ものづくり補助金平成26年度医療、福祉山梨県

たった1日で白い人工歯を使った治療が完了する革新的歯科サービスの開発

成果むし歯治療の通院回数 2回→1回

この事例のポイント

  • 身延町は山間部で高齢者や要介護者の患者が多く、治療に来るには車での移動が必要で、要介護者は家族の付き添いがなければ通院できないため、患者の負担を減らすことが課題だった。
  • 口腔内スキャナとデジタル歯科用CAD/CAMを新たに導入し、人工歯をデジタル技術で製作するプロセスに取り組んだ。
  • むし歯治療の通院回数 2回→1回。診察から人工歯装着まで最短1時間~1時間半で完了し、1日で治療を終えられるようになった。

事業者のプロフィール

所在地山梨県 身延町
業種医療業
従業員数5人
設立2002年

事業の背景

高野歯科クリニックは2002年に山梨県身延町に開業し、2人の歯科医師と3人の歯科衛生士で診療を行っている。保険診療を中心に小児から高齢者まで幅広い年齢層に対応し、自由診療の審美歯科やインプラントも手掛けている。市場では白い歯を好む人が増えている一方、地域の高齢化が進んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑身延町は山間部で高齢者や要介護者の患者が多く、治療に来るには車での移動が必要で、要介護者は家族の付き添いがなければ通院できないため、患者の負担を減らすことが課題だった。
  • コスト・採算セラミックの人工歯は高価格のため、本当は入れたいが諦める患者が多く、製作コストを削減して価格を下げる必要があった。
  • コスト・採算歯科技工所への外注に費用がかかっており、従来の型取りから模型製作までの工程に時間もかかっていた。

やったこと

口腔内スキャナとデジタル歯科用CAD/CAMを新たに導入し、人工歯をデジタル技術で製作するプロセスに取り組んだ。これまで印象材で歯の型を取り石膏を流して模型を作っていた工程を、口腔内全体を短時間でデジタルスキャンして3Dデータで計測する方式に置き換えた。次にスキャンデータを歯科用CAD/CAMに送り、その場で人工歯を削り出せるようにして、ワックスで作る工程の時間を大幅に短縮した。

検査測定口腔内スキャナ
加工機歯科用CAD/CAM

新しい製品・サービス:白い人工歯を使い、診察から人工歯装着まで最短1時間~1時間半、1日で治療が完了する歯科サービス

事業の効果

  • むし歯治療の通院回数 2回→1回

診察から人工歯装着まで最短1時間~1時間半で完了し、1日で治療を終えられるようになった。歯科技工所への外注コストを削減し、従来より低価格で白い人工歯を提供できるようになった。型取りや模型製作の工程がデジタル化されて大幅な時間短縮が図られた。通院が難しい高齢者や要介護者の負担軽減につながり、将来的には往診も検討している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    2002年の開業以来、身延町で地域密着型の診療を続け、今後は往診も検討すると述べられている。事業の一貫性は読み取れるが、戦略上の位置付けは具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    街中の歯科医院ではなく、インプラントや審美歯科、小児から高齢者まで幅広く対応する点が示されている。従来2~3回の通院が1日で完結するなど、比較も具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    要介護者の通院負担やセラミック人工歯の高価格という課題が示され、1日治療やスキャン・CAD/CAMによる製作コスト削減で対応している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    価格を下げて患者のニーズに応えたいとの方向性はうかがえるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    2人の歯科医師と3人の歯科衛生士、従業員5人という人員体制は書かれている。補助事業を遂行する具体的な体制や事務処理面の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    治療時間が1時間前後から1時間半程度に短縮される点と、高価格で諦める患者が多いという需要の裏付けが書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    将来的に往診を検討していると述べられているが、遂行方法やスケジュール、課題の解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高精度で審美性の高いセラミック人工歯を従来より低価格で提供する点が書かれている。分野内での高水準化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    高齢化による要介護者の通院負担という社会課題が示されている。一方で、地域経済やサプライチェーンへの波及効果は述べられていない。

  • 費用対効果2

    治療回数や時間の短縮は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    口腔内スキャナと歯科用CAD/CAMを導入し、スキャンデータから直接削り出すデジタル製作工程が具体的に書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山間部の身延町で地域密着の診療を行う点は書かれているが、雇用創出や地域経済成長への牽引は述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

将来的には往診もやっていくことを検討している

事業者の声

治療に来るには車での移動が必要で、要介護者の患者さんはご家族の方などに付き添ってもらわなくては通院できません。これからますます高齢化が進む中で、いかに患者さんの負担を減らすかは大切な問題です

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。