ものづくり補助金平成26年度製造業岩手県

自動充填機ライン導入による乾燥カットわかめの生産プロセス革新

株式会社 松栄

成果生産量 1倍(従前比)→2倍(従前比)

この事例のポイント

  • 競合他社の商品に対抗するため、生産プロセスの革新により生産能力を大幅に増強する必要があった。
  • 塩蔵わかめの製造工程は仕分け、計量、充填、パッケージの4工程に分けられ、いずれも手作業だった。
  • 生産量 1倍(従前比)→2倍(従前比)。自動充填機の導入により、従業員の作業能率に左右されず一定の生産数量と品質を確保できるようになり、パッケージミスや出荷で…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 松栄
所在地岩手県 大船渡市
業種食料品製造業
技術分野情報処理,製造環境
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1987年

事業の背景

当社は三陸産のわかめやコンブを原料に、乾燥カットわかめや塩蔵わかめなどの海藻加工を行っている。産地で採れた原料を産地で加工し、多数の国内大手メーカーに直送する生産体制は全国的に高く評価されている。東日本大震災以降は風評被害等により、西日本では三陸産のブランド力が低下し、出荷数量や価格面で苦戦を強いられている。さらに被災地の人口流出により水産加工業への就業者不足も深刻である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力競合他社の商品に対抗するため、生産プロセスの革新により生産能力を大幅に増強する必要があった。
  • コスト・採算製造原価を低減することが求められていた。
  • 人手・技能沿岸部では深刻な人手不足により従業員の増員が見込めず、機械導入による自動化ラインの設置が必要だった。
  • 人手・技能塩蔵わかめの製造工程はすべて手作業で、原料を選別する仕分け作業には熟練が必要だった。

やったこと

塩蔵わかめの製造工程は仕分け、計量、充填、パッケージの4工程に分けられ、いずれも手作業だった。計量したわかめを袋詰めする充填と、封印しシール印字するパッケージの工程を自動で行う自動充填機を本事業により導入し、自動ライン化した。導入した自動充填機ラインは充填、パッケージ、ウェイトチェック、金属探知の一連作業をオートメーション化し、従来のラインと連結した。

加工機自動充填機
検査測定ウェイトチェック・金属探知機能を含む検査装置

事業の効果

  • 生産量 1倍(従前比)→2倍(従前比)

自動充填機の導入により、従業員の作業能率に左右されず一定の生産数量と品質を確保できるようになり、パッケージミスや出荷できない商品の発生も大幅に抑えられた。生産量が従前の約2倍になり、大口受注や唐突な受注にも対応できるようになった。従業員を増やさずに生産量を増やしたことで人件費の大幅な削減につながり、残業時間も減って完全週休2日制を実施できるようになった。製造原価の低減と勤務環境の改善、人材不足対策にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    わかめ加工の生産体制が全国的に評価されているとあり、既存事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    三陸産わかめの産地加工・直送体制が高く評価され、西日本では風評被害で苦戦とあり、強みと外部環境の課題が具体的に示される。

  • 課題の認識と解決5

    競合対抗のため生産能力の大幅増強と製造原価低減が必要とされ、約2倍の生産量確保と人件費の大幅削減という数字で成果が示される。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    従前の約2倍の生産量を確保するまでに至ったとあり、高付加価値や賃上げの目標値は明示されないが、生産量の実績が具体的に示される。

  • 事業を進める体制2

    従業員の機械操作習得に時間を要したとあるのみで、補助事業の遂行体制や事務処理能力に関する記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質のよさが高く評価され、大口受注にも対応できるようになったとあるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体的に書かれていない。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の習得期間や生産量の増加は述べられるが、中長期の遂行方法やスケジュールの記述は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    わかめ加工は既存分野で、高水準の高付加価値化や高価格化を図るとは書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    沿岸部の人手不足や被災地の人口流出による就業者不足が述べられ、地域雇用への課題意識はうかがえるが、波及効果は具体的でない。

  • 費用対効果3

    パッケージミスの削減や人件費の大幅削減が示されるが、補助金投入額との比較による費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    充填からパッケージ、検査までのオートメーション化は述べられるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    三陸産わかめを産地で加工し直送する体制と地域の人材不足への対応が示され、地域経済への寄与が具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も生産量の増量と勤務環境の両立を図るため、更なる生産工程の自動化を推し進めていく考えである。製造工程の自動化は生産効率や価格競争力の向上につながるものと期待している。

事業者の声

働きやすさも会社成長の大きなポイント

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。