ものづくり補助金平成27年度製造業岡山県

介護手すりの高精度・高機能化と生産性向上による低コスト化を実現する生産プロセスの革新

オーエム機器株式会社

成果不良率の発生を約6割削減

この事例のポイント

  • 福祉関連商品の需要増に対応するため、生産性を高める必要があった。
  • 金属の板とパイプの双方を切断できる複合レーザー加工機を2016年に導入し、パイプをレーザーで切断する方式に切り替えた。
  • 不良率の発生を約6割削減。複合レーザー加工機によりパイプ切断時のバリ発生が抑えられ、不良率を約6割削減した。

事業者のプロフィール

事業者名オーエム機器株式会社
所在地岡山県 岡山県総社市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数143人
資本金6,480万円
設立1973年

事業の背景

オーエム機器は住宅関連製品を分離して1973年に設立された研究開発型の製造業で、大型建築物のフロア関連商品が主力である。近年は国内の高齢化進展により、介護用手すりなどの福祉関連商品の生産量が増えている。福祉機器商品の売上高は2020年8月期に8億円まで拡大した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力福祉関連商品の需要増に対応するため、生産性を高める必要があった。
  • コスト・採算金属製のパイプを切断する工程がネックになっており、バンドソーによる手作業に近い切断で時間がかかっていた。
  • 品質・精度切断後にバリが生じ、それが生産性を低くする要因になっていた。
  • 人手・技能加工技術の知識や技能が若い社員に十分平準化されていなかった。

やったこと

金属の板とパイプの双方を切断できる複合レーザー加工機を2016年に導入し、パイプをレーザーで切断する方式に切り替えた。導入前に2台の装置で合計五つあった工程を複合レーザー加工機に集約した。さらに、最大30センチメートル角を成形できる金属3Dプリンターを導入し、金型をつくらずに試作品を製作できるようにした。プレスブレーキ、パイプベンダー、溶接工程の産業用ロボットなどの加工機械も導入し、昨年からはパレタイズや協働型など複数のロボットも採用した。

加工機複合レーザー加工機
加工機金属3Dプリンター
加工機プレスブレーキ
加工機パイプベンダー
ロボット溶接工程の産業用ロボット
ロボットパレタイズや協働型などの複数のロボット

事業の効果

  • 不良率の発生を約6割削減
  • 工程数 5工程→1工程
  • 生産性は約3割向上

複合レーザー加工機によりパイプ切断時のバリ発生が抑えられ、不良率を約6割削減した。二台分の五工程を一台に集約したことで生産性は約3割向上した。金型をつくらず試作ができるようになり、開発から試作までの負担が軽くなった。今後は外部からの金属造形の受注を新事業として育成する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    福祉関連商品の生産増加と開発から量産までの一貫対応が書かれ、事業の延長線上の取組と読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高齢化による福祉商品ニーズ増加や一貫対応の技術力が強みとして書かれるが、競争環境や他社との比較は触れられていない。

  • 課題の認識と解決4

    バンドソー切断後のバリと生産量拡大時の工程ネックを課題に挙げ、複合レーザー加工機で工程を集約したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性は約3割向上、不良率は約6割削減と数字があるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員数143人や工場3カ所の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力への言及はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    福祉商品の床置き型で工事不要・移動が簡単という特徴と、ニーズ増加が書かれているが、ターゲット顧客の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は外部から金属造形を請け負い新事業として育成する計画がわずかに書かれ、スケジュールや解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    福祉商品の売上高が2020年8月期に8億円まで拡大したと数字があり、高付加価値・高価格化の根拠は限定的である。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    高齢化対応の福祉商品ニーズや新事業の育成がうかがえるが、経済波及効果や社会インフラへの言及はない。

  • 費用対効果4

    複合レーザー加工機により不良率を約6割削減し、生産性を約3割向上させたと数字で効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    金属3Dプリンターや協働型ロボットの導入が書かれ、デジタル技術の活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    岡山県内で全国展開する地場中小製造業は少ないと書かれ、地域特性との関係はわずかにうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

外部から金属造形を請け負い、新事業として育成していく計画である。

事業者の声

若い社員も増え、加工技術知識の平準化が目的

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。