ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

大型インクジェット機とサンプル加工機の導入で自社の良さを活かし顧客ニーズに対応する。

江見印刷紙工株式会社

この事例のポイント

  • 面板作成を熟練工に頼っており、その工程がボトルネックになっていた。
  • 平成27年春にインクジェット印刷機1台とサンプルカッティングマシン1台を導入した。
  • インクジェット印刷機の導入により、厚紙にも印刷でき、データがあれば迅速に出力できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名江見印刷紙工株式会社
所在地大阪府 八尾市
業種印刷・同関連業
技術分野機械制御
従業員数34人
資本金1,000万円
設立1927年

事業の背景

昭和2年に大阪市福島区で創業した容器メーカーで、百貨店や弁当箱の資材を中心に生産している。平成12年以降設備投資に力を入れ、平成23年に松原市の常磐印刷を買収した時点では菓子向けサンプル品資材の生産が中心だった。外注比は5〜10年前と比べて半分以下になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力面板作成を熟練工に頼っており、その工程がボトルネックになっていた。
  • 生産能力サンプル製作を容易にできず、外注していた一連の作業を社内で行えない状態だった。
  • 納期・工程厚紙への印刷が難しく、小ロット製品の依頼は断らざるを得なかった。
  • 人手・技能紙資材を人力で積み上げて扱っていたため作業効率が悪く、重労働で腰を痛める社員もいた。

やったこと

平成27年春にインクジェット印刷機1台とサンプルカッティングマシン1台を導入した。導入した機械でパッケージ色校正印刷、サンプルカット、抜き型作成を社内で行う体制にした。CADで設計してサンプルカッティングマシンでカットする生産ラインを作り、面板作成をデジタル化した。インクジェット印刷機で厚紙にも印刷できるようにし、平成28年2月には紙そろえ機を導入して紙資材の積み上げ作業をなくした。

加工機インクジェット印刷機(ローランド ディージィー社製)
加工機サンプルカッティングマシン
加工機紙そろえ機
ソフトCAD

事業の効果

インクジェット印刷機の導入により、厚紙にも印刷でき、データがあれば迅速に出力できるようになった。サンプル製作を社内で完結できるようになり、外注比率が下がって内製化が進んだ。コストダウンや納期短縮も実現し、不良品も減った。小ロットの依頼や商品ポップ向けの仕事が増え、取引先に多様性が生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成12年以降の設備投資や内製化の流れが述べられ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    多様な紙容器の提案や小ロット対応、医療分野への照準が書かれるが、市場動向と自社の強み・弱みの分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    熟練工依存の面板作成やボトルネックを課題として認識し、デジタル化で解決した経緯が書かれているが、数値的な効果は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    外注比が5~10年前と比べ半分以下になったと書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    息子の入社や技能伝承への取組が書かれ、体制には触れるが、補助事業遂行のための人材や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小ロット対応や商品ポップ向け仕事の増加、顧客要望への迅速対応が書かれ、顧客ターゲットの方向性はうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    医療分野への照準や紙そろえ機導入の記述はあるが、中長期の検証や遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    厚紙へのインクジェット印刷で小ロット対応を可能にした点が書かれ、高付加価値化の方向性は読み取れるが数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域雇用や波及効果への言及は乏しく、紙資材の一貫した生産体制が書かれる程度で国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果2

    生産性が上がればペイすると述べられ、不良低減もあるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    インクジェット印刷機とCADを使ったデジタル化で紙器製造の工程を変えた点が書かれ、デジタル技術活用はうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大阪府八尾市の地元企業であることは書かれるが、地域の特性を活かした経済成長への牽引は具体的に述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

技能伝承を今後の課題と考え、その方針で力を入れていく。小さな仕事をこなしながら大口の顧客を開拓し、医療分野にも照準を合わせていく。インクジェット印刷機が会社を長く支える設備になる時期は遠くないとみている。

事業者の声

それで商売をしていく気はない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。