ものづくり補助金平成26年度サービス業(他に分類されないもの)岩手県

水性塗料対応ブースの導入による作業環境改善及び生産性向上事業

有限会社 北上車体

成果塗装・乾燥・色合わせの一連の作業時間が1台あたり30分程度短縮された

この事例のポイント

  • 自動車板金塗装で使う溶剤塗料はVOCを排出し、従業員の健康被害を招くおそれがあった。
  • 自動車補修塗料を溶剤塗料から水性塗料に切り替え、水性塗装ブース(乾燥装置)を設置した。
  • 塗装・乾燥・色合わせの一連の作業時間が1台あたり30分程度短縮された。水性塗装ブースの導入により、滑らかな塗装肌の確保と乾燥時間の短縮が実現し、塗装後の塵取り作業時間も減った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 北上車体
所在地岩手県 北上市
業種自動車整備業
従業員数14人
資本金350万円
設立1980年

事業の背景

当社は1980年(昭和55年)に創業し、1998年(平成10年)に法人化した。自動車関連事業、損害保険代理業、共済代理店業などを展開している。1997年(平成9年)にBSサミットに加盟したことを機に、工場の環境問題に取り組み始めた。自動車補修塗料は国内で溶剤塗料が使われてきたが、欧州ではすでに水性塗料が主流となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他自動車板金塗装で使う溶剤塗料はVOCを排出し、従業員の健康被害を招くおそれがあった。
  • 生産能力水性塗料は塗装面が平滑になりにくく、水分の蒸発が遅いため乾燥に時間がかかっていた。
  • 生産能力既存の塗装ブースは塗装と乾燥に多くの時間を要し、生産性が低かった。
  • その他水性塗料に対応したブースへの切り替えが迫られていた。

やったこと

自動車補修塗料を溶剤塗料から水性塗料に切り替え、水性塗装ブース(乾燥装置)を設置した。ブース内12カ所から強力な風を送り込み、塗装面の乾燥を速める構成とした。あわせて、天候に影響されず色合わせができる調色ルームを併設した。さらに、水性塗料に含まれる水分を送風で飛ばす水性塗料フラッシュオフ装置を、ブース内12カ所に風を送る仕組みで導入した。水性塗料は規制値420g/ℓ以下に抑えられる特性をもつ。

加工機水性塗装ブース(乾燥装置付き)
その他調色ルーム
加工機水性塗料フラッシュオフ装置

事業の効果

  • 塗装・乾燥・色合わせの一連の作業時間が1台あたり30分程度短縮された
  • これまで4〜5台/日であったものが5〜7台/日へと増加した

水性塗装ブースの導入により、滑らかな塗装肌の確保と乾燥時間の短縮が実現し、塗装後の塵取り作業時間も減った。調色ルームにより色合わせ作業時間も短縮された。作業時間が1台あたり30分程度短縮され、作業台数は4〜5台/日から5〜7台/日へ増えた。水性塗料への切り替えで従業員の健康保持と労働環境の改善にもつながり、同業他社との差別化が図られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成9年のBSサミット加盟を転機に環境・安全へ取り組んできた経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    同業他社との差異化が図られ受注増が期待されると書かれるのみで、市場動向や自社の経営資源の強み・弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    溶剤塗料は乾燥に時間がかかり生産性が低いという課題認識があり、ブース導入で1台あたり30分短縮し4〜5台/日から5〜7台/日へ増加と書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1台あたり30分程度短縮、4〜5台/日から5〜7台/日へ増加という数字が示されている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    塗装肌の平滑化や塵の付着低減など製品品質の利点はうかがえるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは書かれていない。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の成果は書かれているが、中長期の検証や遂行スケジュール、課題解決方法の記述は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    水性塗料は欧州で主流とあるが、国内の普及度や高付加価値化・高価格化の記述は乏しく、新市場性はうかがえる程度。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    VOC削減による労働環境改善や業界イメージ向上は書かれているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明確でない。

  • 費用対効果3

    投資額や費用対効果の数値は書かれていないが、生産性向上(台数増加)と健康保持の成果は示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    水性塗料やフラッシュオフ装置の導入は示されるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンのイノベーションへの言及は少ない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地域の自動車整備業として、損害保険や緊急レッカーサービスを含めたサポートを行うことはうかがえるが、地域経済への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は自動車板金塗装業界のイメージアップに努め、興味を持つ若者を増やしていく。工場内の安全性をさらに高め、従業員の経験や技術力と最先端の機械設備との融合を図りながら、業界をリードする存在であり続けたいと考えている。自動車補修塗装の受注量増大も期待される。

事業者の声

「1台1台大切に」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。