ものづくり補助金平成27年度製造業新潟県

より広い色域を再現し鮮やかな仕上がりの高付加価値印刷技術の確立

株式会社 中越

成果初校正の刷版・印刷工程数 4工程→2工程

この事例のポイント

  • デジタルメディア等で再現される色と印刷物の色に差があり、臨場感ある鮮やかな印刷物を求める主要顧客の要望に十分応えられていない。
  • 印刷機と接続するシステムの設置場所と環境を整備し、作業性を考慮したレイアウトを設計した。
  • 初校正の刷版・印刷工程数 4工程→2工程。広色域インキと新設備を使った印刷技術により、臨場感ある鮮やかな印刷が可能になり、社外の関係者から高い評価を得て品質が向…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 中越
所在地新潟県 新潟県長岡市
業種印刷・同関連業
技術分野製造環境
従業員数7人
資本金4,000万円
設立1963年

事業の背景

株式会社中越は1963年設立の印刷会社で、チラシ、冊子、グッズ企画・制作を得意分野とする。主要顧客から、より訴求力の高い臨場感あふれる長岡花火カレンダーやオフィシャルガイドブック、パンフレットの印刷物が求められている。印刷結果を確認する校正についても、実際の印刷並みの品質を短時間かつ安価に行うことへの要求が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度デジタルメディア等で再現される色と印刷物の色に差があり、臨場感ある鮮やかな印刷物を求める主要顧客の要望に十分応えられていない。
  • 新製品・新技術4色オフセット印刷機で7色・8色印刷に近い再現を行う高付加価値印刷技術が確立されていない。
  • コスト・採算印刷結果を確認するための校正に、実際の印刷並みの品質と時間短縮、安価さが求められているが、従来の本機印刷による試刷りは時間と費用がかかる。

やったこと

印刷機と接続するシステムの設置場所と環境を整備し、作業性を考慮したレイアウトを設計した。メーカーの指導を受けて主担当者が試運転し、機能を習得した。広色域インキ用のカラーマッチング用データを刷版出力して印刷機に取り付けて実際に印刷し、その印刷物を測色して広色域インキの色が再現されるように調整した。広色域インキ用に調整した状態でテストチャートを出力して評価し、色差がなくなるまで再調整して実際の印刷物の色に近づけた。従来の仕事のデータを使い、実際の印刷物と新システムのデジタル校正印刷の色が一致するかを検証し、利点や欠点を関係者間で共有した。その後、広色域インキを使うガイドブック、ポスター、カレンダーなどの校正で本運用を開始した。

その他印刷シミュレーション用の設備(デジタル校正システム)

事業の効果

  • 初校正の刷版・印刷工程数 4工程→2工程
  • 初校正(色校正紙)の作成時間 320分→20分
  • 校正の製造コスト(初校正と再校正の2回分) 50,200円→3,000円

広色域インキと新設備を使った印刷技術により、臨場感ある鮮やかな印刷が可能になり、社外の関係者から高い評価を得て品質が向上した。初校正の工程が半分に減り、校正の作成時間も大幅に短縮されたことで、事前確認にかかる時間とコストが大きく減った。短納期で安価な校正が実現し、顧客の要請である品質向上、納期短縮、コストダウンに対応でき、他社との競争力が大きく高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    主要顧客からの要求を起点に、花火関連印刷ノウハウの確立や料理写真集分野への展開が述べられており、既存事業との関連は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    広色域インキと校正システムで4色機から7・8色に近い再現を図り、社外から高評価を得て他社との競争力が向上したと記載がある。

  • 課題の認識と解決5

    校正時間が320分から20分(93.75%削減)、製造コストが50,200円から3,000円(94%削減)と、課題と解決効果が数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    校正工程や時間・コストの削減実績は数値で示されるが、今後の売上や付加価値の目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    主担当者によるメーカー指導下での試運転や、関係者間でのノウハウ共有が記載されており、遂行体制の概略はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    飲食店メニュー改定時、大学・専門学校の絵本やレシピ集、一般消費者向け花火関連商品と顧客層が具体的に挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    設置、立ち上げ、カラーマッチング、テスト展開、本運用の順に工程が示されているが、期間や時期の記載はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    4色オフセットで7・8色に近い印刷を再現する広色域インキ技術を確立し、高水準の高付加価値化を図る取組である。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    長岡花火関連の地域素材を用いるとの記載はあるが、雇用創出や波及効果などの公的補助の必要性は示されていない。

  • 費用対効果4

    校正工程の削減率や製造コストの削減額が数字で示されており、費用対効果の根拠は明確である。

  • イノベーションへの貢献3

    印刷前の確認をデジタル校正で行う仕組みは示されるが、サプライチェーン全体への貢献や新ビジネスモデルへの言及は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    広色域印刷による高付加価値化は述べられるが、成長分野への進出による日本経済の構造転換との関連はうかがえない。

  • 地域経済への波及4

    長岡花火のカレンダーやガイドブック、チャリティうちわなど地域資源を活かした印刷物の展開が具体的に記載されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

花火関連の印刷ノウハウを活かし、料理飲食関係の写真メニュー集やレシピ集の分野で受注拡大を目指す。飲食店のメニュー改定時や大学・専門学校への絵本・レシピ集の提案を進めるほか、一般消費者向けに長岡花火の写真を使ったカレンダーや絵葉書、ジグソーパズルなどの自社商品も検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。