ものづくり補助金平成25年度製造業大分県

最新瞬間冷凍機導入と山根一次加工専用機械開発による品質向上と作業の効率化

株式会社カスガ水産

成果氷結形成温度帯の通過時間 30分→10分

この事例のポイント

  • 生マグロの鮮度を保ったまま冷凍保存できる設備が不足していた。
  • 瞬間冷凍機と大型真空包装機を現場に導入した。
  • 氷結形成温度帯の通過時間 30分→10分。瞬間冷凍機の導入により、マグロの氷結形成温度帯の通過時間が大幅に短縮され、鮮度を保ったままマイナス50度の倉庫で保存で…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社カスガ水産
所在地大分県 津久見市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数23人
資本金2,000万円
設立1992年

事業の背景

株式会社カスガ水産は冷凍マグロの加工・販売を行う。津久見市ではおよそ5年前から大手企業によるマグロ養殖が始まり、同社が仕入れて加工するようになった。以前は保戸島で水揚げされたマグロが津久見の港に上がることはなく、県内流通はまれだった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術生マグロの鮮度を保ったまま冷凍保存できる設備が不足していた。
  • 生産能力山椒の実と房の分離に最も時間とコストがかかり、作業効率が低かった。
  • 新製品・新技術マグロと地元食材を組み合わせたコラボ商品の開発が必要だった。

やったこと

瞬間冷凍機と大型真空包装機を現場に導入した。瞬間冷凍は、真空パック処理を施した上でアルコールのような液体に漬け、液を回流させて冷やしムラをなくす方式である。山椒の実と房を分離する一次加工専用装置を、メーカーと共同で開発して設置した。同市特産の山椒を使い、マグロとのコラボ商品を試作した。

  • 加工機瞬間冷凍機大型真空包装機山椒の一次加工専用装置

新しい製品・サービス:津久見産山椒醤油漬け本マグロや「津久見産本マグロの山椒塩ポン酢カルパッチョ」などのコラボ商品、および山椒単独のしょうゆやポン酢と混合した調味料。

事業の効果

  • 氷結形成温度帯の通過時間 30分→10分
  • 山椒の一次加工の作業効率 1倍→4.5倍
  • 導入前は類似機能の機械がなく取扱量が少なかったが、現在は年間6トン程まで増えている。

瞬間冷凍機の導入により、マグロの氷結形成温度帯の通過時間が大幅に短縮され、鮮度を保ったままマイナス50度の倉庫で保存できるようになった。山椒の一次加工専用機の導入で手作業に比べ4〜5倍の作業効率を実現した。マグロの取扱量も年間6トン程度まで増加した。新商品のコラボ商品も開発され、地元食材の普及と津久見産マグロブランドの形成が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業者が地元津久見と共に発展したい信念を持つこと、マグロ加工・販売が事業の柱であることが書かれ、過去からの一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    津久見産マグロの県内流通が増えたことや、山椒の特産性に触れるが、競争優位の定量的な根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    瞬間冷凍機の導入で取扱量が年間6トン程度まで増えたこと、分離作業に2-3時間かかる課題を専用機で4-5倍効率化したことが読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    分離作業の効率が手作業の4-5倍、冷凍時間が30分から1時間から10分程度と数字で示され、付加価値向上の見込みが読み取れる。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    津久見産マグロのブランド形成と県内流通強化、コラボ商品の試作販売が書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    コラボ商品の試作と販売、県内外への流通体制強化といった今後の方針は書かれているが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    マグロ養殖が始まって約5年で県内流通が増えたとあるが、高付加価値化の水準を示す記述は限定的である。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地元食材の普及と地元振興への貢献が掲げられ、地域経済への波及の意図は読み取れるが、雇用創出などの数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    年間取扱量が約6トンに増え、作業効率が4-5倍になったと数字で示され、投資効果の方向性が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    瞬間冷凍機と専用の一次加工機を導入したが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献はうかがえる程度である。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    津久見市の地元食材マグロと山椒を組み合わせた商品開発で、地域の特性を活かし地元振興に貢献する内容が具体的に書かれている。

今後の展望

津久見産マグロブランドの一層の形成を図り、県産本マグロの仕入れ、加工、販売まで県内外への流通体制を強固にしていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。