ものづくり補助金平成26年度製造業宮城県

短納期・低コスト・安全性の高い溶接ロボットの開発

株式会社佐々木鉄工所

この事例のポイント

  • 溶接工が不足しており、人の手による溶接作業だけでは対応が難しくなっていた。
  • 短納期・低コスト・安全性の高い溶接ロボットとして、磁場制御三次元溶接装置を開発・導入した。
  • 溶接ロボットの導入により、人によるばらつきのあった溶接品質が安定し、溶接の欠陥や品質の揺らぎはほとんどなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社佐々木鉄工所
所在地宮城県 黒川郡大和町
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,接合・実装
設立1960年

事業の背景

株式会社佐々木鉄工所は昭和35年創業で、鉄骨建築や鋼構造物の施工、階段や手すりなどの建築物の組み立て工事を行っている。学校の校舎に耐震ブレースを取り付ける耐震工事も多く手掛けており、県内に限らず岩手・山形・福島の現場にも展開している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能溶接工が不足しており、人の手による溶接作業だけでは対応が難しくなっていた。
  • 品質・精度人によって溶接品質にばらつきがあった。
  • 集客・繁閑今後の受注増を見込み、社員の若返りと育成も必要になっていた。

やったこと

短納期・低コスト・安全性の高い溶接ロボットとして、磁場制御三次元溶接装置を開発・導入した。このロボットは、溶接作業時の溶けた金属が飛散して粒状に固まるスパッタ及び有毒ガスの発生を抑制し、複数面の連続溶接加工が可能な制御機能を備えている。ワークの形状を3Dで検出して溶接作業を行えるようにし、複数面を自動的に回転させて連続稼働させる。PCからの入力で溶接が自動的に行われる。

ロボット磁場制御三次元溶接装置(溶接ロボット)
ソフトCAD

新しい製品・サービス:磁場制御三次元溶接装置

事業の効果

溶接ロボットの導入により、人によるばらつきのあった溶接品質が安定し、溶接の欠陥や品質の揺らぎはほとんどなくなった。効率も上がり、スパッタの除去が自動化されたため手間がかからなくなった。作業は安全性が高まり、溶接工不足にも対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和35年創業で鉄骨建築や鋼構造物工事の実績を積み、学校の耐震工事も手掛けているとあり、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    強みは鉄骨建築・鋼構造物工事の施工実績と経験とされ、岩手・山形・福島の現場にも展開しているため、強みを踏まえた取組と読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    溶接品質のばらつきや溶接工不足という課題を挙げ、溶接ロボット導入で工事の短期化につなげる方向が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額に関する数値目標は書かれておらず、「新たな雇用に還元」という方針のみで目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    CAD担当社員を外部の勉強会に送り育成しているとあり、人材面の体制はうかがえるが、事務処理体制の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    安価で短納期に提供できること、他社からのCAD図面製作の依頼が入っていることが書かれ、顧客ニーズの一端は読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    開発の経緯は示されるが、今後の中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    溶接ロボットは既存技術の延長に見え、同分野での高付加価値化や高価格化を示す記述は見当たらない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    若い世代の工業用ロボットを扱える人材の新たな雇用創出に還元すると述べられ、雇用面での公的意義はうかがえる。

  • 費用対効果2

    手間がかからなくなったや時間短縮の効果は書かれているが、補助金額に対する付加価値増や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    ワークの形状を3Dで検出して溶接を行う機能や、PCからの入力で自動溶接する仕組みが示され、先端的デジタル技術の活用が読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    ロボット導入による生産性向上の方向はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する具体的な成長分野への進出は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    宮城県大和町を拠点に県内外の現場へ展開し、地域の若い世代の雇用へ還元する方針が示されており、地域性はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は本事業の開発成果により増加が見込まれる受注に備え、社員の育成を進めるとともに、若い世代の新たな雇用につなげていきたいと考えている。他社からもCAD図面製作の依頼が入っており、業務に新たな広がりを見せている。

事業者の声

重量物を扱う仕事なので、怪我や事故がないよう気を配っており、安全第一です。お客様に安価で短納期に提供できることはもちろんですが、現場の安全性を高めることが出来ました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。