ものづくり補助金平成25年度製造業宮崎県

独自の和菓子製造技術を活用したキャラクター商品製造の販売実現事業

株式会社富士食品

この事例のポイント

  • 既存製品の製造と設備が競合し、キャラクター製品の製造量を思うように増やせなかった。
  • 既存の和菓子製造を株式会社富士製菓に集約して分社化し、既存設備を2工場に分けるため新たに必要な機器をリスト化した。
  • 新工場と合理化したラインの稼働により、従来の単一工場の受注限界から大きく製造能力が向上し、操業強化に至っている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社富士食品
所在地宮崎県 宮崎市
業種食料品製造業

事業の背景

当社は造形にこだわった伝統的な和菓子を、低コスト・短期間で生産ラインに乗せられる技術を用い、国内の業務用食品市場向けに長年販売してきた。主な納入先は仕出し・弁当ルートだった。ある地方の業者からご当地キャラクターの製品化依頼を受けて開発・販売したところ大きな反響があり、国内を代表する大手テーマパークからも受注することができた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存製品の製造と設備が競合し、キャラクター製品の製造量を思うように増やせなかった。
  • 生産能力主に不足していたのは和菓子を成形する前処理の機械で、従来の単一工場では受注の限界があった。

やったこと

既存の和菓子製造を株式会社富士製菓に集約して分社化し、既存設備を2工場に分けるため新たに必要な機器をリスト化した。最優先で成形の前処理機械(生地とあんこを計量し団子状にする機械)を複数台導入した。付随する設備は最小限の初期投資にとどめ、既存設備を最大限活用した。製品の急速冷凍と最終梱包までが他ラインと競合しないよう、製造時のシミュレーションを含めて吟味した。新工場を建設し、2015年秋にキャラクターのOEM専用工場をオープンした。

  • 加工機成形の前処理機械生地とあんこを計量し団子状にする機械スーパー包装機

新しい製品・サービス:キャラクター和菓子

事業の効果

新工場と合理化したラインの稼働により、従来の単一工場の受注限界から大きく製造能力が向上し、操業強化に至っている。新工場の竣工と包装機導入から約1年の間に、大型製品を5品発売し、大規模テーマパークから1品、大手スーパー・コンビニからキャンペーン品を含む4品を受注した。生産数量は100万個を超え、次の製品を開発中で年間の製造数量は300万個を超える見通しである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の業務用和菓子の成形技術を基に、キャラクター製品へ展開した経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手テーマパークから受注し、生産数量100万個超、年間300万個超の見通しと、外部市場と自社技術の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    設備のバッティングで増産できない課題を認識し、ライン2本化で能力を約5億相当に拡大するなど、課題解決の方向が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間製造数量300万個超の見通しは示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、目標値の設定は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    2工場への分社化や開発体制の強化・増員に触れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ご当地キャラの製品化依頼や大手テーマパークからの受注など、顧客ニーズの裏付けと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新工場竣工から約1年の実績と今後の開発計画は示されるが、中長期の検証やスケジュールの詳細は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    キャラクター和菓子の市場で大型製品5品発売、大規模テーマパーク受注など、同分野で高付加価値化を図る取組が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元の食材活用や地域のご当地キャラ製品化にわずかに触れるが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    最少の初期投資で既存設備を最大限活用したとあるが、投資額に対する付加価値や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    製造ラインのシミュレーションや技術革新への対応に触れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    宮崎の地元食材を使った新機軸のアイテムに触れ、地域の特性を活かす方向性は読み取れるが、雇用や地域成長の数値は薄い。

今後の展望

2工場それぞれがターゲットとする市場を区分しつつ、開発は共同で進めてシナジー効果を高める。富士食品はキャラクター市場へ、富士製菓は伝統的な和菓子を国内外市場へ向かわせる予定である。開発体制の強化・増員とさらなる技術革新を目指し、新たな市場を開拓したいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。