ものづくり補助金平成26年度製造業青森県

高機能溶接ロボットの導入による生産性と品質の向上

有限会社カワサキ機工

成果従来の設備と比較して加工時間の20%以上が短縮可能となった

この事例のポイント

  • 産業機械や農業機械のフレーム部品は大型化し複雑形状になっており、既存の溶接ロボットでは対応しきれず手作業に頼っていた。
  • 多面溶接に対応するため、2軸ポジショナー協調動作仕様と2台協調動作仕様のアーク溶接ロボットを導入した。
  • 従来の設備と比較して加工時間の20%以上が短縮可能となった。試験稼働で、2軸ポジショナー協調動作仕様は溶接に最適な相対速度と姿勢を維持でき、ビード外観と精度の向上が確認された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社カワサキ機工
所在地青森県 おいらせ町
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,製造環境,接合・実装
従業員数8人
資本金500万円
設立1990年

事業の背景

同社は産業機械や農業機械の部品を切断・曲げ加工から溶接まで一貫して製作しており、加工に必要な治具を自社開発することで高い品質を維持してきた。近年は産業機械や農業機械のフレーム部品が大型化し、複雑な部品構成になってきている。また軽量化のためボルト接合から溶接接合への移行が進み、溶接箇所が増えて従来品より製作に時間がかかるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力産業機械や農業機械のフレーム部品は大型化し複雑形状になっており、既存の溶接ロボットでは対応しきれず手作業に頼っていた。
  • コスト・採算溶接箇所が増えて製作に時間がかかり、高品質なビード外観や溶接強度を求める取引先の要望にも応えにくく、生産コストの増加が受注競争力の低下を招いていた。

やったこと

多面溶接に対応するため、2軸ポジショナー協調動作仕様と2台協調動作仕様のアーク溶接ロボットを導入した。導入した各溶接ロボットに合わせて固定架台も製作した。2軸ポジショナー協調動作仕様は、付帯設備のポジショナーとロボットを協調動作させてワークを付け替えずに最適な姿勢で自動溶接できるため、時間短縮に加え品質と精度の向上も可能である。2台協調動作仕様は、2台のロボットが互いの位置を共有して干渉せずに動作するため、1つのワークを1工程で完成でき、作動範囲が倍になることで単工程で大型ワークにも対応できる。

加工機アーク溶接ロボット(2軸ポジショナー協調動作仕様)
加工機アーク溶接ロボット(2台協調動作仕様)
その他固定架台

事業の効果

  • 従来の設備と比較して加工時間の20%以上が短縮可能となった

試験稼働で、2軸ポジショナー協調動作仕様は溶接に最適な相対速度と姿勢を維持でき、ビード外観と精度の向上が確認された。2台協調動作仕様は溶接姿勢や速度を協調制御でき、ワーク位置が安定して溶接精度が上がり、後工程の補修作業の軽減が見込まれる。いずれの設備も従来設備と比べて加工時間を20%以上短縮できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    切断・曲げから溶接まで一貫製作し治具を自社開発してきた実績が書かれ、溶接ロボット導入は既存の強みの延長と読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先から高品質なビード外観や溶接強度の要望があり受注競争力低下が課題とされているが、市場動向の分析や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    溶接個所増加で製作に時間を要し手作業対応が続いたという課題を示し、加工時間の20%以上短縮と品質向上で解決を図る流れが具体的である。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    従来設備比で加工時間の20%以上短縮が可能となったと試験稼働の結果が示され、数値目標と実績が読み取れる。ただし付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数8名と書かれているのみで、ロボット運用や補助事業を遂行する人材・事務体制についての記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高品質なビード外観と溶接強度を取引先が求めていると書かれ、ニーズの裏付けはあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    農業機械部品から始め将来は建設関連や自動車・航空機関連へ広げる段階的な計画が示されているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    複雑形状の大型フレーム部品や多面溶接に対応するため高機能ロボットを導入したと書かれ、高水準の高付加価値化を図る取組と読めるが、分野の普及度は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    将来的に建設・自動車・航空機関連への市場参入を図るとあるが、地域波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工時間20%以上短縮や後工程補修の軽減が見込まれると書かれ効果は示されているが、補助金額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    2軸ポジショナー協調や2台協調制御といった先端的な自動化が導入されているが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    青森県おいらせ町の企業と書かれるのみで、地域特性を活かした付加価値創出や地域経済成長への言及はわずかにうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

導入設備で他工程の受注品目の生産に移行し量産体制を確立する。当面は農業機械関連の部品を対象とし、将来は建設関連の長尺物や自動車・航空機関連の複雑形状の高精度部品への市場参入を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。