ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

個人情報宛名印字機の品質向上、スピードアップのためのLED-UV印字機の新設

株式会社若月印刷

成果従来の赤外線乾燥システムと比較して電力エネルギーを50%削減

この事例のポイント

  • 現有の水性インキ印字機では顧客の求める品質と数量をこなしきれない状態だった。
  • 資材購入やメンテナンスなど利便性の高い業者を選定し、4つのステージで構成されるLED-UVインクジェット印字機を導入した。
  • 従来の赤外線乾燥システムと比較して電力エネルギーを50%削減。UVインクでの印字により滲みが減り、文字・バーコードが鮮明になって品質が格段に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社若月印刷
所在地山形県 寒河江市
業種印刷・同関連業
技術分野情報処理
従業員数33人
資本金1,000万円
設立1950年

事業の背景

当社は7年以上にわたり個人情報を扱うDM処理に特化して事業を行い、2006年にプライバシーマーク(ISO15001)の認証を取得して、個人情報管理のノウハウを積み上げてきた。そのため同業他社との差別化ができ、一部上場企業からの厚い信頼を得て、年間400万通以上のDMを受注するまでになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有の水性インキ印字機では顧客の求める品質と数量をこなしきれない状態だった。
  • コスト・採算消耗品である印字機のノズルヘッドの不具合が多く、年間で膨大なコストが発生していた。
  • 新製品・新技術製造メーカーから印字機の製造中止の連絡があり、最新式印字機の導入を検討していた。

やったこと

資材購入やメンテナンスなど利便性の高い業者を選定し、4つのステージで構成されるLED-UVインクジェット印字機を導入した。第1ステージは給紙部分とし、第2ステージは不具合の少ないノズルを2ヘッドにしたUVインクの印字部分とLED-UVの乾燥部分で構成して、印字速度を上げ滲みを減らした。第3ステージでは印字の曲がりや滲みなどの不良検査のため2台のCCDカメラを搭載した。第4ステージでは郵便番号によるバルク仕分けも自動で制御し、コストと時間の大幅な短縮を図った。試運転を経て改良を加えた。

加工機LED-UVインクジェット印字機
検査測定CCDカメラ(2台)

事業の効果

  • 従来の赤外線乾燥システムと比較して電力エネルギーを50%削減
  • 10%以上の受注拡大が見込まれる
  • 印字曲がりの不良で発生していた膨大な損紙を、月間A6判換算で4,000枚削減

UVインクでの印字により滲みが減り、文字・バーコードが鮮明になって品質が格段に向上した。LED-UVランプの速乾機能と不良探知のCCDカメラにより作業効率が上がり、作業時間が大幅に短縮された。赤外線乾燥方式と比べて電力エネルギーを50%削減し、印字曲がりの不良による損紙も月間4,000枚削減して環境負荷の軽減にもつながった。今後は作業効率の向上により10%以上の受注拡大を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    個人情報管理のノウハウを積み上げ、プライバシーマーク取得後にDM事業を強化してきた経緯が書かれ、一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    一部上場企業からの信頼獲得と年間400万通以上のDM受注、同業他社との差別化が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    印字機の品質低下やノズル不具合による年間コストを課題として挙げ、速乾・検査機能で解決する構成が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    受注拡大10%以上の見込みと電力50%削減、月4,000枚の損紙削減など数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員33名、設立昭和25年といった基本情報はあるが、事業遂行体制や事務処理能力の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    DMは顧客に直接アプローチできる有効性が見直され市場拡大が予測されると、ニーズと選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の展望は書かれているが、遂行スケジュールや中長期の課題検証の方法は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    UVインクとLED-UV乾燥による滲み低減など高品質化が書かれているが、市場の普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や需要創出への言及は限定的で、国が補助する積極的理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果4

    投資に対し電力50%削減、損紙月4,000枚削減、残業と作業時間の大幅短縮と費用対効果の数値が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    CCDカメラによる不良検知や自動仕分けはあるが、地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山形県寒河江市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新聞購読の減少で折り込みチラシの効果が期待できないなか、DMは顧客に直接アプローチできる有効性が見直されており、今後も市場拡大が予測される。需要調査を行い営業活動を図っていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。