ものづくり補助金平成25年度製造業香川県

皮革新型ミシンの導入による製造工程の改善と効率化(少量、多品種、短納期)、それによる高品質で高機能素材(小豆島バージンオリーブオイルを使った皮革製品)の縫技術の構築

エールック株式会社

成果消費電力(ハイポストミシン) 100%→90%

この事例のポイント

  • 生産設備が老朽化して故障が多く、復旧に数時間から1日かかるため納期遅れが生じている。従来のミシンでは厚さ1.5mm以上の革を縫うのが困難である。
  • ハイポストミシン、コンピューターミシン、新型平ミシン自動糸きりを導入した。
  • 消費電力(ハイポストミシン) 100%→90%。ハイポストミシンにより底縫いやマチ縫いが可能になり、作業効率が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名エールック株式会社
所在地香川県 東かがわ市
業種繊維工業
技術分野製造環境,表面処理,立体造形
従業員数45人
設立1954年

事業の背景

約40年前に創業時の手袋製造からハンドバッグ製造へ軸足を移し、約10年前に販売会社を設立して自社ブランド「LIME」を立ち上げた。小ロット多品種に対応できる純国産の生産にこだわり、国内産でリーズナブルなブランドとして営業利益は安定してきた。一方、ここ数年は販売促進に重点を置いたため製造工程の改革が進まず、人材や機械類が老朽化して生産数量が上がらず機会ロスが生じていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生産設備が老朽化して故障が多く、復旧に数時間から1日かかるため納期遅れが生じている。従来のミシンでは厚さ1.5mm以上の革を縫うのが困難である。
  • 品質・精度ポストの低い従来のポストミシンでは大きなカバンが縫いづらく、新型ミシンより10%以上時間がかかる。無理に縫うため不良品が出やすく(約19%)、社員の手の疲労も大きい。
  • 品質・精度将来の販売戦略の柱となるオリーブレザーは粘りがあるため、従来の平ミシンでは高品質な製品の生産や効率向上が期待できない。
  • コスト・採算当社所有のミシンは省エネ化されておらず、最新式の従来機と比べて約25%の省エネ性能の差がある。

やったこと

ハイポストミシン、コンピューターミシン、新型平ミシン自動糸きりを導入した。ハイポストミシンはハイポストヘッドにより、従来のミシンでは縫えなかった底縫いやマチ縫いの工程に対応できるようにした。コンピューターミシンは縫製仕様をパソコンで入力する方式で、未経験者でも扱え、少々の段差でも縫い目をきれいに縫えるようにした。新型平ミシンは従来機より動力性が高く、粘りのあるオリーブレザーでも針目をきれいに縫えるようにした。

  • 加工機ハイポストミシンコンピューターミシン新型平ミシン自動糸きり付き

新しい製品・サービス:新ブランド「WOGNA」と、兵庫県の皮革メーカーと共同開発した皮革素材「オリーブレザー」

事業の効果

  • 消費電力(ハイポストミシン) 100%→90%
  • 消費電力(コンピューターミシン) 100%→90%

ハイポストミシンにより底縫いやマチ縫いが可能になり、作業効率が上がった。コンピューターミシンは未経験者でも使え、生産性が向上するとともに縫い目の仕上がりも良くなった。新型平ミシンは粘りのあるオリーブレザーでもミシン目などの細部にこだわった縫製を実現できるようになった。機械の更新により生産数量の制約が和らぎ、全国小売店やネット販売からの受注に対応できる見込みとなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    約40年前の手袋製造からハンドバッグへのシフト、10年前の自社ブランド立ち上げと一貫した流れが具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    純国産・小ロット多品種にこだわり、東かがわ市の手袋加工技術や「LIME」の国内産リーズナブル性など強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    ミシン老朽化による故障、不良品19%、新型ミシンより10%以上の作業時間増など課題が数字で示され、新型ミシン導入で解決を図る構成。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業効率向上や消費電力削減は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の数値根拠が薄い。

  • 事業を進める体制2

    社員が力を入れて縫製している点や未経験者でも使える設備という記述はあるが、補助事業を遂行する体制・人材の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    WOGNAのターゲット(アッパーミドル層)や素材・機能性の特徴は具体的だが、需要の裏付けや選ばれる理由の数値は示されていない。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として売上向上やブランディング戦略は示されるが、遂行スケジュールや中長期の検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    オリーブレザーはオリーブオイルを使った共同開発の独自素材で、小豆島の素材と環境配慮の点も含め、一般的でない高付加価値の製品として示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    東かがわ市の手袋産業の集積や地域名産品の活用がうかがえるが、経済波及や雇用創出の具体的な効果は示されていない。

  • 費用対効果3

    消費電力を約10%・約10%削減、作業効率向上と定性的な効果はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    コンピューターミシンの導入で未経験者も使えるようになった点はうかがえるが、デジタル技術によるサプライチェーン貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    東かがわ市の手袋産業集積を背景に純国産で事業を続けている点は読み取れるが、地域雇用や成長への効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

生産効率を上げることで機会ロスを解消し、売上に反映させることを期待している。新ブランド「WOGNA」によるブランディング戦略を進め、素材や機能性にこだわるアッパーミドル層を対象に売上向上を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。