ものづくり補助金平成25年度製造業徳島県

生砂の温度管理で実現する、鋳造製品の高品質化と工場環境改善のための設備事業

株式会社平田鋳造

この事例のポイント

  • 生砂の温度が高いと、砂の水分が蒸発して鋳型の強度が低下し、製品の形状不良が発生していた。
  • 鋳造製品の更なる高品質化を目的として、生砂の温度を管理するために空冷式サンドクーラーを導入した。
  • 空冷式サンドクーラーの導入により、製品の高品質化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社平田鋳造
所在地徳島県 板野郡上板町
業種鉄鋼業
技術分野製造環境
従業員数11人
資本金600万円
設立1972年

事業の背景

国内の鋳造製品の生産は縮小している一方で、海外の大口部品生産では対応できない多品種小ロットの鋳物部品の需要は高い。当社はその需要に応えるため、製品の高品質化を可能にする製造ラインと設備を充実させ、国内のニッチな需要を獲得できる生産体制の構築を目指した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度生砂の温度が高いと、砂の水分が蒸発して鋳型の強度が低下し、製品の形状不良が発生していた。
  • 品質・精度砂と型の温度差により型表面に砂が多量に付着し、製品の鋳肌が荒れる外観不良が発生していた。
  • 品質・精度鋳型と芯の温度差により芯の表面に結露が生じ、その水分が製品の巣の原因となる内部不良が発生していた。

やったこと

鋳造製品の更なる高品質化を目的として、生砂の温度を管理するために空冷式サンドクーラーを導入した。空冷式サンドクーラーは、既存のロータリースクリーン部分へ導入した。ロータリースクリーンの砂ダマ除去機能に加え冷却機能があるため、砂循環設備における砂の温度管理が可能となった。導入した空冷式サンドクーラー設備一式により、製品の品質を左右する生砂の温度を理想の温度まで下げることができる。

その他空冷式サンドクーラー

事業の効果

空冷式サンドクーラーの導入により、製品の高品質化が実現した。工場の室温が下がったことで造形担当者の高温負担が軽減され、集塵効果も生まれて工場環境が改善した。集塵効率の向上により集塵灰を再利用できるようになり、産業廃棄物が削減され、産廃処理コストも低減した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    海外大口生産に対応できない多品種小ロット需要を狙う方針は示されるが、過去の取組との連続性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外の大口部品生産では対応できない多品種小ロット需要と、阪神・瀬戸内への近接による小ロット・短納期対応という強みが示されている。

  • 課題の認識と解決4

    砂温度が高いと起きる強度低下、鋳肌荒れ、内部不良の3つの課題を挙げ、冷却機能付き設備で解決する方針が示されている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    付加価値額や賃上げの数値目標は記載されておらず、目標値そのものが読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員11人、資本金600万円との記載はあるが、補助事業を遂行する人員配置や事務体制は書かれていません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    多品種小ロット鋳物部品の需要と、阪神・瀬戸内・四国を重要顧客ターゲットとする位置付けが示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として地域の顧客への活動方針は書かれているが、スケジュールや課題解決の進め方は示されていません。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高品質化で国内のニッチな需要を獲得する方針は書かれているが、市場の普及度や価格水準の具体的記述はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内鋳造生産の縮小に触れるのみで、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていません。

  • 費用対効果3

    集塵灰の再利用による産業廃棄物削減と産廃処理コスト低減が記載されているが、金額や比率の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    空冷式サンドクーラーによる温度管理の改善は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの波及は読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    国内の鋳造生産縮小という状況と、多品種小ロットの国内ニッチ需要獲得が書かれるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    徳島県内の立地や四国での顧客開拓は書かれるが、地域の雇用創出や経済成長への効果は示されていません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地理的に近い阪神工業地帯や瀬戸内工業地域は小ロット・短納期対応が可能で、当社の強みが活かせる。四国内も同様の理由から重要な顧客ターゲットと位置付けて活動していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。