ものづくり補助金平成27年度製造業滋賀県

レーザー加工工程の自動化によるボトルネックの排除と機械の稼働時間延長

株式会社佐藤医科器械製作所

成果レーザー加工工程のリードタイム 100%→66%

この事例のポイント

  • ステンレス板金加工の需要が多いが、生産能力を超えるオーダーは受注を断らざるを得ず、顧客に迷惑をかけていた。
  • 既存の最新レーザー加工機に、自動の材料・製品搬入搬出装置(テイクアウトローダー)と棚を設け、材料の加工器への投入、加工器からの取り出し、搬送などの周辺作業を自動化した。
  • レーザー加工工程のリードタイム 100%→66%。テイクアウトローダーの導入により、材料の投入・搬出などの周辺業務が手作業から自動になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社佐藤医科器械製作所
所在地滋賀県 京都市
業種金属製品製造業
技術分野デザイン,情報処理,精密加工
従業員数66人
資本金1,000万円
設立1962年

事業の背景

医療機器、食品製造装置、医薬品製造装置などは機械の腐食を防ぐためステンレスを多く用いており、主にこれらのメーカーから板金加工の依頼が多い。ステンレスの板金加工は鉄・アルミ・銅より技術的に難しく、対応できる業者が限られる。会社は長年のステンレス板金加工の経験から加工技術を持つが、需要が生産能力を上回ることがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ステンレス板金加工の需要が多いが、生産能力を超えるオーダーは受注を断らざるを得ず、顧客に迷惑をかけていた。
  • 納期・工程最新のレーザー加工機は処理能力が高いが、材料の投入・取り出し・棚への搬送などの周辺作業が手作業のため、工程のリードタイムが長くなりボトルネックになっていた。

やったこと

既存の最新レーザー加工機に、自動の材料・製品搬入搬出装置(テイクアウトローダー)と棚を設け、材料の加工器への投入、加工器からの取り出し、搬送などの周辺作業を自動化した。設備は2018年7月21日に発注し、11月20日から23日に搬入・据付、11月24日から29日に動作確認、11月28日から12月2日に操作研修と試運転を行った。12月2日から7日に試作品の評価と検収を行い、8種の製品を各50枚のステンレスシートで加工する検証実験をした。レーザー加工時間に搬入搬出の時間が含まれるため加工時間は見かけ上長くなったが、旧工程の材料セッティング・バラシ作業とジョイント取り時間が不要になった。

その他テイクアウトローダー(自動材料・製品搬入搬出装置)
その他自動搬入搬出用の棚

事業の効果

  • レーザー加工工程のリードタイム 100%→66%
  • 生産能力 1倍→1.5倍

テイクアウトローダーの導入により、材料の投入・搬出などの周辺業務が手作業から自動になった。工程リードタイムは約34%短縮され、生産性が大きく向上した。これまで生産能力の問題で断っていた加工依頼にも対応できるようになり、顧客満足度の向上が期待される。京滋エリアでこの自動化システムを導入している企業はほとんどなく、設備の優位性と高品質なステンレス加工の強みを強化できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ステンレス板金の長年の経験を強みとし、生産能力超過で受注を断る課題を解決する流れは読めるが、中長期の経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医療・食品・医薬品製造装置メーカーからの需要とステンレス加工技術の高さを強みとし、京滋エリアで同設備の導入企業がほとんどない点を挙げている。

  • 課題の認識と解決5

    レーザー加工工程のボトルネックを特定し、リードタイムを34%短縮、生産能力は約1.5倍と数字で課題と効果が結び付いている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイム34%短縮と生産能力約1.5倍、条件次第で2倍以上という数値目標と検証実験の結果が示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    設備発注から検収までの日程と操作研修・試運転の段取りは示されているが、担当体制や人材の具体像は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ステンレス板金の難易度の高さと、対応できる業者が限られる点から選ばれる理由が整理されている。顧客ターゲットは医療・食品等のメーカーと具体的。

  • 事業化までの道筋4

    設備発注から検収まで日付つきで5段階のスケジュールが示され、検証実験で8種の製品を50枚加工して評価している。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ステンレス板金は鉄・アルミ・銅より難易度が高く一般業者が対応しにくいと述べられており、高付加価値分野の位置付けはうかがえるが、数値による裏付けはない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療・食品製造装置など国内の製造基盤に関わる点がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    リードタイム34%短縮と生産能力約1.5倍という効果は読めるが、補助金投入額に対する付加価値増加額の記載はない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動搬入出を導入し周辺作業を自動化したが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルでの地域・サプライチェーン貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京滋エリアで同設備の導入企業がほとんどない点は地域での優位性をうかがわせるが、地域経済の成長牽引や雇用創出は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は生産能力オーバーで断っていた依頼にも対応し、加工品番を増やして顧客満足度の向上と自社の成長を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。