ものづくり補助金平成27年度サービス業(他に分類されないもの)岐阜県

有機溶剤塗装から水性塗料塗装への切替による自動車修理塗装での新たなサービス提供方式の実現

有限会社大和自動車

成果塗装作業時間 160分→53分

この事例のポイント

  • 有機溶剤塗装を使用しており、水性塗料での修理塗装は技術的に困難だった。
  • 水性塗料専用の塗装・乾燥設備を新たに導入した。
  • 塗装作業時間 160分→53分。塗装乾燥時間の大幅な短縮により、修理受付から最短1日で納車できる短納期化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社大和自動車
所在地岐阜県 可児市
業種自動車整備業
従業員数10人
資本金300万円
設立1991年

事業の背景

昭和50年の創業以来、自動車修理(板金・塗装)業を主業務とし、顧客満足を目指したスピーディーかつ正確な修復を行ってきた。受注は自動車ディーラー及び保険会社が9割、一般ユーザーが1割を占め、立地するエリアでは最大規模の事業を展開している。国内自動車メーカー及び輸入車のほとんどは水性塗料を使う一方、修理塗装は有機溶剤塗装が主流だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力有機溶剤塗装を使用しており、水性塗料での修理塗装は技術的に困難だった。
  • 品質・精度水性塗料はタレ、ワキ、ちじみ、ゴミの付着等の欠点があり、修理塗装で安定した仕上がりを出せなかった。
  • コスト・採算水性塗料は乾燥に長い時間がかかり、既存設備では塗装作業に時間を要していた。
  • その他ユーザーからは環境に配慮した水性塗料での修理塗装を望む声があった。

やったこと

水性塗料専用の塗装・乾燥設備を新たに導入した。新設備はランプ熱による電気方式で、1分で80度と温度の立ち上がり速度が早く、温度・風量をコントロールできる温風乾燥により高効率乾燥が可能となった。塗料メーカーや塗装・乾燥設備メーカーの協力を得て水性塗料の技術講習を受け、作業技術の習得を図った。水性塗料の仕様デメリットを技術的に克服し、タレ、ワキ、ちじみ、ゴミの付着等がない仕上げを安定して作り出せるレベルの技術を確立した。

加工機水性塗料専用の塗装・乾燥設備

事業の効果

  • 塗装作業時間 160分→53分
  • 新設備は1分で80度まで立ち上がる

塗装乾燥時間の大幅な短縮により、修理受付から最短1日で納車できる短納期化を実現した。水性塗料のメリットを活かし、車体の劣化防止や臭いが発生しない塗装を提供でき、高級外車の顧客や臭いを気にする女性顧客向けの高品質サービスにも発展させ、付加価値の高い塗装サービスを提供する仕組みを構築できた。導入を機に従来の顧客に加え新規取引先からの仕事が増加し、若手スタッフ1名を採用した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の自動車修理・板金塗装事業の延長で、他社に先駆けた水性塗料技術の確立と位置付けられているが、経営戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    環境配慮を望むユーザー声や東海地区で先駆けた取り組みという強みが示され、高級外車や女性顧客向けサービスへの展開も記載されている。

  • 課題の認識と解決3

    溶剤塗装の乾燥時間が課題とされ、乾燥時間短縮による生産性向上が示されるが、具体的な事業計画の数値目標は少ない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業時間が160分から53分に短縮され、修理受付から最短1日で納車可能と具体的な数字で高付加価値化の効果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    塗料・設備メーカーの協力や技術講習を受けたとあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットとして高級外車所有者や臭いを気にする女性顧客が挙げられ、水性塗料の臭いがない等の選ばれる理由も整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    技術講習の受講や設備導入の経緯は書かれているが、中長期の検証やスケジュール、課題解決方法の詳細は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    修理塗装では有機溶剤が主流で水性塗料は新車のみだった中、修理への水性塗装導入は全国10本の指に入るスピードとされ、新分野での高付加価値化が明確。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    VOC規制がない業界での環境対策や従業員の健康配慮、若手採用や地域雇用創出への貢献が述べられるが、波及効果の定量説明は薄い。

  • 費用対効果3

    作業時間の大幅短縮や若手1名採用などの効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ランプ熱による電気方式の温風乾燥など設備技術は示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取りにくい。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    VOC規制のない業界で環境配慮型の塗装へ移行する点はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    地域での信頼や立地エリア最大規模の事業、地域での雇用創出への貢献意欲が記載され、地域経済への寄与がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

規模拡大を図りながら、地域での雇用創出などにも貢献していきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。