ものづくり補助金平成25年度運輸業、郵便業長崎県

フルーティ・トマトの栽培施設と選果場システムの効率化

崎永海運株式会社

成果ファンクラブ会員数 50名→200名

この事例のポイント

  • 輸送コストや重油費の負担が年間500万円相当に及び、トマト事業の経営を圧迫していた。
  • ハウスには自動灌水システムを導入し、灌水チューブにより灌水時間と灌水量を自動設定できるようにして、きめ細かな少量多灌水を可能にした。
  • ファンクラブ会員数 50名→200名。作業の効率化により農地が拡大し、「たかしまフルーティトマト」の生産を増やすことができた。

事業者のプロフィール

事業者名崎永海運株式会社
所在地長崎県 長崎市
業種水運業
技術分野製造環境
従業員数88人
資本金2,000万円
設立1961年

事業の背景

崎永海運株式会社は、海上輸送のほか、長崎港から船で約30分の離島・高島で「たかしま農園」を運営している。ここで栽培される「たかしまフルーティトマト」は高糖度ブランドトマトとして多くのファンを得ていた。炭鉱閉山後の高島では新たな産業としてトマト栽培が期待されていた。一方で、輸送コストやハウスの老朽化により事業の収益性と収量性を少なくとも維持する必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算輸送コストや重油費の負担が年間500万円相当に及び、トマト事業の経営を圧迫していた。
  • 生産能力築100年以上の選果場が老朽化し、利便性が悪かった。
  • 人手・技能選果や箱詰めなどを人力で行っており、作業員に膨大な負担がかかっていた。
  • 生産能力需要に応じて生産を拡大するには、作業の効率化と経費の削減が必要だった。

やったこと

ハウスには自動灌水システムを導入し、灌水チューブにより灌水時間と灌水量を自動設定できるようにして、きめ細かな少量多灌水を可能にした。温度管理では、ハウス加温機とヒートポンプを併用し、ハウス内をトマトの育成に最適な適温条件に近づけるとともに、燃料費の軽減を目指した。選果場では選果場の作業効率化を目的として簡易リフトとローラーコンベアを導入し、選果、選別、箱詰等の作業システムのコンパクト化を図った。ローラーコンベアにより重コンテナの移動と搬出が容易になった。

その他自動灌水システム(灌水チューブ)
その他ハウス加温機
その他ヒートポンプ
その他簡易リフト
その他ローラーコンベア

事業の効果

  • ファンクラブ会員数 50名→200名

作業の効率化により農地が拡大し、「たかしまフルーティトマト」の生産を増やすことができた。旧ハウスと新ハウスを同面積で比較すると燃料費が3割程度削減された。ファンクラブ会員が増え、収穫体験には神戸や横浜からも参加者が来島するようになった。売り先も長崎県内のスーパーに加え、函館のスーパーからも引き合いが来るなど広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    海運会社が高島でトマト農園を運営し、農業事業の拡大を図る流れは読めるが、経営戦略上の位置付けは文章から明確でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ファンクラブ会員が50名規模から200名以上になったことや、函館のスーパーからも引き合いがあるとの記述から、顧客の広がりは読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    年間500万円の重油費負担や築100年以上の選果場の老朽化を課題として挙げ、灌水・温度管理・選果作業の効率化で対応している。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    需要に応じた生産拡大を掲げるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員88名の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については触れられていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高糖度ブランドトマトとして多くのファンを獲得し、ファンクラブや収穫体験、県外からの引き合いがあることが書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    灌水や温度管理の導入内容は書かれているが、中長期の検証やスケジュールは記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高糖度トマトのブランド化で同分野の高付加価値化を図っている点はうかがえるが、水準や価格の数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    離島での農業振興や島の新たな産業としてのトマト栽培の期待にわずかに触れるが、波及効果の定量的記述はない。

  • 費用対効果3

    燃料費を旧ハウス比で3割程度削減したとの数字はあるが、補助金額に対する付加価値増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動灌水や加温機・ヒートポンプの導入は読めるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    炭鉱閉山後の島の新たな産業としてトマト栽培を進め、神戸や横浜からの来島者や函館への販路拡大が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は「たかしまフルーティトマト」のブランドを高めるため、トマト作りはもちろん営業面でも探求し邁進していきたい。

事業者の声

高島が大好きだから、高島産の農作物をもっともっと届けていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。