ものづくり補助金平成25年度製造業佐賀県

生産性と付加価値の高い高品質日本酒を通年で効率的に製造できる環境の整備

窓乃梅酒造株式会社

この事例のポイント

  • 純米酒や純米吟醸酒の生産比重を高めて生産性を向上させ、高付加価値化により収益を確保して経営を安定させる必要があった。
  • 酒蔵にエアコン設備を備え付け、3月から4月に生産された新しい特定名称酒を、6月から9月の夏場に15℃から20℃の範囲で恒温保蔵できるようにした。
  • 酒蔵エアコン設備の導入により、夏場でも特定名称酒を最適温度かつ恒温で保蔵でき、特定名称酒の適切な品質管理が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名窓乃梅酒造株式会社
所在地佐賀県 佐賀市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ
従業員数18人
資本金3,500万円
設立1917年

事業の背景

日本酒の需要は伸び悩んでいる。佐賀県内では特定名称酒(吟醸、純米吟醸、純米酒)の比率が現在41%程度で、近い将来60%になると予測され、普通酒が減って特定名称酒が増える市場に変わるとみられている。当社の特定名称酒は2014年には売上の22%だったが、現在は製造の約半分、売上の約35%を占めるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力純米酒や純米吟醸酒の生産比重を高めて生産性を向上させ、高付加価値化により収益を確保して経営を安定させる必要があった。
  • 品質・精度効率的な品質管理と伝統工法の良さを組み合わせ、味と香りの豊かな高品質日本酒の開発力を高める必要があった。
  • 新製品・新技術他の同業者と差別化して競争力を確保するため、高品質日本酒の開発力を向上させる必要があった。

やったこと

酒蔵にエアコン設備を備え付け、3月から4月に生産された新しい特定名称酒を、6月から9月の夏場に15℃から20℃の範囲で恒温保蔵できるようにした。総酸・アミノ酸計パックを導入し、目視など熟練を要していた総酸・アミノ酸の滴定作業を自動化した。これにより日本酒の味を左右する総酸とアミノ酸を高精度に測定し、メイラード反応の状態を逐次把握できるようになった。測定は短時間で行え、効率的な品質管理が可能になった。

その他酒蔵エアコン設備
検査測定総酸・アミノ酸計パック

新しい製品・サービス:味と香り豊かな新たな高品質日本酒の商品づくり

事業の効果

酒蔵エアコン設備の導入により、夏場でも特定名称酒を最適温度かつ恒温で保蔵でき、特定名称酒の適切な品質管理が可能になった。測定精度が高く短時間で測定できるため、効率的な品質管理が実現した。測定データの蓄積と伝統工法の品質把握により、新たな高品質日本酒の商品づくりにも活用できるようになった。熟成しすぎないため品質が良くなったとの声が増え、販売量の増加も見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    課題として特定名称酒の生産比重を高め、生産性向上と高付加価値化を図る方針が示されている。過去の取組との一貫性は記載が少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内の特定名称酒比率41%・将来60%予測や、若年層が特定名称酒を好むという市場動向が書かれている。強みの具体的裏付けはやや薄い。

  • 課題の認識と解決4

    特定名称酒の比率が2014年の22%から製造の約半分・売上の約35%へ伸びたと数字で課題認識と成果が示され、高付加価値化につなげる内容。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売量増加の見込みや若年層評価向上への期待は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員18人の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    特定名称酒の恒温保蔵による品質管理、若年層が好むフルーティな味わいなど、顧客ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    測定データの蓄積や伝統工法の品質把握への取組が述べられているが、スケジュールや遂行方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    県内の普通酒が減少し特定名称酒が増える動向と、酒鑑評会で純米の部2年連続金賞を受賞した高品質化が述べられている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の伝統産業である酒蔵の維持や県内の特定名称酒市場への言及はあるが、波及効果や雇用創出の記述は少ない。

  • 費用対効果3

    測定時間の短縮や熟練作業の自動化、販売量増加の見込みが書かれているが、投資額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    総酸・アミノ酸計による高精度な測定はあるが、先端デジタル技術の活用や業界全体のイノベーションへの貢献は限定的にしか書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県内最古の酒蔵で県内の特定名称酒市場に関わる点は読み取れるが、地域の雇用や経済成長への牽引は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

福岡国税局酒類鑑評会の純米の部で2年連続金賞を受賞しており、品質に自信を持っている。今後は消費者にさらにPRするため、コンテストなどにも積極的に参加する予定である。

  • 目標:特定名称酒の売上比率 22%→35%

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。