吟醸酒の高品質化、安定生産を可能にする工程設計と試作開発
市販吟醸酒の醸造から瓶詰・貯蔵までの工程に、全国新酒鑑評会出品の大吟醸酒の技術的要件を応用する形で設備を導入した。
東の麓酒造有限会社
成果濾過板の重量 24kg→19kg
| 事業者名 | 東の麓酒造有限会社 |
|---|---|
| 所在地 | 山形県 南陽市 |
| 業種 | 食料品製造業 |
| 技術分野 | 製造環境 |
| 従業員数 | 11人 |
| 資本金 | 800万円 |
| 設立 | 1953年 |
明治29年に創業した酒造会社で、代表銘柄「東の麓」を主力としている。平成22年より全国新酒鑑評会で5年連続金賞を受賞するなど、高い評価を得ている。さらに近年は東北芸術工科大学の学生と共同開発した新ブランド「天弓」も展開している。
抱えていた課題
やったこと
フィルタープレス型濾過圧搾機(薮田式自動圧搾機改良)の濾過板と圧搾板を、アルミ製からポリプロピレン製に変更した。圧搾板に組み込むシートは、ゴム製から樹脂製(シリコンゴム)に変更した。濾過板は24kgから19kg、圧搾板は34kgから21kgに軽量化した。濾布の取り付けは脱着が容易なホック式とし、きめ細かな洗浄ができるようにした。
| 加工機 | フィルタープレス型濾過圧搾機(薮田式自動圧搾機改良) |
|---|
新しい製品・サービス:新ブランド「天弓(てんきゅう)」シリーズ(東北芸術工科大学の学生と共同開発、天弓は虹の意)
金属臭やゴム臭が酒に付着しなくなり、雑味の混入が減って品質が安定・向上した。濾過板と圧搾板の軽量化で取り回しが楽になり、女性や高齢者も段取り替え作業に参加できるようになり、ワークシェアリングが実現した。作業時間も大幅に短縮され、生産性が向上した。女性従業員が酒造りを経験したことで、蔵見学の説明や営業で信用を得られるようになり、活躍の場が広がった。
いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています
平成22年からの全国新酒鑑評会金賞受賞や伝統の継承は読み取れるが、過去の設備投資との一貫した経営戦略上の位置付けは明記されていない。
古い伝統と新しい技術の取り入れ、東北芸術工科大学との共同開発による新ブランド天弓など、強みの一端は読み取れる。
アルミ板の腐食による金属臭・ゴム臭という課題と、活性炭濾過処理で香味が損なわれる問題が具体的に示されているが、高付加価値化の計画としては具体性が薄い。
段取り作業が男性2名で90分から男女ペアで45分に短縮と数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。
従業員11名のうち女性5名という体制は読み取れるが、補助事業を遂行する事務処理能力や専任体制の記載は見当たらない。
繊細な香りやふくよかな味わいという製品価値と、若い客層・日本酒バーをターゲットにする方針が書かれている。
新ブランド展開や輸出代理店の拡充など今後の展望は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。
公開されている事例からは読み取れません。
同じ清酒分野で繊細な香味を追求し、新ブランドで若い層や海外向けに展開する点は読み取れるが、高価格化の水準は示されていない。
女性や高齢者が作業に参加できる雇用の広がりや、地酒専門店・海外への販路拡大がうかがえるが、経済波及効果の記載は少ない。
段取り作業時間の90分から45分への短縮という効果は読み取れるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。
大学との共同開発による新ブランドは地域との連携としてうかがえるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。
公開されている事例からは読み取れません。
山形県南陽市の酒蔵として、地域の大学と組んだ商品開発や女性雇用の創出が述べられている。
5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。
上槽工程の改善により品質と生産性が向上したことで新商品開発がしやすくなったため、新ブランド「天弓」の展開を充実させる。若者に親しまれる酒質を目指し、日本酒居酒屋や日本酒バー、地酒専門店での取り扱いを強化する。代表銘柄「東の麓」とあわせて輸出代理店を拡充し、アジアや欧米諸国への販売を広げる計画である。
市販吟醸酒の醸造から瓶詰・貯蔵までの工程に、全国新酒鑑評会出品の大吟醸酒の技術的要件を応用する形で設備を導入した。
株式会社キーエンスの画像寸法測定器IM-6700を導入し、技術担当者から操作方法の訓練を受けた。
効果:測定時間 5分→0.004分
温水加熱ニーダー等3機種を導入し、製品の湯煎殺菌とどぶ漬け殺菌の方法を新たな独自の殺菌方法に変更した。
効果:ボイラー燃料費(年間) 256万円→84.9万円