ものづくり補助金平成26年度サービス業(他に分類されないもの)山形県

事業用大型空調・集塵フィルターの再生・保管サービス事業

株式会社東北工材

成果排水は一律排水基準の各項目をクリアし放流可能な水質になった

この事例のポイント

  • 顧客から回収したフィルターの捕集効率を上げるため、粉塵を除去する装置が必要だった。
  • 顧客から回収したフィルターの洗浄前に粉塵を除去するため、除去率の高い集塵装置を導入した。
  • 排水は一律排水基準の各項目をクリアし放流可能な水質になった。集塵装置の導入で作業効率と作業環境が大きく改善された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東北工材
所在地山形県 真室川町
業種その他の事業サービス業
従業員数26人
資本金2,000万円
設立1983年

事業の背景

現在、ビルや工場の空調設備で使われるフィルターは、汚れたら交換して焼却され、最終処分場で埋め立てられている。焼却によるCO2排出や埋設処理の環境への影響が懸念されている。当社は環境保護と資源の有効利用を目的に、廃棄していたフィルターを洗浄して再使用する事業を行っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度顧客から回収したフィルターの捕集効率を上げるため、粉塵を除去する装置が必要だった。
  • 生産能力洗浄時の排水を的確に処理できる設備が必要だった。
  • 販路・情報発信顧客がフィルターを再使用しない要因として保管場所の確保が厳しいことが挙げられ、保管・管理できるサービスの確立が求められた。

やったこと

顧客から回収したフィルターの洗浄前に粉塵を除去するため、除去率の高い集塵装置を導入した。粉塵には様々な粒径があるため、飛散を防ぎ作業者の安全な作業環境を確保できる装置とした。洗浄後の排水を空調用フィルターと集塵用フィルターそれぞれの排水に分離して適切な水処理を可能にするため、排水リサイクルユニットを導入した。さらに、的確な排水処理と汚泥ゴミの分別を可能にするため、バッチ式の排水リサイクルシステムを構築した。顧客用交換フィルターの保管場所として、別事業で購入した工場の一部を確保し、大型フィルターなどを扱う工場クレーンを整備した。

加工機除去率の高い集塵装置
その他排水リサイクルユニット
その他バッチ式の排水リサイクルシステム
加工機工場クレーン

事業の効果

  • 排水は一律排水基準の各項目をクリアし放流可能な水質になった

集塵装置の導入で作業効率と作業環境が大きく改善された。排水リサイクルシステムにより顧客ごとの排水分析が可能になり、個別ニーズに応えられるようになって差別化が図れた。リサイクル水を集塵用フィルターの洗浄に使うことで水道水の使用が減り、コストが削減された。放流可能な水質になったことで環境負荷も軽減された。フィルターの保管・管理サービスを確立したことで、顧客の保管費用と運搬コストも削減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    空調フィルター再生という既存事業の延長で、保管・管理サービスへの拡大が位置付けられているが、経営戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    顧客がフィルターを再使用しない要因として保管場所の確保が厳しいことが挙げられ、保管サービスで対応する方針が示されている。外部環境との強み・弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    粉塵除去装置と排水処理設備の必要性という課題認識が示され、保管・管理サービスでコスト削減につながったとある。ただし成長の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれていない。雇用の増加は成果として触れられているが数値はない。

  • 事業を進める体制2

    社屋・工場の移転や工程の流れに触れているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客ごとの排水分析による個別ニーズ対応や差別化、保管・管理サービスの認知拡大を図る方針が書かれている。ターゲットの詳細は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として展示会や営業でのプレゼン、素材や形状のメーカー検討が示されているが、スケジュールや期限は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    フィルター洗浄再使用と保管・管理サービスを確立したとあるが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    焼却によるCO2排出や埋設処理の環境影響が懸念されると背景に書かれ、環境負荷軽減や資源有効利用の意義が示されている。

  • 費用対効果2

    水道水からリサイクル水への変更でコスト削減、保管・運搬コストの削減が成果として書かれているが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    排水リサイクルユニットやバッチ式の排水リサイクルシステムを構築し、新しいサービスモデルを確立したと書かれている。地域やサプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    環境保護と資源の有効利用を目的とした取組で、循環型の方向性がうかがえる。構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    山形県で雇用環境の少ない地域に立地し、若年層の雇用と60歳以降の再雇用の増加を図れたと具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

フィルターを洗浄して繰り返し使用するメリットや保管・管理サービスの認知度を高めるため、展示会や営業先で積極的にプレゼンテーションを行い、市場開拓と売上拡大を図っていく。また、新フィルター開発のため、洗浄して再使用するのに適切な素材や形状をメーカーと検討している。本事業の取組みにより若年層の雇用と60歳以降の再雇用を増やすことができ、今後は事業継続と雇用条件の改善に取り組む。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。