ものづくり補助金平成27年度製造業愛媛県

生産性向上に向けた最新型曲げ加工機の導入とデータベースの構築

株式会社フジサキ

この事例のポイント

  • 受注は安定しているが、経験と高い技術力を必要とする曲げ工程では設備能力と人材面に課題があり、受注に十分対応できなかった。
  • 最新型のハイブリッドベンディングマシン(ベンディングマシン全自動金型交換装置搭載HG1003ATC)を導入した。
  • リピート加工品では金型交換時間及び回数の削減により実加工時間が短縮し、作業効率は約2倍の効果が見られた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フジサキ
所在地愛媛県 伊予市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,情報処理,精密加工
従業員数7人
資本金300万円
設立2004年

事業の背景

平成12年に創業し、平成16年に法人化した金属製品製造業者である。ステンレス精密機械部品加工を主力とし、多品種小ロットに対応している。得意先はボイラー製品、水処理機器、食品機器、医療機械、半導体製造機器、環境機器などを製造する大手企業の二次下請が中心である。平成27年には工場を約2倍に増設した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注は安定しているが、経験と高い技術力を必要とする曲げ工程では設備能力と人材面に課題があり、受注に十分対応できなかった。
  • コスト・採算過去に製造したデータが加工機へ伝送連携されていないため、過去データを再検証してプログラムを手入力しており、作業効率が低下していた。
  • 品質・精度工程の多い製品では作業者の習熟度により品質にむらがあり、不良品の発生率が高かった。
  • 納期・工程金型及び機械の段取りに時間を要していた。

やったこと

最新型のハイブリッドベンディングマシン(ベンディングマシン全自動金型交換装置搭載HG1003ATC)を導入した。熟練者の加工データを数値化して保管管理し、同一作業の都度データを送信することでプログラム入力時間を短縮した。性能向上により金型の取付け・取外しを自動化し、寸法精度を高めたことで試し曲げ・検査が短縮された。センサーにより曲がり角度や寸法の精度が一定になるよう機能を向上させた。

加工機ベンディングマシン全自動金型交換装置搭載HG1003ATC(ハイブリッドベンダー)

事業の効果

リピート加工品では金型交換時間及び回数の削減により実加工時間が短縮し、作業効率は約2倍の効果が見られた。これまで熟練者が行っていた加工工程補整値を数値化してデータベースに蓄積したことで、若い技術者でも対応できるようになり、熟練者の他工程へのサポートや生産計画の立案がしやすくなった。センサーによる自動化で曲がり角度や寸法精度が一定となり不良品が抑えられ、品質が安定して加工時間の標準化も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成12年創業・16年法人化の金属製品製造業で、ステンレス特殊加工技術を主力とし、平成27年の工場増設と新型ベンディング導入で増産対応に取り組むと書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手の二次下請として安定受注を得る一方、多品種小ロット対応を差別化点としていると具体的に書かれている。外部環境の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    曲げ工程の熟練依存と過去データの手入力という課題を挙げ、データベース化と新型機導入で解決を図る内容が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業効率約2倍、不良率低下などの成果は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員7名で熟練者と若手の技術育成を進める計画は読み取れるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種小ロット対応や医療・半導体等への部品供給は書かれているが、顧客ターゲットの整理や選ばれる理由の裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後の活動として技術育成、コスト圧縮の売価反映、自社開発の高付加価値製品などが挙げられているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    従来受注できなかった高付加価値製品の開発に取り組むと書かれているが、市場の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    半導体・医療機器など国内産業の部品を担うとはうかがえるが、雇用創出や波及効果の数値的な記述はない。

  • 費用対効果3

    作業効率約2倍、不良品発生率の低下など効果は示されているが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化やセンサー制御で精度を高める記述はあるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県伊予市の地域企業であることは分かるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

熟練者の知識・経験・技術を集約して若手社員と情報を共有し、技術育成を進める。圧縮したコストの一部を売価引下げに反映して他社との競争力を強め、受注拡大につなげる。熟練工に余裕が生じるため、精密機械部品の新規受注に努める。従来の品質では受注できない高付加価値製品の製造に向け、技術開発に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。