ものづくり補助金平成26年度製造業岩手県

経営革新計画のケイタリング新事業計画達成のための新製造ラインの確立

有限会社 千葉恵製菓

成果冷凍時間 14時間→4時間

この事例のポイント

  • 冷凍処理に長い時間を要し、従来の冷凍庫では処理できない生まんじゅうや卸和菓子が発生し、外注していたものもあった。
  • 急速冷凍庫(ラック式ショックフリーザー)を導入し、従来の冷凍庫では14〜16時間程度を要していた生まんじゅうの冷凍を4時間で行えるようにした。
  • 冷凍時間 14時間→4時間。ブラシレス粉付け機により取り粉の使用量が約40%減り、大幅なコスト削減を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 千葉恵製菓
所在地岩手県 一関市
業種食料品製造業
従業員数103人
資本金1,000万円
設立1962年

事業の背景

当社は昭和37年に一関市で和菓子の製造卸売を始め、主力商品は大福餅、団子、饅頭、ドーナツ等の和菓子である。製造する商品は数百種類に達し、四季折々の行事と深く結びついているため受注の増減が激しく、売上額にも大きな変動があった。平成21年に開発した「かりんとうまんじゅう」が収益確保の中心となり、看板商品になったが、東日本大震災の復興特需の落ち込みや平泉の世界遺産登録後の観光客の沈静化、原材料費の高騰により利益の確保が困難になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力冷凍処理に長い時間を要し、従来の冷凍庫では処理できない生まんじゅうや卸和菓子が発生し、外注していたものもあった。
  • コスト・採算「かりんとうまんじゅう」の成型後、ベルトコンベアーに貼り付かないよう取り粉を付けるが、食味のため蒸す前に全て取り去っており、取り粉の使用量がコストを押し上げていた。
  • 人手・技能集塵しきれない取り粉を従業員の手で掃除しており、労力がかかり工場の製造環境も悪化していた。
  • 生産能力受注の増減が激しく売上額の変動が大きいため、計画的に生産できるお土産品への生産移行が必要だった。
  • コスト・採算東日本大震災の復興特需の落ち込みや観光客の減少に加え、原材料費が高騰し、売上と利益の確保が困難になっていた。

やったこと

急速冷凍庫(ラック式ショックフリーザー)を導入し、従来の冷凍庫では14〜16時間程度を要していた生まんじゅうの冷凍を4時間で行えるようにした。急速冷凍庫は既存の冷凍庫とほぼ同じ大きさ・容量であるが、冷凍能力は3倍以上となり、卸和菓子との同時使用も可能になった。ブラシレス粉付け機を導入し、取り粉を自動回収して再利用する構造とした。この機械により「かりんとうまんじゅう」の取り粉を約40%削減し、集塵しきれない取り粉の手作業による掃除もなくなった。両機械は製造ラインに組み込まれている。

加工機ブラシレス粉付け機
加工機急速冷凍庫(ラック式ショックフリーザー)

新しい製品・サービス:地元産のもち米と自然薯を使用した「かりんとうまんじゅう」のひとつとして「奥の平泉 藤原八百年」や、釜石市のお土産品としてラグビーボール型の「胡桃入りかりんとうまんじゅう」を開発した。

事業の効果

  • 冷凍時間 14時間→4時間
  • 冷凍能力 1倍→3倍
  • 「かりんとうまんじゅう」の製造で使用する取り粉を約40%減少させた。

ブラシレス粉付け機により取り粉の使用量が約40%減り、大幅なコスト削減を実現した。急速冷凍庫により冷凍能力が従来の3倍以上となり、外注していた冷凍処理を自社で行えるようになった。従業員の労力と取り粉の掃除作業が減り、工場の環境保全と外注業者へのメンテナンス料の削減にもつながった。削減された労力は商品開発や販促、ケイタリング事業などの新事業に充てられている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    「かりんとうまんじゅう」を平成21年に開発し看板商品とした経緯や、お土産品への生産移行を目指す方針が書かれ、一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    東日本大震災の復興特需の落ち込みや観光客減少に触れるが、競争優位性を示す強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    利益率の高い製品の製造経費削減を課題とし、取り粉を約40%削減、冷凍能力3倍と具体的な改善が示されている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。取り粉削減率や冷凍能力の数字はあるが目標値の記述ではない。

  • 事業を進める体制2

    従業員103名の規模は書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    平泉の文化を発信する理念や地元産のもち米・自然薯を使う新商品が示され、選ばれる理由の一部がうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    ケイタリング事業や商品開発への労力の振り向けは述べられるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    和菓子の一般的な普及度に触れず、かりんとうまんじゅうの高価格化の記述もないが、新商品としての位置づけはうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地元産食材の活用や従業員の独立支援など地域との関わりが少しうかがえるが、波及効果の具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果4

    取り粉を約40%削減し、外注費と冷凍処理時間(14〜16時間を4時間へ)の削減が数字で示され、費用対効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    急速冷凍庫や自動粉付け機の導入は示されるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    平泉の文化を発信する理念や一関市での地元食材の活用が書かれ、地域の特性を活かす取組がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

削減された労力を商品開発や販促活動、新事業開発などに充て、理念である平泉の文化とともに味を発信する展開に結びつけていく。従業員の独立支援に役立つビジネスモデルの構築も目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。