ものづくり補助金平成26年度製造業岩手県

NC高精度球芯研磨装置を活用した外注工程の内製化による生産体制の刷新

株式会社新栄光学

成果外注先で最低4日ほど要していた前工程の日数と精密研磨の20分をあわせて60分に縮めた

この事例のポイント

  • レンズ研磨の前工程である荒削りを県外の外注先に頼っており、外注費が増加傾向にあった。
  • 従来は曲面を作るレンズの削り取り前工程を外注していたが、NC高精度球芯研磨装置を導入して外注工程を内製化した。
  • 外注先で最低4日ほど要していた前工程の日数と精密研磨の20分をあわせて60分に縮めた。外注していた前工程を自社で行えるようになり、短納期化と低コスト化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社新栄光学
所在地岩手県 花巻市
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数9人
資本金100万円
設立2007年

事業の背景

昭和48年に花巻市で創業した旧リコー光学株式会社の立ち上げに当社の先代が参画し、先代は独立して「岩瀬光学」を立ち上げた。これを継承し平成19年に株式会社新栄光学として新工場を設立した。カメラレンズ、セキュリティ、医療、車載用など光学機器の内部に使われるレンズの研磨を行っている。主な受注先は中小企業のメーカーで、量的には小ロットであり、取り組んだ経験のない試作品の受注も多くなってきている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能レンズ研磨の前工程である荒削りを県外の外注先に頼っており、外注費が増加傾向にあった。
  • 生産能力自社が加工可能な範囲が限定されていたため、取引先の要望に応えられず失注していた。

やったこと

従来は曲面を作るレンズの削り取り前工程を外注していたが、NC高精度球芯研磨装置を導入して外注工程を内製化した。この装置により、凹レンズと凹凸レンズの同時加工が可能になり、曲率半径もNCで制御されるため加工範囲がゼロから無限大まで広がった。外注先で最低4日ほど要していた前工程の日数と精密研磨の20分をあわせて60分に縮めた。導入前に180分かかっていた本研磨と洗浄は140分まで短縮された。ダイレクトペレット加工も可能となり、従来は難しかった肉厚光学特殊レンズも加工できるようになった。

加工機NC高精度球芯研磨装置

事業の効果

  • 外注先で最低4日ほど要していた前工程の日数と精密研磨の20分をあわせて60分に縮めた
  • 本研磨と洗浄の所要時間 180分→140分

外注していた前工程を自社で行えるようになり、短納期化と低コスト化が実現した。曲率半径もNCで制御され、加工範囲がゼロから無限大まで広がり、特殊なレンズや肉厚光学特殊レンズの研磨も可能になった。凹凸レンズの同時加工により作業時間が短縮され、不良率の低減という効果も生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    外注していたレンズ前工程を自社化する計画で、過去の研磨事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明確に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先の要望に応えられず失注していたことや小ロット試作品の多さに触れており、外部環境と自社の課題はうかがえるが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    外注前工程の最低4日を含む納期短縮と、研磨時間180分から140分への短縮が示され、課題解決の方向性が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    前工程と精密研磨を合わせて60分に縮めた具体的な数値が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員9名の企業であることと、経験の浅い従業員でも操作できるよう補正プログラム化に取り組む旨がわずかにうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロット試作や難易度の高い形状のレンズに対応できる点が示され、顧客や選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の研磨対応範囲の拡大は書かれているが、中長期の課題検証や遂行スケジュールは記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    肉厚光学特殊レンズや凹凸レンズの同時加工など、従来困難だった高難度加工に対応できる点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    カメラやセキュリティ、医療用レンズなど国内産業への関与はうかがえるが、経済波及や雇用創出の効果は書かれていない。

  • 費用対効果3

    外注費の削減と不良率低減に触れているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC制御による加工範囲の拡大は読み取れるが、デジタル技術の活用がサプライチェーン全体の革新につながるかは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    花巻市の地元で創業した企業であることは読み取れるが、地域の特性を活かして雇用や成長を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後どのような光学機器が開発されても対応可能な状態を維持したいと考えている。

事業者の声

今後どのような製品が開発されるか予想がつかない業界の現状にあるが、どんなものにも対応していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。