ものづくり補助金平成25年度製造業鹿児島県

地元地域資源のハモを使った新たな冷凍食品の開発と販売事業

有限会社丸八水産

この事例のポイント

  • ハモの手切りは熟練の技が必要で、骨切りに時間がかかる上に腕への負担が大きく、数がこなせない。
  • 浜値が低い時期のハモを大量仕入れし、日持ちがする独自の骨切と保存製法を実施して、惣菜をはじめとした新たな冷凍食品の開発に取り組んだ。
  • 骨切りに係るマンパワーを他業務に注げるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社丸八水産
所在地鹿児島県 志布志市
業種食料品製造業
技術分野表面処理
従業員数25人
資本金300万円
設立1982年

事業の背景

有限会社丸八水産は地元で獲れた鮮魚を加工し、地域スーパーなどの小売店や病院食・学校給食へ納入している。既存事業は収益性がさほど高くないため、新たな収益源の確保が急務であった。志布志ではハモが年間を通して漁獲されるが、旬の6月から7月でも浜値は高くなく、産卵後の脂がのった時期にはさらに浜値が下がる。長年の取引関係からハモの骨切り商品の注文が相次いでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ハモの手切りは熟練の技が必要で、骨切りに時間がかかる上に腕への負担が大きく、数がこなせない。
  • 品質・精度ハモは凍った状態でなければ綺麗な切り口にならず、食感も悪い。
  • 品質・精度骨切り後に解凍するとドリップが出て旨味も流れてしまう。
  • コスト・採算既存の地元鮮魚の加工事業は収益性がさほど高くなく、新たな収益源の確保が急務であった。

やったこと

浜値が低い時期のハモを大量仕入れし、日持ちがする独自の骨切と保存製法を実施して、惣菜をはじめとした新たな冷凍食品の開発に取り組んだ。骨切り機を導入し、チルドの状態で骨切りできるようにした。これにより完全凍結までの時間が節約でき、解凍時のドリップ(うまみ成分を含んだ水分)が減り、ハモの甘みと品質保持ができるようになった。大小の形状の多様なハモを切幅自由にさばけるようになり、多様な鮮度の高い冷凍食品加工食品の開発が可能となった。

新しい製品・サービス:ハモを使った惣菜などの新たな冷凍食品(ハモ天丼など)

事業の効果

骨切りに係るマンパワーを他業務に注げるようになった。ハモ加工に人件費がかからなくなったため、高級魚と言われるハモを消費者に安価で提供できるようになった。骨切り機の導入で生産効率が上がり、業務用の引き合いに対応可能となり、県内外のスーパーやホテルからも既に引き合いがある。今後は2次加工までの一貫生産を行い、ハモの専用工場建設を目指してブランドアップを図る計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の鮮魚加工・納入事業を土台にしつつ、ハモ骨切り商品は新たな収益源として位置付けられており、一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置付けは具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ハモは京阪神で高級魚とされる一方、志布志では浜値が低い時期があり、その時期に大量仕入れする強みを活かす方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手切りの課題(熟練要、時間・負担、ドリップ)を挙げ、骨切機導入で全て解消し、業務用引き合い対応や2次加工一貫化を計画している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上高向上を図るとあるが目標値は書かれておらず、付加価値額や賃上げの目標もうかがえない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数25人や専門性への言及はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ハモを安価で提供できる点、県内外のスーパーやホテルから引き合いがある点など、顧客ニーズと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    2次加工までの一貫生産やハモ専用工場建設を目指すとあるが、スケジュールや中長期の検証方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ハモ骨切り冷凍食品は地域の一般的な商品とは言えず、高付加価値化を図る点はうかがえるが、市場での認知度の数値的裏付けはない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元の鮮魚を加工し病院食や学校給食へ納入しており地域への関わりはうかがえるが、経済波及や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    骨切機導入で生産効率が上がるとあるが、補助金額300万円に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    志布志の地域水産資源であるハモを活かす取組で地域の特性は読み取れるが、地域経済の牽引効果は具体的に示されていない。

今後の展望

骨切り機の導入で生産効率が上がり、県内外のスーパー、ホテルからも既に引き合いがあるため、順調に行けば確実に売上が確保できる見込み。今後は2次加工までの一貫生産を行い、ハモの専用工場建設を目指してブランドアップを図りたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。