ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

曲面形状鋳造技術確立とリードタイム軽減による生産効率の向上

明立工業株式会社

この事例のポイント

  • 近年は三次元データで注文を受ける割合が増え、データを活用してリードタイムを短縮し生産効率を上げる必要があった。
  • 非接触三次元測定機を導入し、曲面形状の寸法計測と、模型・製品の測定データの照合・検証を行えるようにした。
  • 各自動車メーカー向けの取り組みで最も成果が出た。

事業者のプロフィール

事業者名明立工業株式会社
所在地山形県 山形県東根市
業種鉄鋼業
技術分野測定計測
従業員数90人
資本金8,480万円
設立1968年

事業の背景

当社は1968年の創業以来、鉱山機械、自動車、橋梁など各種産業分野で用いられる鋳鋼品を中心に、年間約4,000tを自社で模型製作から鋳造、機械加工まで一貫生産してきた。近年は三次元データでご注文を頂く割合が増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力近年は三次元データで注文を受ける割合が増え、データを活用してリードタイムを短縮し生産効率を上げる必要があった。
  • 品質・精度手作業では計測できない曲面形状の製品を検証するため、三次元測定機の導入が必要だった。
  • 生産能力鋳造品の検査は一か所ずつ手作業で測定しており、製品全体の歪みや凝固収縮の状態を比較検討することが難しかった。

やったこと

非接触三次元測定機を導入し、曲面形状の寸法計測と、模型・製品の測定データの照合・検証を行えるようにした。これにより鋳造方案の妥当性を確認できた。製品の測定データを評価して次回以降の加工代を低減する取り組みを進めた。さらにデータの蓄積と分析により高精度な鋳造方案を確立し、リードタイムの短縮を図る。

検査測定非接触三次元測定機

事業の効果

各自動車メーカー向けの取り組みで最も成果が出た。三次元測定機の導入後は、製品を傾けた状態でも高精度の検査測定が容易になり、全面を立体的に確認できるようになった。手作業では難しかった製品全体の歪みや凝固収縮の比較も容易になり、測定データのフィードバックで加工代を低減して歩留まりの向上と機械加工時間の短縮につながった。熟練した検査の技能や知識が不要となり、誰でも検査作業を担当できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業以来の鋳鋼品一貫生産と三次元データ注文の増加に触れるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    三次元データで注文を受ける割合が増えていると書かれ、受注の強みに触れるが、競争優位の根拠となる数字や比較はない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業では計測できない曲面形状の検証が課題と明示され、非接触三次元測定機で加工代低減や歩留まり向上につなげたと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    歩留まり向上や機械加工時間短縮に繋がったとあるが、目標値や付加価値額、賃上げの数値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    熟練検査が不要になり誰でも検査を担当できるようになったとあるが、体制や事務処理能力への言及はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車メーカー向けの曲面製品検証という用途と三次元データ注文の増加が読めるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    データ蓄積で鋳造方案を確立しリードタイム短縮を図る、水平展開を計画するなど段階的な方針が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    鋳鋼品の一般的な普及度には触れないが、曲面形状の計測を実現した点から、高付加価値化の方向性がわずかにうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車、鉱山機械、橋梁など各種産業の鋳鋼品を扱うと書かれるが、波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果2

    歩留まり向上と機械加工時間の短縮は書かれるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    三次元測定データのフィードバックで加工代を低減する活用が書かれ、サプライチェーンへの貢献も示唆される。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山形県東根市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

三次元測定のメリットをより多くの顧客に理解してもらい、三次元データでの受注機会を増やしていく。また加工代低減の活動を自動車メーカー向け以外の製品へ水平展開し、さらなる歩留まり向上と工数低減を計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。