナットを回転機に挟んでバーに挿入し締め付けを行う。⑤工程では、溶接ステーション内の溶接ロボットが組付け箇所を溶接し、搬送ロボットが次工程の製品ストッカーに整列させる。

ロボット締め付けステーション(ナット組付用ロボット)
ロボット溶接ステーション(溶接ロボット)
ロボット搬送ロボット

事業の効果

  • 生産量(日産) 480本/日→600本/日
  • 生産量(月産) 11,520本/月→14,400本/月
  • 作業員数 2名→0.5名

自動化により生産量が1日480本から600本、月産11,520本から14,400本に増加した。手作業で2人を要していた工程が0.5人で済むようになり、省人化が進んだ。手作業の排除と溶接光等からの解放により、作業者の労働安全衛生も改善された。生産システムには余力があり、将来的には月産18,000本を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例はネジ付スリップバーの製作で、需要増への対応と省力化を目的とした設備投資と読める。過去の取組との一貫性までは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    1.6〜1.8倍の需要増見込み、建設現場の人材不足で工場生産の要請が高まっている点、生産力を持つ強みに触れている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業2人役の「ナット組付」「溶接」を0.5人にする課題認識と、月産11,520本から14,400本への拡大目標が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    月産11,520本から14,400本、1日480本から600本、作業員2名から0.5名と数値目標があり、最終的に月産18,000本を目指すとある。

  • 事業を進める体制2

    事業の遂行体制として人材や事務処理能力の確保についての記述はあるが、具体的な体制や人員配置は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低価格化、良品質、短納期という市場要請と、コンクリート舗装工事向け目地金物という顧客ターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ロボットによる工程の流れや今後の市場展望は記述されているが、スケジュールや課題解決の具体的な方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    コンクリート舗装の目地金物という分野の普及度や高付加価値化について、わずかに示唆がある程度にとどまる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    空港整備や東日本大震災の復興など公共工事の需要増と、建設現場の人材不足への対応という社会的な必要性が示されている。

  • 費用対効果3

    生産量拡大や作業員削減の効果は数値で示されるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボットによる工程自動化は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献については具体的な記述がない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    建設・土木分野の需要増への対応は書かれているが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    広島の企業であり、地域未来牽引企業に認定されたことや地域産業への貢献が記載されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

空港整備のコンクリート舗装関連市場、東日本大震災の復興・整備関連市場、長期的な施工品質向上に伴うコンクリート舗装工事が見込まれる。大手ゼネコンへの販路拡大も進める。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。