ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

縦形マシニングセンタ導入による高効率コンプレッサー部品の高精度加工と短納期対応

岩手鋳機工業株式会社

成果加工精度の精度変化量(1日あたり) 0.03mm→0.01mm

この事例のポイント

  • コンプレッサー内蔵部品の高精度加工への対応を求められたが、既存のマシニングセンタは温度変化に対応できず寸法精度に大きな誤差が生じていた。
  • 温度制御装置を備えたマシニングセンタを導入した。
  • 加工精度の精度変化量(1日あたり) 0.03mm→0.01mm。導入したマシニングセンタとNC円テーブルの組み合わせにより、取引先が要求する加工精度を達成できた。

事業者のプロフィール

事業者名岩手鋳機工業株式会社
所在地岩手県 奥州市
業種鉄鋼業
技術分野精密加工
従業員数64人
資本金3,750万円
設立1941年

事業の背景

当社は1941年設立で、産業機械・建設機械部品、農機具部品、水道部品など多岐にわたる鋳物部品を生産している。近年はコンプレッサーの本体や軸受ケース、クランク軸、動力伝達用プーリなどを鋳造から機械加工まで一貫受注している。2013年にコンプレッサーのモーター品質が向上して効率化が進んだことに伴い、メーカーから内蔵部品の高精度加工への対応を求められた。夏の工場内は40度近くまで上がり、朝晩と日中の温度差が20度を超えることもある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度コンプレッサー内蔵部品の高精度加工への対応を求められたが、既存のマシニングセンタは温度変化に対応できず寸法精度に大きな誤差が生じていた。
  • 生産能力マシニングセンタによる加工に1部品あたり約21分かかり、加工時間の短縮が必要だった。

やったこと

温度制御装置を備えたマシニングセンタを導入した。本機はサーモフレンドリー機能を搭載し、周辺の気温変化や切削刃の温度上昇を感知して熱変位を制御するため、加工精度の低下を防げる。NC円テーブルが付属しており、加工部品をこのテーブルに載せて加工できる。従来機では1日の精度変化量が0.03mmあったが、導入機では0.01mmとなり、精度変化量は0.02mm減少した。加工時間は従来機の約21分から17分になり、約4分(19%)短縮された。

加工機温度制御機能付き縦形マシニングセンタ(サーモフレンドリー機能搭載)
加工機NC円テーブル

事業の効果

  • 加工精度の精度変化量(1日あたり) 0.03mm→0.01mm
  • 部品1個あたりの加工時間 21分→17分

導入したマシニングセンタとNC円テーブルの組み合わせにより、取引先が要求する加工精度を達成できた。これまで受注が難しかった部品も受注可能となり、鉄道車両のダンパー部品や、直径2m近い大型送風機のベアリングケースの加工も手がけ始めた。加工時間は短縮され、作業時間の短縮と売上増加、人手不足対策にもつながると見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    鋳造から機械加工まで一貫受注してきた既存事業の延長として加工部門を強化しているが、経営戦略上の明確な位置づけは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先の要求する加工精度を達成し、これまで受注が難しかった鉄道車両部品や大型送風機ベアリングケースを受注できるようになったと書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    既存機の温度変化による寸法誤差という課題を認識し、温度制御機能付きマシニングセンタで解決した。加工時間は21分から17分へ19%短縮と数字がある。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間が約21分から17分へ約4分(19%)短縮、加工精度変化量が0.02mm減少と数値が示されており、受注量20%増加に取り組むとある。

  • 事業を進める体制2

    一人が複数台を効率的に稼働させる体制を示すが、人材や事務処理能力の確保について具体的な記載は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度加工に対する取引先ニーズや新規受注先の開拓を説明しているが、顧客ターゲットの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後はマシニングセンタを増設し、新たな加工品の受注を目指すとあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    鋳物部品の高精度加工で高水準の付加価値を目指すと読み取れるが、市場の普及度や高価格化の具体的な数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    鉄道車両部品やコンプレッサー部品の受注拡大を記載するが、地域経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工時間短縮と加工部門売上5〜6%上昇、受注量20%増加への取組が示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    温度制御機能や加工ナビゲーションによる工程集約が記載されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奥州市の地場の鋳物メーカーとして一貫受注を進めるとあるが、地域の特性を活かした雇用や地域成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はマシニングセンタを増設し、受注量の増加を視野に入れている。また、バルブ部品や送風機部品、建設機械部品についても鋳物素材から機械加工までの一貫受注を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。