ものづくり補助金平成27年度製造業福岡県

ジャストインタイムに対応するIoT型自動金型交換ベンディングシステムの構築

株式会社ヤスナガ

成果金型交換時間 10分→1.5分

この事例のポイント

  • 精密板金部品の曲げ加工では、手作業による金型交換がリードタイムを長くする要因となっていた。
  • 2016年に、モニター操作で短時間に設定でき、加工データをサーバーで管理できる自動金型交換装置を搭載したベンディングマシンを導入した。
  • 金型交換時間 10分→1.5分。金型交換が自動化され、交換時間が約10分から約1分半に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤスナガ
所在地福岡県 柳川市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数57人
資本金3,850万円
設立1968年

事業の背景

株式会社ヤスナガは1968年設立の精密板金部品メーカーで、月に約5000種のオーダーに応える多品種生産の体制を築いている。切断、曲げ、溶接、組み立てなど幅広い加工が可能で、一品モノや10個程度の少量オーダーが大半を占め、リピートで受注が入るものもある。加工領域の拡大や人材確保を見越して、製造現場の自動化に向けて作業工程の見直しを進めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能精密板金部品の曲げ加工では、手作業による金型交換がリードタイムを長くする要因となっていた。
  • 生産能力多品種少量の現場では金型を頻繁に交換するため、段取りの手間が多く、何らかの対策が必要だった。
  • 人手・技能加工領域の拡大や年々難しくなるモノづくりを支える人材の確保が課題となっていた。

やったこと

2016年に、モニター操作で短時間に設定でき、加工データをサーバーで管理できる自動金型交換装置を搭載したベンディングマシンを導入した。手作業で約10分かかっていた金型交換は交換装置により約1分半に短縮された。自動交換の間に別の作業ができるようになり、マシンの稼働率も向上した。斜め方向の曲げも可能になり、角度センサー機能で角度出しも簡略化された。サーバー管理により、受注のたびに作成していた加工データを使い捨てるムダもなくなった。

加工機金型自動交換装置搭載ベンディングマシン

事業の効果

  • 金型交換時間 10分→1.5分

金型交換が自動化され、交換時間が約10分から約1分半に短縮された。自動交換の間に別の作業ができるようになり、マシンの稼働率も向上した。斜め方向の曲げや角度出しの簡略化により、高度な加工にも対応しやすくなった。サーバー管理によりリピート品の加工データを再利用でき、データを作り直すムダがなくなった。新たなマシンの導入は、現場での仕事の進め方を変える効果を生んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去から現場の自動化を意識的に考えてきたとあり、多品種少量生産の強みを伸ばす自動化への取組として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    月に約5000種のオーダーに応える多品種生産体制と、リピート受注の存在が書かれ、強みは読み取れるが市場動向との関係は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    金型交換の手作業が約10分かかり、リードタイムの要因だったという課題を示し、交換装置で約1分半に短縮した点が具体的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    金型交換時間を約10分から約1分半に短縮し稼働率も向上したと具体的な数字で示されている。高付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    教育システムを導入し等級を定めた人材育成に取り組んでいると書かれ、体制の一端はうかがえるが事務処理能力は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種少量の精密板金部品に対応し、リピート受注もあると書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    工場全体の作業の見える化に取り組み、ヒューマンエラーを出さない体制を築くと書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種少量の精密板金で斜め方向の曲げや角度センサーによる高度な加工が可能になったと書かれ、高水準の加工の一端がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    段取り時間の短縮と稼働率向上が書かれ効果は読めるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    ネットワーク連動の金型自動交換型ベンディングマシンの導入や加工データのサーバー管理など、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    最新設備やIoT化により現場の効率化を図ると書かれているが、日本経済の構造転換との関係は示されていない。

  • 地域経済への波及2

    福岡県柳川市の精密板金事業者とあるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現場全体でどんな取り組みに注力していくかが今後の課題とされ、工場全体の作業の見える化に取り組み、ヒューマンエラーを出さない体制を築いていく方針である。

事業者の声

課題を常に分析し、何が必要かを考え続けてきたことが、結果的に以前より働きやすい環境を生み出しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。