ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

廃棄物処理装置の導入による製造コスト削減及び快適な環境設備の設置

菅原冷蔵株式会社

この事例のポイント

  • 大根の端材の廃棄量と廃棄費用が膨大で、廃棄を外注していたため処分費用がかさんでいた。
  • 冷凍大根おろしの製造で出る端材を社内で処理するため、業務用生ゴミ処理機(ゴミサー)を導入した。
  • ゴミサーの導入により、業者への廃棄数量が減少し、廃棄物運搬費も削減された。

事業者のプロフィール

事業者名菅原冷蔵株式会社
所在地山形県 酒田市
業種その他の製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数160人
資本金3,660万円
設立1967年

事業の背景

当社は昭和42年から冷蔵倉庫業を営み、平成6年に保冷剤製造販売へ業種転換した。その後、冷凍大根おろしやなめこの製造販売に進出している。冷凍大根おろしの市場は拡大しており、当初は安価な中国産原料を使っていたが、食の安全性や賃金高などの理由から国内産へ移行しつつある。大根おろし部門は平成24年に本格稼働し、販売数量の増加に伴い端材も増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算大根の端材の廃棄量と廃棄費用が膨大で、廃棄を外注していたため処分費用がかさんでいた。
  • 生産能力外注での端材処分は処理能力にも限りがあり、社内で処理できる設備が必要になっていた。

やったこと

冷凍大根おろしの製造で出る端材を社内で処理するため、業務用生ゴミ処理機(ゴミサー)を導入した。実績やメンテナンスを考慮し、地元酒田で製造販売している業者から導入した。業者は処理後の水を下水に流しても問題ないとしたが、環境に配慮して独自に浄化槽を設置した。ゴミサーは大根だけを投入した実績がなく、大根の殺菌作用により菌の発酵分解がうまくいかず悪臭が出て近隣に迷惑をかけた。そのため投入量、温度、湿度の管理などを多方面から検討し試行錯誤を続け、現在は順調に稼働して1日5回大根の端材を投入している。

  • その他業務用生ゴミ処理機ゴミサー浄化槽

事業の効果

ゴミサーの導入により、業者への廃棄数量が減少し、廃棄物運搬費も削減された。端材処理を内製化したことで、環境設備の設置と製造コストの削減という計画目標を達成した。廃棄にかかるコストが下がったことで中国産原料との価格差がなくなり、国産大根を安全・安心かつリーズナブルに提供できるようになった。受注と売上も増加し、ゴミサーをフル稼働しても追いつかない状況になっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和42年の冷蔵倉庫業から保冷剤製造へ転換し、温度管理ノウハウを生かして冷凍大根おろし部門を平成24年に本格稼働させており、事業の一貫性が読み取れます。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    冷凍大根おろしの市場拡大を踏まえ、国産大根への切替えと端材処理のコスト削減で中国産との価格差をなくし、学校給食や大手食品メーカーへの販路拡大を計画しています。

  • 課題の認識と解決4

    端材の廃棄費用と処理能力が課題と認識され、平成27年9月のゴミサー導入で廃棄数量と運搬費を減らし、受注増に対応する具体策が示されています。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    ゴミサーを地元業者から導入し、投入量や温度管理を試行錯誤したとありますが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述はわずかです。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は食品商社が中心で、国産大根による安全・安心と価格面のリーズナブルさが選ばれる理由として書かれていますが、ニーズの裏付けの数値は薄いです。

  • 事業化までの道筋3

    大根の菌の発酵分解の問題を投入量や温度、湿度から検討して解決し、今後は処理能力拡大のためゴミサー追加導入を検討するとあります。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    急速凍結で鮮度低下を抑えた冷凍大根おろしを業務用中心に展開とありますが、同分野での希少性や高価格化を示す記述は薄いです。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    全国産地のリレーで確保した大根を、11月からは地場産の青くび大根に切り替え、地域の活性化に寄与すると書かれています。

  • 費用対効果3

    ゴミサー導入で廃棄数量と運搬費が減り、製造コストの削減と中国産との価格差解消につながったとありますが、費用対効果を示す数値は書かれていません。

  • イノベーションへの貢献2

    ゴミサーによる端材処理と自社浄化槽の設置は環境設備の取組ですが、先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルの記述はわずかです。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    中国産原料から国産原料へシフトする市場の動きに対応しているとありますが、日本経済の構造転換への言及は薄いです。

  • 地域経済への波及4

    地元酒田の業者からゴミサーを導入し、地場産の青くび大根を使うことで地域の活性化につなげ、受注増と売上増を見込んでいると具体的に書かれています。

今後の展望

受注増加が見込まれるため、ゴミサーの追加導入を検討し、生産性の向上と廃棄コストのさらなる削減を図る計画である。学校給食や病院食などの分野、大手食品メーカーや総合商社へも販路を拡大していく。また、いかそうめん部門の廃止に伴い、それに代わる新たな柱となる事業を模索している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。