ものづくり補助金平成25年度製造業福岡県

高精度フライス加工機導入によるロータリー研磨工程の削減

吉永ハイメタル株式会社

成果加工時間を15分短縮した。

この事例のポイント

  • フライス加工の前工程で黒皮を取り除き、後工程のロータリー研磨工程を省いてコストと納期を改善する必要があった。
  • 今回の設備投資で、高剛性の精密立体型フライス機を購入し、フライス加工の精度を高めた。
  • 加工時間を15分短縮した。フライス加工のみで顧客の目標数値をクリアでき、ロータリー研磨工程を省略してコストを下げ、短納期化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名吉永ハイメタル株式会社
所在地福岡県 北九州市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数10人
資本金3,000万円
設立1991年

事業の背景

同社は鋼材卸売問屋や大同特殊鋼グループの子会社と出資して1991年に設立され、設立当初から大同DMソリューションの九州地区下請工場として鋼材6面フライスプレートの製造を請け負ってきた。6面フライスプレートは自動車や電気などの金型の材料となるもので、フライスプレート加工会社の参入により同業者が増え、競争が激しくなっている。金属部品加工業界は2008年秋のリーマンショックで大幅に落ち込んだが、2011年頃から売上は徐々に増加に転じ、自動車やIT関連の電気業界の環境も好転している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算フライス加工の前工程で黒皮を取り除き、後工程のロータリー研磨工程を省いてコストと納期を改善する必要があった。
  • 生産能力従来の機械では、平面スライス加工で期待される精度を出すことが難しかった。
  • 品質・精度両面フライス加工で高品質・高精度な6面フライスプレートを作る体制を構築するため、フライス機の剛性、適切なクランプ、適切な切削工具の3課題をクリアする必要があった。
  • 人手・技能競合の増加により、コストダウンだけでなく短納期化への顧客の要望に応える必要があった。

やったこと

今回の設備投資で、高剛性の精密立体型フライス機を購入し、フライス加工の精度を高めた。加工する材料や新規設備との相性を考慮し、磁石メーカーや切削工具メーカーから技術情報の提供を受けながら、最適なクランプ装置と切削工具(フライスチップ)の種類・切削条件などを様々にテストして選定した。これにより、研磨工程を省略できるフライス加工が可能となった。

加工機高剛性の精密立体型フライス機
その他クランプ(固定)装置
その他切削工具(フライスチップ)

事業の効果

  • 加工時間を15分短縮した。
  • 生産キャパシティーが約30%増加した。
  • 事業の効率化によって今年度15%、来年度以降は年率3%の受注増加を見込んでいる。

フライス加工のみで顧客の目標数値をクリアでき、ロータリー研磨工程を省略してコストを下げ、短納期化を実現した。今日の注文を翌日に納品できる体制が整い、これまで受けられなかった分野の仕事も受注できるようになり、売上に貢献している。人員を1人増やして生産キャパシティーは約30%増加し、業界の中で競争力が高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    1991年設立の鋼材6面フライスプレート加工を主業とし、従来の事業の延長で高精度フライス導入を位置付けている。経営戦略上の明確な記載は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    納品先の声からコストダウンと短納期の要望を把握し、ロータリー研磨省略で加工時間を15分短縮したと具体的に述べている。

  • 課題の認識と解決5

    ロータリー研磨工程の省略で加工時間15分短縮、今日注文を明日納品できる体制と、数値を伴う課題解決が明確に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    今年度15%、来年度以降年率3%の受注増加見込みと生産キャパシティー約30%増が示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    設備導入に伴い人員を1人増加したと記載があるが、補助事業を遂行する体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車や電気業界向けに精度と短納期を求める顧客ニーズを挙げ、高い平面度保証が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    両面フライス、クランプ、切削工具の3課題を挙げ、磁石・工具メーカーの支援で選定したと遂行方法が示されている。スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    フライスプレート加工は需要増で同業者が増えたと記され、競争が激しい分野である。高付加価値化の記載は乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車や電気業界を支える重要性が述べられるが、雇用創出や波及効果の数値的な裏付けは書かれていない。

  • 費用対効果4

    約30%の生産キャパシティー増、人員1人増、15分の工程短縮と、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    北九州市を拠点とする地域企業であることは示されるが、地域の特性を活かした付加価値創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動車や電気業界の環境が好転しており、納入先の状況にもよるが堅調な伸びが期待できる。今年度は受注が15%増、来年度以降は年率3%の増加を見込んでいる。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。