ものづくり補助金平成25年度製造業鹿児島県

薩摩伝統菓子「かるかん」自動ライン化による食品製造環境の整備

有限会社徳重製菓とらや

成果生産性は2,000個/時間となり、導入前の約3倍になった。

この事例のポイント

  • 薩摩伝統菓子「かるかん」の製造は手作業の部分が多く、生産数に限りがあった。
  • 霧島地区では初めて、かるかん製造を自動ライン化した。
  • 生産性は2,000個/時間となり、導入前の約3倍になった。最大の効果は製造ラインの自動化により異物混入による顧客からのクレームがゼロになり、安心・安全が高まったことである。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社徳重製菓とらや
所在地鹿児島県 霧島市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数113人
資本金300万円
設立1884年

事業の背景

創業130年の歴史をもつ和菓子・洋菓子・パンの製造販売会社で、新商品の開発を続け顧客ニーズの把握に努めてきた。平成25年12月に基幹店舗が延焼したが、これをきっかけに平成27年4月に天降川沿いの敷地へ大型店舗と新工場を新設した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力薩摩伝統菓子「かるかん」の製造は手作業の部分が多く、生産数に限りがあった。
  • 生産能力手作業に頼るため生産効率にも限界があった。
  • 品質・精度製造環境は衛生面にも限界があり、食品衛生の整備が必要だった。

やったこと

霧島地区では初めて、かるかん製造を自動ライン化した。導入した自動ラインは大きく5つの機能に分かれ、これまで手作業で行っていた餡充填、蒸し器投入、型出しなどを自動化した。これにより安定した蒸気圧と温度管理ができ、衛生的な環境で高効率・高品質な製造が可能になった。テスト稼働では餡が商品の真ん中に収まらなかったが、材料の水分量を調整して解決した。蒸し器からの蒸気が吸入口から逆流して室内に充満した問題は、建物の吸排設備工事で排出口と吸入口を離して解決した。

加工機かるかん自動ライン

新しい製品・サービス:創作生かるかん

事業の効果

  • 生産性は2,000個/時間となり、導入前の約3倍になった。

最大の効果は製造ラインの自動化により異物混入による顧客からのクレームがゼロになり、安心・安全が高まったことである。生産性は2,000個/時間と導入前の約3倍となった。設備の一部を利用した新商品「創作生かるかん」が大ヒットし、売上高は計画の125百万円を上回る150百万円を達成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業130年・新工場新設と「創作生かるかん」開発を積極投資として記述しているが、自動ライン化が経営戦略上どう位置付けられたかは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    地域での自動ライン初導入や顧客からの安心・安全の評価にふれているが、市場動向や競合に対する強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の限界や衛生面の課題を示し、生産性2,000個/時間(導入前の約3倍)と売上150百万円の数字で改善を具体的に示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性が導入前の約3倍の2,000個/時間となり、売上も計画125百万円を上回る150百万円を達成したと実績の数字が示されている。

  • 事業を進める体制2

    テスト稼働や建物工事での想定外事象への対応は書かれているが、人材や事務処理能力の体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客からの異物混入クレームがゼロになったこと、新商品「創作生かるかん」が大ヒットしたことで、選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    テスト稼働で餡の充填問題を水分量調整で解決し、蒸気逆流を排出口と吸入口の分離で解決するなど、課題解決方法は具体的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    霧島地区で初の自動ライン化とあり、地域での先行性はうかがえるが、和菓子の分野における普及度や高付加価値化の度合いは示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の空港売店や観光客・インバウンド客への誘客計画にふれており、地域への波及効果がわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果3

    投資額は書かれていないが、生産性が約3倍になり売上が計画を上回った点で、費用対効果の一端は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    衛生的な製造環境への整備はあるが、先端的なデジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鹿児島の伝統菓子を地域の空港や観光バス休憩所で販売する計画があり、地域の特性を活かす点がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存の百貨店などは重点店舗を絞り込んで販売力を強化し、鹿児島空港売店や高速道パーキングエリア売店では観光客向けの土産品を販売する。空港に近い立地を活かし、インバウンド客を取り込むため旅行会社と連携して観光バスの休憩所として誘客する計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。