ものづくり補助金平成26年度製造業北海道

大口径特殊ネジ加工製品の受注拡大を目指した旋盤工程の高度化

株式会社エスピー工研

成果加工可能なパイプ径 170mm→250mm

この事例のポイント

  • 従来の旋盤では加工できるパイプの径が170mmまでで、大口径の加工に対応できなかった。
  • 旋盤加工技術への設備投資として「CNC普通旋盤」を導入した。
  • 加工可能なパイプ径 170mm→250mm。CNC普通旋盤の導入により、加工可能なパイプ径が170mmから250mmに広がり、長尺材料の加工能力も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エスピー工研
所在地北海道 札幌市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,製造環境
資本金1,000万円
設立1940年

事業の背景

昭和10年創業の鉄工所で、農林業機械や建設資材などに実績がある。北海道は市場性が高くないため、民間に売り込む製品は限られ、公共事業関連の製品加工が多い。溶接や旋盤加工は自動機械の普及により、技術での差別化が難しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の旋盤では加工できるパイプの径が170mmまでで、大口径の加工に対応できなかった。
  • 生産能力長尺材料の加工能力が十分でなく、3m長尺パイプのネジ切り加工に対応できなかった。
  • 人手・技能複条ネジや台型ネジなどの特殊加工は、NCのプログラム設定自体が複雑で、経験豊富なオペレーターが手動で行う必要があった。
  • 生産能力汎用機で行っていた加工には時間がかかっていた。

やったこと

旋盤加工技術への設備投資として「CNC普通旋盤」を導入した。基本プログラムを搭載したセミオート方式の機械を選定し、パイプを挟むチャックを250mm対応にカスタマイズした。最終的には岡山県のメーカーに赴いて調整を行った。導入後は従来170mmまでだったパイプ加工が250mmに対応可能となり、長尺材料の加工能力も上がった。これにより大口径パイプの研磨や3m長尺パイプのネジ切り加工に対応できるようになった。

  • 加工機CNC普通旋盤
  • その他パイプ挟み込みチャック250mm対応にカスタマイズ

事業の効果

  • 加工可能なパイプ径 170mm→250mm

CNC普通旋盤の導入により、加工可能なパイプ径が170mmから250mmに広がり、長尺材料の加工能力も向上した。これにより大口径パイプの研磨や3m長尺パイプのネジ切り加工に対応できるようになった。汎用機で苦心していた加工は3分の1の時間でできるようになり、少量多種の一品料理的な仕事で強みを増すことができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和10年創業の鉄工所から続く加工事業で、旋盤工程への設備投資を過去の取組に連なる一貫した強化として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    北海道は市場性が高くないため公共事業関連が多く、現場知識を持つ社員が直接提案する強みが事例に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    複条ネジ等の特殊加工はプログラム設定が煩雑と課題を示し、3分の1の時間で加工できる機械導入で解決を図っている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    3分の1の時間短縮という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    オペレーター2名、1級指導員資格者の在籍と、新入社員の4ヶ月の専門研修が具体的に記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    少量多品種の特殊加工を強みとし、長尺パイプのネジ切りなど受注先の用途や業界が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は特殊加工やオリジナル技術を育てるという方針はあるが、中長期のスケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    長尺パイプのネジ切りや大口径研磨など、特殊性のある加工を提供し、同分野での差別化をうかがわせる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    トンネル補強材や北海道新幹線の点検階段など公共インフラ関連の加工に言及し、社会的な必要性がうかがえる。

  • 費用対効果2

    加工時間が3分の1になるとあるが、補助金額や投資額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NCと手動を組み合わせたハイブリッド機の活用は触れられているが、高度なデジタル技術やビジネスモデル変革は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    日本経済の構造転換に資する成長分野への進出についての記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    北海道の自然環境に関わる農機部品や防雪柵の加工、ホクレン指定工場としての地域密着の事業が示されている。

今後の展望

特殊加工の仕事を育て、一次産業から建設まで幅広い資材を扱う同社の事業に加えて、多様な業界やメーカーからの受注チャンスが見込まれる。

事業者の声

今後はオリジナル技術も含め、特殊加工の仕事をしっかり育てていく

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。