ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

医療分析機器用部品を精密加工する為の新型複合加工機導入と試作

有限会社タカモリ製作所

成果部品1個の完成までの日数 3日→2日

この事例のポイント

  • 工程ごとに仕掛り品を出し入れするため、部品に傷がつく恐れがあった。
  • 顧客の要求を満たすため、段取り、治具の製作、仕掛りスペース、待ち時間を減らす新型の複合加工機を導入することにした。
  • 部品1個の完成までの日数 3日→2日。新たに導入した機械は1台で連続して加工できるため待ち時間がなくなり、部品の完成までの日数が3日から2日に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社タカモリ製作所
所在地茨城県 水戸市
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数14人
資本金300万円
設立1969年

事業の背景

同社は1969年創業の精密切削加工専門メーカーで、自動車部品や医療分析機器用部品などの精密機械切削加工に長く取り組んできた。特にここ15年ほどは、その技術を生かして医療機器関連部品を製造している。医療関連の部品は精密さが求められ、傷がつくと使いものにならない。顧客からは高精度加工に加え、多品種、小ロット、短納期も求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度工程ごとに仕掛り品を出し入れするため、部品に傷がつく恐れがあった。
  • 生産能力複雑形状の加工のたびに位置決めピンなどの治具を製作する必要があり、一品ごとに多くの時間を費やしていた。
  • 人手・技能作業者が変わると微妙なズレが発生することがあった。
  • 生産能力工程ごとに段取り・待ち時間が生じ、部品が完成するまで3日を要していた。
  • 生産能力顧客から高精度に加え多品種・小ロット・短納期が求められ、これらへの対応が急務だった。

やったこと

顧客の要求を満たすため、段取り、治具の製作、仕掛りスペース、待ち時間を減らす新型の複合加工機を導入することにした。当初予定していた機械は大きすぎて工場建物内に入らないことが判明したため、急遽別メーカーのものに変更した。新規導入した機械はNC旋盤にオプションなどをつけた複合加工機で、第1・2工程を1台で連続して行える。導入にあたっては既存の機械2台分のスペースと加工途中の仕掛り品を置くスペースをなくして、新型機械の設置場所とした。

加工機新型複合加工機

事業の効果

  • 部品1個の完成までの日数 3日→2日

新たに導入した機械は1台で連続して加工できるため待ち時間がなくなり、部品の完成までの日数が3日から2日に短縮された。高精度の加工が可能になり、加工中の部品を次の機械に動かす必要がなくなったため、傷などによる不良品率を1割も減らすことができた。作業日数が減ることで労務費などのコストも削減された。熟練工の技術・技能を数値化してプログラムすることで新入社員も即戦力として活躍できるようになり、3次元座標測定機と組み合わせて精密な部品の試作と製造が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    従来のNC旋盤とマシニングセンタによる医療部品加工の課題を踏まえ、15年ほど続けてきた医療機器関連部品製造を発展させる設備投資として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医療機器部品は傷で使用不可になるため精密性が求められるとし、自社の精密切削の技術と測定機を組み合わせて高精度な試作・製造を可能にしたと読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    段取り・治具製作・仕掛り待ち・手作業の課題を認識し、複合加工機で第1・2工程を連続化して加工精度を向上させる計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    3日かかっていた工程が2日で完成できるようになったと説明されるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。不良率を1割減らしたとの記述はあるが目標値としての提示ではない。

  • 事業を進める体制3

    従業員14人の精密切削メーカーで、熟練工の技能を数値化しプログラムにする取組が述べられており体制は読み取れるが、事務処理能力などの具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療分析機器用部品の高精度、多品種、小ロット、短納期という顧客ニーズが具体的に示され、誤差0.01ミリ以内を強みとして市場開拓につなげる方針が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は高精度・低コスト・多品種小ロット対応をアピールし市場の新規開拓を考えるとあるが、中長期のスケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    医療機器部品の高精度加工で他社に先駆けて製作できるようになったと述べられるが、分野の普及度や高価格化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器関連部品の製造という分野は示されるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    加工日数が3日から2日に短縮され、不良品率を1割減らし労務費などのコスト削減につながったと、数字で費用対効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    複合加工機と3次元座標測定機の組み合わせによる技術的な相乗効果がうかがえるが、デジタル技術の先端性やサプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分析機器用部品という成長分野での加工の高度化がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    水戸市で創業した地域企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は高精度で低コスト、多品種、小ロットにも対応できる高精度加工技術をアピールし、市場の新規開拓を考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。