ものづくり補助金平成25年度製造業山口県

光学選別機による容器包装プラスチックのPE、PP素材の単一選別・量産化

株式会社広島企業

成果再商品化ペレットのグレード数 1種類→5種類

この事例のポイント

  • 再商品化プラスチックはPE・PPの混合比率が一定しないため物性が変わり、成型事業者が添加剤や成型条件で調整しており、成型コストが高く用途も限られていた。
  • 近赤外分光法を利用した光学選別機を導入し、2台の選別機を直列に配置してPE単一、PP単一、混合の3種に分別するラインを構築した。
  • 再商品化ペレットのグレード数 1種類→5種類。光学選別機の導入により再商品化ペレットの品質が安定し、使いやすい製品になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社広島企業
所在地山口県 広島市
業種プラスチック製品製造業
技術分野複合・新機能材料
従業員数109人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

当社は廃棄物収集運搬処理・水処理施設総合管理・ビルメンテナンスに取り組み、宇部テクノパークの宇部テクノリサイクルセンターでプラスチック材料やペットボトル、発泡スチロールのリサイクルを行っている。同センターでは容器包装プラスチックを年間11,000トン取り扱い、中国地方5県の合計収集量47,000トンの23%に当たる。プラスチック再商品化製品は年間5,000トンを生産している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度再商品化プラスチックはPE・PPの混合比率が一定しないため物性が変わり、成型事業者が添加剤や成型条件で調整しており、成型コストが高く用途も限られていた。
  • 生産能力近赤外分光法を使った光学選別は提案されていたが、大量高速の選別にはハードルが高かった。
  • 人手・技能手選別は手間がかかり、風力選別や静電選別、比重選別も精度が低かった。
  • コスト・採算PE・PP単一の製品を試作し強度や柔軟性を評価するには特殊な装置が必要で、試作と評価の繰り返しに大きな時間と費用がかかっていた。

やったこと

近赤外分光法を利用した光学選別機を導入し、2台の選別機を直列に配置してPE単一、PP単一、混合の3種に分別するラインを構築した。カメラ式センサーシステムとセンサーの分解能力を高め、PEまたはPPをエアノズルで吹き飛ばす仕組みの完成度も上げた。装置間には十分な点検スペースを設け、ステージや通路で分けるなど安全性とメンテナンス性に配慮した。山口県産業技術センターの開放設備を利用して試運転の支援を受け、試運転開始から半年余りで光学選別機の運転条件を確立した。

加工機光学選別機ライン(2台直列配置)

新しい製品・サービス:PE単一ペレットおよびPP単一ペレットなどの高品位な再商品化ペレット

事業の効果

  • 再商品化ペレットのグレード数 1種類→5種類

光学選別機の導入により再商品化ペレットの品質が安定し、使いやすい製品になった。中国経済の減速で需要が減退する中でも、高品位製品の製造に早くから取り組んでいたため、当社製品の需要は底堅く、フル生産を続けている。製品規格も厳しくなり、製造現場では細かい仕様を調整して良品を製造している。オペレーターも試行錯誤を通じて品質管理の知識が深まり、顧客の要望に応える意識が根付いた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成19年操業の新鋭工場で容器包装プラスチックを年間11,000トン扱うと書かれ、既存事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    再商品化ペレットの品質が安定し需要が底堅いこと、中国地方5県収集量の23%を扱う規模が書かれ、強みと競争優位の関係がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    PE・PP混合品の品質不安定と高級品に使えない課題を示し、光学選別機で単一選別し高付加価値部品へ拡げる方向が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間5,000トン生産や5グレード化など数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員109人、試運転から半年余りで運転条件を確立したとあり、体制の一端はうかがえるが事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    PE・PPの単一ペレットの品質安定という価値と、自動車用パネルなど用途拡大の顧客ターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試運転開始から半年余りでの運転条件確立や、今後の品質向上・リサイクル率向上の方針は書かれるが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    PE・PPの単一選別は大量高速選別が難しかった分野で、高品位ペレットの量産に成功したと書かれ、高水準の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    容器包装プラスチックのリサイクル率向上や循環型社会の構築への貢献は書かれるが、波及効果の定量的な記述は少ない。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値増加額の数字がなく、費用対効果はわずかにうかがえるにとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    光学選別機によるPE・PP単一選別で再資源化を進める点はイノベーションに関わるが、デジタル技術の具体性は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    循環型社会の構築への貢献と、自動車用部品など高付加価値分野への拡大が書かれ、構造転換への寄与がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    山口県宇部市の宇部テクノパークに立地し西日本有数の施設とあり、地域の特性との関係は読み取れるが雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

再商品化製品の品質を向上させて安定させることで、自動車用のパネルやカバーなど高付加価値部品へ用途が広がると見込む。生産技術と品質管理のレベルを上げ、容器包装プラスチックのリサイクル率を一層向上させて循環型社会の構築につなげることを目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。