ものづくり補助金平成25年度製造業三重県

天然醸造製法で製造された醤油等の高レベルの充填を可能にする設備投資

伊賀越株式会社

成果充填本数(450ml PET小型容器) 30本/分→126本/分

この事例のポイント

  • 醤油の国内消費量は減少傾向にある中、消費者ニーズは品質や価格、容量の多様化が進んでおり、生産能力を向上させてコストダウンを図る必要があった。
  • 既存の充填ラインを一新し、自動洗浄(CIP)等に対応した高レベル充填ラインを導入した。
  • 充填本数(450ml PET小型容器) 30本/分→126本/分。小型容器の充填本数が4.23倍に向上し、生産能力が大幅に高まった。

事業者のプロフィール

事業者名伊賀越株式会社
所在地三重県 伊賀市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,測定計測
従業員数103人
資本金6,900万円
設立1871年

事業の背景

同社は明治6年創業の醤油・味噌メーカーで、天然醸造製法にこだわって製造を続けている。天然醸造醤油は300日以上の熟成期間を要し、高価格帯のこだわり商品として百貨店や生協で販売されることが多い。一方、他社は加温速醸製法でコストを抑えた商品を販売しており、競争環境は厳しい。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力醤油の国内消費量は減少傾向にある中、消費者ニーズは品質や価格、容量の多様化が進んでおり、生産能力を向上させてコストダウンを図る必要があった。
  • 品質・精度食品の安全安心な提供は企業の社会的責務となっており、高レベルな衛生管理や品質管理が求められていた。
  • 人手・技能充填機の洗浄を手作業で行っており、洗浄に2〜3時間を要していた。
  • 品質・精度既存の充填機では小型容器の充填重量にばらつきがあり、充填時の計測精度の向上が課題だった。

やったこと

既存の充填ラインを一新し、自動洗浄(CIP)等に対応した高レベル充填ラインを導入した。新たな充填機は重量式充填で、自動補正機能付きシステムにより3σで±1.0g以内の高精度充填を実現する。ボトル口上充填方式を採用し、充填設備周辺をクリーンルーム化した。醤油充填方式はグラビティ式からウェイト式へ変更した。

加工機高レベル充填ライン(充填機)
その他クリーンルーム設備

事業の効果

  • 充填本数(450ml PET小型容器) 30本/分→126本/分
  • 充填機の洗浄時間 110分→52分
  • 充填機周辺の微粒子数はクラス10000の目標に対し、クラス476を達成した

小型容器の充填本数が4.23倍に向上し、生産能力が大幅に高まった。充填機の洗浄時間は52.7%短縮され、自動洗浄にも対応できるようになった。充填機周辺をクリーンルーム化し、異物混入防止と衛生・安全レベルの向上を実現した。充填重量の均一化により、天然醸造醤油の品質を安定して保てるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治6年創業以来の天然醸造製法を継承し、その生産性と品質向上のために充填ラインを一新する計画で、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    消費者ニーズの多様化や大手メーカーとの価格競争に触れ、加温速醸製法商品に対する競争力強化を狙うと書かれているが、市場データは具体的でない。

  • 課題の認識と解決5

    充填本数30本/分から126本/分(4.23倍)、洗浄時間110分から52分(52.7%短縮)など、課題と数値目標・実績が具体的に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産能力の目標値120本/分に対し実績126本/分、洗浄時間の目標90分以内に対し実績52分と、目標と成果が数値で示されている。付加価値の目標額は読み取れない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    天然醸造醤油の添加物不使用ニーズや、大手と同等価格で販売できる点、販路開拓に触れているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    据付後3日間の検証や洗浄時間の計測手順は記載があるが、中長期のスケジュールや課題解決の段取りは具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大手メーカーの多くが速醸製法を採る中、天然醸造醤油の高付加価値化・高価格帯販売を図る点が書かれているが、市場の普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    天然醸造製法の伝承や食品の安全安心の提供に触れているが、国が補助する波及効果や雇用創出の具体的記述はほぼない。

  • 費用対効果4

    生産性向上(4.23倍)や洗浄時間短縮(52.7%)、歩留り約2%向上など、効果が数値で示されているが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動CIPや充填機周辺のクリーンルーム化、HACCP対応などの取組はあるが、デジタル技術や業界全体のイノベーションへの貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    伊賀市の老舗醤油・味噌メーカーとして地域の伝統的製法を守る点は読み取れるが、地域の雇用や経済成長への波及は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新たな充填ラインの導入により、商品のさらなる大量生産と、天然醸造醤油の裾野拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。