ものづくり補助金平成26年度製造業岩手県

宇宙・防衛領域の高精度要求を満たす生産体制の構築と確立

株式会社小冨士製作所

成果突き当て精度(誤差) 0.2mm→0.003mm

この事例のポイント

  • 顧客から求められる仕上がり寸法誤差±0.1mm以下に対し、保有するベンディングマシンの実用精度は±0.2~0.3mmで要求精度を満たせなかった。
  • 高性能なハイブリッドドライブベンディングマシンを導入した。
  • 突き当て精度(誤差) 0.2mm→0.003mm。高性能ベンディングマシンの導入により突き当て精度が大幅に向上し、従来より高いレベルの寸法精度を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小冨士製作所
所在地岩手県 奥州市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数110人
資本金1,200万円
設立1969年

事業の背景

当社は駐車場システムやドライビングシミュレーター、発電所制御盤などの筐体精密板金加工を主に行い、板金加工から塗装、組み立て、装置の組み込み、配線、メンテナンスまで一貫して行うことを強みとしている。工場には使用開始後20年以上経過した機械が多く、近年は精度の高い加工が求められるようになっていた。医療分野で需要の多いステンレス製品への進出も視野に入れていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度顧客から求められる仕上がり寸法誤差±0.1mm以下に対し、保有するベンディングマシンの実用精度は±0.2~0.3mmで要求精度を満たせなかった。
  • 生産能力古い機械では精度の高い加工要求に対応しにくくなり、職人の経験と勘に頼る調整が必要で、納期やコスト面で合わず受注拡大の障壁となっていた。
  • 販路・情報発信取引先の分散化を図るため新規顧客の開拓が必要だった。

やったこと

高性能なハイブリッドドライブベンディングマシンを導入した。ベンディングの精度基準となる突き当て精度(素材の位置決めの精度)は誤差±0.003mmで、従来のベンディングマシンより大幅に高いレベルの寸法精度を実現している。あらかじめ作成したデータを無線LANで送信し、複雑な形状の曲げ加工を自動で行えるようにした。薄板から厚板まで、曲げ角度も自在に加工できる。導入を機に作業の数値化を徹底し、リードタイムや作業単価を社員に意識させる取り組みも進めた。

加工機ハイブリッドドライブベンディングマシン

事業の効果

  • 突き当て精度(誤差) 0.2mm→0.003mm
  • 積極的な営業活動の結果、新規の2社と受注契約に至っている。

高性能ベンディングマシンの導入により突き当て精度が大幅に向上し、従来より高いレベルの寸法精度を実現した。誰が操作しても一定の加工速度と精度が保たれ、加工時間も従来より大幅に短縮された。新規2社と受注契約に至り、取引先の拡大と新分野への参入につなげている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の板金加工・筐体精密板金の強みを生かし新分野へ進出する方針は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客の精度要求(誤差±0.1mm以下)に対し保有機の±0.2~0.3mmでは不足と認識し、新規の顧客獲得と取引先分散化を図る強みと課題が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    精度不足と取引先分散の必要性を課題として認識し、新規2社との受注契約や医療・宇宙防衛分野への展開など解決策が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    突き当て精度0.003mmや加工時間の減少は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    国家資格や溶接技能者など公的資格の取得者が多数在籍し、専門技術習得を全社で支援している体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度要求に応える製品・顧客ターゲット(宇宙・防衛、医療)は示されるが、ニーズの裏付けは具体的な数値で示されていない。

  • 事業化までの道筋3

    営業体制の強化や新分野参入という方向性は示されるが、スケジュールや中長期の検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ステンレス製品の加工を克服した提案や宇宙・防衛など高精度分野への参入が示されるが、普及度や高価格化の具体的根拠は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    宇宙・防衛領域の高精度要求への対応という方向はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出などの国の補助理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    加工時間の減少や精度向上は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    無線LANによるデータ送信で自動加工を行う点はうかがえるが、サプライチェーンのイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    宇宙・防衛、医療分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    岩手県奥州市の事業者として新分野に進出する点はうかがえるが、地域の経済成長を牽引する具体的記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、営業体制をさらに強化し、取引先の拡大に努め、新規分野への参入を図って売上の増大を目指す。宇宙・防衛領域の受注に対応できる体制を構築していきたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。