ものづくり補助金平成25年度運輸業、郵便業愛媛県

木工加工品の生産能力の向上・安定

株式会社総合ピアノサービス

成果これまで1ロットにつき約9時間を要していたが、習熟により作業時間は少しずつ短くなっている。

この事例のポイント

  • アシスト・スツールの受注分の約7割しか生産できず、得意先から生産量の強化を求められていた。
  • 塗装作業の強化のため、塗装ロボットと水洗式排気装置を導入した。
  • これまで1ロットにつき約9時間を要していたが、習熟により作業時間は少しずつ短くなっている。塗装ロボットの導入で塗装作業が1名で可能となり、熟練者の配置が不要になって余剰人員を他部署に回せるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社総合ピアノサービス
所在地愛媛県 松山市
業種運輸に附帯するサービス業
技術分野立体造形
従業員数15人
資本金1,000万円
設立1975年

事業の背景

創業以来ピアノ修理・運送を主力としてきたが、電子ピアノの普及や少子化により愛好者が減り、運送・修理の売上は減少傾向にあった。約10年前からピアノ補助台などの自社製品の製造を始め、「アシスト・スツール」は全体売上の約3割を占めるヒット商品に成長した。各楽器メーカーや楽器店からの問い合わせが増加していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力アシスト・スツールの受注分の約7割しか生産できず、得意先から生産量の強化を求められていた。
  • 人手・技能塗装(吹付)作業は熟練作業員に依存し、常時2名が必要で、従業員の配置転換が困難だった。
  • 品質・精度塗装ムラが生じるケースが多発し、商品ロスが発生していた。
  • その他塗装作業で発生するガスや粉塵の排気・除去に時間を要し、作業効率が鈍化していた。

やったこと

塗装作業の強化のため、塗装ロボットと水洗式排気装置を導入した。塗装ロボットは3軸アームをモータ2台で駆動する省エネ仕様で、テーブル2個が交互に回転することで商品セットの時間ロスが軽減された。水洗式排気装置は大風量リミットロードファンの吸引力を利用した渦巻室で高い捕集効率を実現し、オーバーフローがないため自然蒸発分の水を補給するだけで水位管理が容易である。導入後は誰でも簡単に操作でき、広範囲の塗装と安定した噴射圧により塗装ムラが無くなった。

ロボット塗装ロボット
その他水洗式排気装置
加工機NCルーター 2基
その他フォークリフト 1基

事業の効果

  • これまで1ロットにつき約9時間を要していたが、習熟により作業時間は少しずつ短くなっている。
  • 塗装作業の必要人数 2名→1名
  • 生産量の限界から納入先は1社に限定していたが、数社との取引が可能となった。

塗装ロボットの導入で塗装作業が1名で可能となり、熟練者の配置が不要になって余剰人員を他部署に回せるようになった。専門知識の少ない従業員でも塗装でき、手直しやミスによる商品ロスが減り、安定した生産が実現した。水洗式排気装置によりガス排気や粉塵除去、清掃が簡素化され、作業効率も向上した。生産量の安定と効率化により納入先が複数社に広がり、売上アップにつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    ピアノ修理・運送の本業から、約10年前にピアノ補助台などの製造を併業した経緯はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    電子ピアノ普及や少子化で運送・修理の売上が減少と書かれ、アシスト・スツールが全体売上の約3割を占めると読み取れるが、競争優位の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    受注の約7割しか生産できず、既存設備老朽化で商品ロスが発生していたという課題が数字つきで示され、塗装強化で対応している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    1ロット約9時間の塗装時間やミス減少は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員15名、熟練作業員を1名で可能にし余剰人員を他部署へ配置したと書かれ、体制はうかがえるが事務処理能力は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽量・コンパクトで持ち運び容易な製品が受注増加し、楽器メーカーや楽器店から問い合わせが増えた点が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    塗装ロボット・排気装置の導入、習熟による作業時間短縮と今後の耐震商品開発が書かれ、スケジュールは詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ピアノ補助台は約2kgの軽量・木目と黒の高品位仕上げと書かれるが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ピアノ業界の活性化や運送ネットワークの活用に触れるが、雇用創出や波及効果の数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産量が受注の約7割から納入先が1社から数社へ広がり売上アップしたと書かれるが、投入額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    塗装ロボットと水洗式排気装置の導入は書かれるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    松山市の企業として、耐震商品の開発と全国ピアノ運送ネットワークの活用による業界活性化が書かれ、地域性は一部うかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

耐震商品の開発に注力し、フィット・インシュ(グランドピアノ用)とフィット・ボード(アップライトピアノ用)の普及を進める方針である。また全国のピアノ運送会社のネットワークを活かし、耐震商品の設置に伴う移動作業での協力・業務提携を推進して、ピアノ業界の活性化に一石を投じたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。