ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

果汁のパルプ量の均一化、濾過コスト削減、及び搾汁残渣(果皮)の再利用計画

株式会社オレンジフーズ

成果果汁ロス率 3.4%→1%

この事例のポイント

  • 主力商品「ちゅうちゅうゼリー」は手作業の果汁濾過がネックとなり生産数に限りがあり、需要のピーク時に品切れや受注に生産が追いつかない状況が続いていた。
  • 果汁濾過の手作業を振動濾過機械に置き換え、濾過作業の効率化と濾過後のパルプ量の均一化を図った。
  • 果汁ロス率 3.4%→1%。振動濾過機械の導入により濾過作業が効率化し、濾過後のパルプ量が均一になって製造工程が大きく改善された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オレンジフーズ
所在地愛媛県 松山市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数20人
資本金400万円
設立2010年

事業の背景

愛媛県の柑橘生産農家は販売価格の下落、後継者不足、生産意欲の減退により厳しい状況にある。当社は県産柑橘の味をそのまま活かしたジュースやシャーベットを製造し、主力の「極々果実ジュース」と「ちゅうちゅうゼリー」は本物を求める消費者から高い評価を受けている。販売は品質を理解する国内主要百貨店や県内の土産店などに限定している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力主力商品「ちゅうちゅうゼリー」は手作業の果汁濾過がネックとなり生産数に限りがあり、需要のピーク時に品切れや受注に生産が追いつかない状況が続いていた。
  • 品質・精度手作業の濾過では果汁のパルプ量が一定せず、製品の品質や作業効率の向上を妨げていた。
  • コスト・採算果汁濾過で生じる果汁ロス率が約3.4%あり、濾過作業の人件費も負担となっていた。
  • 人手・技能搾汁後の果皮から内皮を取り除く作業は人件費がかさみ、搾汁期間が限られるため年間雇用も難しく、果皮の再利用を断念していた。

やったこと

果汁濾過の手作業を振動濾過機械に置き換え、濾過作業の効率化と濾過後のパルプ量の均一化を図った。果皮分別機械を導入し、搾汁後の果皮から外皮と内皮を分ける作業を機械化して果皮の再利用を可能にした。これにより、以前は廃棄していた柑橘果皮を新商品の原料や菓子メーカー向けの業務用果皮原料として活用できるようになった。

加工機振動濾過機械
加工機果皮分別機械

新しい製品・サービス:廃棄していた搾汁後果皮を活用した、柑橘果皮を使う末端消費者向け商品(ピール)。

事業の効果

  • 果汁ロス率 3.4%→1%

振動濾過機械の導入により濾過作業が効率化し、濾過後のパルプ量が均一になって製造工程が大きく改善された。これによりゼリーの増産体制が整い、バックオーダーを抱えていた主力商品の生産数を大幅に増やせるようになった。果汁ロス率も約3.4%から約1.0%に下がり、濾過作業の人件費負担も軽減された。果皮分別機械で廃棄していた果皮を再利用できるようになり、新たな取引先への販売も始まり、環境面でも貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    親会社の柑橘加工の取組を引き継ぎ、こだわり柑橘を使う加工品事業を継続している点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県産柑橘の味を活かす方針と、需要ピーク時に品切れが起きる状況が書かれ、強みを生かした競争優位が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    果汁ロス率3.4%を約1.0%に低減し、果皮再利用を開始したと具体的に課題と解決策が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    ロス率低減の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、目標の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数20名と設備導入は書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    本当に美味しい柑橘を活かす加工品と、取引先を限定した販売で高価格でも選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    充填機増設や納入先の限定など今後の方針はあるが、スケジュールや課題解決の具体的な手順は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の類似品より高価格で、柑橘本来の味を訴求する高付加価値化の取組が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    生産農家の収入安定や廃棄削減による環境貢献が書かれるが、波及効果の数量的な説明は少ない。

  • 費用対効果3

    ロス率3.4%から1.0%への低減や人件費削減の方向性はあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    果皮分別機械による果皮再利用で業務用原料販売を始めたとあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの革新性は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    県産柑橘を原料とし、生産農家の収入安定に貢献する地域の特性を活かした事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高価格でも本物を求める顧客に応え、高付加価値商品の開発を進める。将来的には「みかん」と「伊予柑」に特化し、「愛媛みかん」を全国に広めていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。