ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

ショットブラスト装置の導入による生産性と品質の向上及び作業環境の改善

有限会社横田工作所

成果表面処理の作業時間 100%→10%

この事例のポイント

  • 地元新宮市では人口減少により建築需要が減り続け、大型物件の新築や建替えが少ないため、地場案件中心では安定受注の確保が難しい。
  • 平成25年度の補助事業で、鉄表面の摩擦面処理を行う表面研削用のショットブラスト装置を導入した。
  • 表面処理の作業時間 100%→10%。ショットブラスト装置の導入で鉄表面の摩擦面処理の品質が安定した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社横田工作所
所在地和歌山県 新宮市
業種鉄鋼業
技術分野精密加工,製造環境,表面処理
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1910年

事業の背景

創業は1910年で、熊野川上流の木材を運ぶ際に使う鉄(金具)を製造する鍛冶屋であった。4代目社長の時に建築分野に参入し、鋼構造物の加工製造・工事業者として発展してきた。拠点の和歌山県新宮市では人口減少が続き、建築需要も減り続けている。平成24年度の補助事業でドリルマシンを導入し、大型化と短納期には対応できるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑地元新宮市では人口減少により建築需要が減り続け、大型物件の新築や建替えが少ないため、地場案件中心では安定受注の確保が難しい。
  • 新製品・新技術建築物件が小型化して案件数が減れば、技術面で大都市部の企業との差が広がるという危機感があった。
  • 品質・精度鉄表面の摩擦面処理において品質の安定化と作業負担の軽減が喫緊の課題となっていた。

やったこと

平成25年度の補助事業で、鉄表面の摩擦面処理を行う表面研削用のショットブラスト装置を導入した。この装置により、納期面とコスト面で大都市部の新規市場に対して勝負できるようになると見込んだ。装置には集塵機も備えられている。

事業の効果

  • 表面処理の作業時間 100%→10%

ショットブラスト装置の導入で鉄表面の摩擦面処理の品質が安定した。集塵機により鉄粉の飛散がなくなり、作業環境が大きく改善した。作業時間は手作業の10分の1程度になり、納期の短縮とコスト面の競争力向上につながった。重労働の手作業が機械化されたことで従業員が複雑な加工に時間を使えるようになり、モチベーションの向上も見られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成24年度にドリルマシンを導入し大型化・短納期に対応した経緯があり、設備投資を継続する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    新宮市の人口減少と建築需要の縮小、大都市企業との技術差への危機感が書かれ、Mグレード指定工場の認定が差別化要素として挙げられている。

  • 課題の認識と解決4

    地場需要減少という課題を認識し、ショットブラスト導入で納期・コスト面を改善し大都市部の新規市場で勝負する計画が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間が手作業の10分の1程度になったと書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員7人の体制と、機械オペレーター育成を進める方針は書かれているが、事務処理能力や遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大都市部の大型物件を狙う方針と、鋼材加工工程を大阪に依頼する同業者への低コスト・短納期の訴求が書かれているが、ターゲットの定量的裏付けは乏しい。

  • 事業化までの道筋3

    2015年度に新設備で横浜や京都の大型鉄骨工事を受注した実績と今後の人材確保方針が書かれ、時系列の流れは読み取れる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    鉄骨加工は一般的な分野で、加工製品での差別化が難しいとされており、高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    地域の建築需要減少と地域経済への還元を掲げ、地域の鉄の仕事を支える方針が書かれているが、波及効果の定量は示されていない。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値額の増加は示されず、作業時間短縮と従業員の機械化による効果が一部うかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    大都市部の大型案件への進出という構造的な動きはうかがえるが、成長分野や日本経済の構造転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    新宮市の山間の高田工場を拠点に地域の鉄骨需要に応え、地域の同業者への技術発信や人材育成で地域経済を牽引する方針が書かれている。

今後の展望

大都市部から大型物件の受注を獲得し、技術力を高めていく方針に変わりはない。地域の同業者に装置導入の効果を説明し、低コスト・短納期での加工をアピールしていく。受注増加に合わせて人材の確保・育成も進めていく。

事業者の声

機械二人の技術力

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。