ものづくり補助金平成25年度製造業高知県

県内初の、県産小型魚の一次加工品・二次加工品を安定的に定量製造する体制を整備・構築する。   ※本事業でいう小型魚とは,5cm~20cmをいいます。

興洋フリーズ株式会社

成果うろこ取りの処理能力(1日あたり匹数) 50匹→300匹

この事例のポイント

  • 小型魚は傷みやすく状態の保持が難しく、鮮度を保つことに課題があった。
  • 水圧式のエフビックうろこ取り機(UP-12K)を1台導入し、魚のうろこを水圧で飛ばす方式で処理するようにした。
  • うろこ取りの処理能力(1日あたり匹数) 50匹→300匹。うろこ取り機とスライサーの導入により、小型魚の処理能力が大幅に向上し、魚開きまでの作業可能量は1日あたり10~20倍と…

事業者のプロフィール

事業者名興洋フリーズ株式会社
所在地高知県 高知市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数12人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

当社は高知県産の魚介類を一次加工して販売するほか、調理の手間を省く二次加工品の製造も手がけている。県沖合には約1,500種の魚がおり、メヒカリやヒメイチ、ユネアジなどの小型魚は味がよく資源も豊富である。小型魚の加工品は量販店や飲食店、一般消費者から一定のニーズがあるが、加工の手間が大きく量産に至っていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度小型魚は傷みやすく状態の保持が難しく、鮮度を保つことに課題があった。
  • コスト・採算小型魚の加工はすべて手作業で手間と時間がかかり、コストに見合う収入が得られず量産に至っていなかった。
  • 販路・情報発信県内の卸売市場では小型魚の取引がほとんど行われず、魚価が低く利益にならないため漁業者は廃棄していた。
  • 品質・精度うろこ取りを手作業で行うと、うろこの取れた部分に大腸菌が入り込むリスクがあった。
  • 人手・技能うろこ取りの手作業は手首の負担が大きく、作業員が腱鞘炎を発症して従事できなくなることがあった。

やったこと

水圧式のエフビックうろこ取り機(UP-12K)を1台導入し、魚のうろこを水圧で飛ばす方式で処理するようにした。スライサーを1台リース契約で導入し、小型魚(5cm~20cm)に適したサイズで三枚おろしができるようにした。手作業で行っていたうろこ取りと三枚おろしを機械化し、定量的かつ安定的に製造できる環境を整えた。

加工機エフビックうろこ取り機(UP-12K)
加工機スライサー(リース契約)

新しい製品・サービス:県内初の県産小型魚の一次加工品・二次加工品(魚のフィレ、天ぷら・フライ用、酢じめ用、寿司ネタ、魚のフィレを使った惣菜)

事業の効果

  • うろこ取りの処理能力(1日あたり匹数) 50匹→300匹
  • 三枚おろしの処理能力(1日あたり匹数) 50匹→1,000匹
  • 作業人数 7名→4名
  • 作業時間 8時間→5時間

うろこ取り機とスライサーの導入により、小型魚の処理能力が大幅に向上し、魚開きまでの作業可能量は1日あたり10~20倍となった。作業人数は7名から4名になり、作業時間も8時間から5時間に短縮された。うろこ取りが水圧式になったことで大腸菌による汚染のリスクがなくなり、衛生面の信頼も確保できるようになった。手首の負担が減り、従業員の健康と労災の回避にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組として県内初の小型魚の機械化量産を掲げ、既存商品の量産化に結びつけている。ただし経営戦略上の位置付けは明記が少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県外飲食店チェーンや食材卸からの原魚支給加工の注文増、「よそでは取れない」魚種の強みに言及し、競争優位性を具体的に示している。

  • 課題の認識と解決5

    課題として小型魚の不均一さや手作業による工程負担を挙げ、うろこ取り機で300匹/日、スライサーで1,000匹以上/日の処理能力向上を数値で示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    工程人員を7名から4名、作業時間を8時間から5時間に短縮し、作業可能量が10~20倍になるなど具体的な目標と効果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員12名の規模と工程ごとの人員配置はうかがえるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力への言及は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    量販店・飲食店からの一定のニーズ、ファストフィッシュ認定商品、個食・病院・施設・宅配食の利用見込みなど顧客ターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    県外への販路拡大やOEM受注増、新商品開発の方向性は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の段取りの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    県内初の小型魚(5~20cm)の一次・二次加工の機械化量産で、他社にはない高知産養殖チョウザメ等の差別化にも言及している。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    高齢化対応の個食需要や県内の廃棄されていた小型魚の活用にわずかに触れるが、波及効果や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果4

    処理能力や作業時間、人員削減の数値は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による衛生度向上や腱鞘炎・労災防止は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの言及は少ない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    県内の小型魚を活用し高知県初の流通体制を整えるなど地域資源の活用は読み取れるが、雇用創出や地域成長への効果は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高齢者の個食需要に応えるため、電子レンジで温めるだけで食べられるファストフィッシュ認定商品の開発と製造に注力する。使いやすい加工と容量で県外の店舗の需要を掘り起こし、県外への販路拡大と受注増につなげる。高知産養殖チョウザメのキャビアやムニエル、寿司ネタの販売も拡大する方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。