ものづくり補助金平成25年度製造業香川県

印刷会社と印刷発注会社間における自動入稿(原稿受付)システムの開発・導入

株式会社ミヤプロ

この事例のポイント

  • 印刷原稿には多様な形式が使われているため、印刷トラブルに発展しやすい。
  • 入稿に慣れていない人でも簡単に扱える自動入稿システムの開発にあたり、基本仕様の検討、検討会の開催と仕様決定を行った。
  • 他社へのプレゼンテーションでエラーチェック・印刷用データ変換機能と入稿専用ホームページの基本機能が高く評価された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミヤプロ
所在地香川県 高松市
業種印刷・同関連業
従業員数29人
設立1976年

事業の背景

印刷原稿は形式が多様で、印刷トラブルに発展しやすい状況だった。印刷会社の営業担当は打ち合わせを兼ねて客先を訪問し、入稿データの受け取りや修正依頼のために何度も訪問していた。大手企業からはOffice系ソフトのデータをそのまま入稿したいというニーズも増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度印刷原稿には多様な形式が使われているため、印刷トラブルに発展しやすい。
  • 人手・技能営業担当が客先を訪問して入稿データを受け取り、不備があれば再訪問して修正を依頼するため、印刷会社の営業担当や客先のデータ制作者にとって非効率である。
  • 人手・技能Office系ソフトのデータをそのまま入稿したいという大手企業のニーズが増え、その対応に追われていた。

やったこと

入稿に慣れていない人でも簡単に扱える自動入稿システムの開発にあたり、基本仕様の検討、検討会の開催と仕様決定を行った。入稿データごとのバージョンや各種印刷商品の後加工の仕様、入稿専用ホームページのデザインを検討した。パルフラップ社のデータ変換エンジンをベースに印刷技術とシステムを開発した。サービス実施準備では商品の絞り込みと各サービスの最終決定を行い、実施と検証では顧客の体感や社内フローを検証しながら品質向上と安定を図った。試作の検証では、Office系データやPDFで様々な用紙サイズの設定、特殊なフォント、大きな画像を含むデータ、1GBを超えるファイルを用いてテストし、エラーチェックとデータ変換の精度を確認した。

  • ソフトパルフラップ社のデータ変換エンジン

新しい製品・サービス:B to B型Web to Printシステム(印刷原稿自動入稿システム)

事業の効果

他社へのプレゼンテーションでエラーチェック・印刷用データ変換機能と入稿専用ホームページの基本機能が高く評価された。各社の製品やオプション加工のバリエーション、ユーザー管理機能についてもカスタマイズ要望を得た。入稿を24時間365日いつでも行えるため、時間的ロスが減り本業に専念できる時間が生まれる見込みである。社内利用による売上増と、印刷会社への販売による5年後の売上増3,000万円を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    印刷業界の新サービスとして印刷会社向けWeb to Printシステムを開発し、印刷業の枠を超える方針と記載があるが、過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    入稿の非効率やOffice データ入稿ニーズの増加を課題とし、エラーチェック精度を高い水準で実現した点や他社プレゼンでの高評価が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    24時間入稿や自動エラーチェックで時間的ロスを減らす計画と、社内売上増対前年比、5年後売上増3,000万円の目標が書かれている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後売上増3,000万円、導入費用400万円・保守月10万円、社内売上増対前年比の目標数値が示されているが、達成根拠の詳細は薄い。

  • 事業を進める体制3

    開発を5工程で実施し、パルフラップ社のエンジンをベースに開発したと記載があるが、体制や人材の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    印刷発注会社の入稿負担が顧客ターゲットで、Office 形式の入稿ニーズや他社からの機能評価が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    基本仕様から実施と検証までの工程と、スタンドアローン版の開発や代理店契約の強化が書かれているが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    Web to Print市場は500億円規模と記載され、印刷会社の従来対応を超える新しい取組であることがうかがえる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    Web to Print市場の拡大期待や業界の効率化に触れているが、雇用創出や波及効果の記載は薄い。

  • 費用対効果3

    時間的ロスの削減や業務専念時間の創出が述べられているが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    B to B型Web to Printシステムにより印刷業界の入稿プロセスを変革し、業界横断のサプライチェーン効率化に貢献する点が書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    Web to Print市場の成長に触れており、印刷業の新たな分野への進出がうかがえるが、構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

日本のWeb to Print市場は印刷通販の盛況もあり500億円規模である。B to Bのビジネスモデルで企業のWeb to Printシステム利用率が向上すれば、従来の印刷会社も対応を始め、さらに市場が拡大すると期待される。Web を介さないスタンドアローン版の開発にも取り組み、代理店契約と販売促進を強化する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。