ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

日本の伝統的木工技術「組子」を用いた製品の製作販売促進事業

成果曲げ木組子240か所(風炉先屏風の一部)を試作

この事例のポイント

  • 日本古来の木製建具の需要が低迷し、組子技術を施した製品を提供する機会も減っている。
  • 全自動NCラジアルソーを導入して試運転を行い、面取り組子ならびに曲げ木組子240か所(風炉先屏風の一部)を試作した。
  • 曲げ木組子240か所(風炉先屏風の一部)を試作。加工時間の短縮により新ブランドを打ち立て、木材の自然色を組み合わせた「ふくしま組子木良(KIRA)」を展開する。

事業者のプロフィール

所在地福島県 矢祭町
業種家具・装備品製造業
技術分野精密加工
従業員数2人
設立1979年

事業の背景

一般新築住宅での和室の減少に伴い、日本古来の木製建具の需要が低迷している。一方で、自然素材を使った木製建具が見直され、寺社や高級料亭などでは質の高い木製建具や観賞用建具のニーズが健在である。親子2代で一般住宅の襖や障子、木製家具などを手掛けるほか、公共工事も受注している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術日本古来の木製建具の需要が低迷し、組子技術を施した製品を提供する機会も減っている。
  • コスト・採算最高難度の組子製品は製作に長い時間と高度な形状算出法が必要で、手間がかかり高価格になり買い求めにくい。
  • 生産能力面取り組子や曲木組子の加工工程は手作業が多く、材料や時間のロスが多くなっている。

やったこと

全自動NCラジアルソーを導入して試運転を行い、面取り組子ならびに曲げ木組子240か所(風炉先屏風の一部)を試作した。先端ツノ型切取加工や曲木組子のV溝加工などの工程で、導入機のNC計算機能およびテーブル自動位置決め装置の活用や、高精度な治具と特殊Vカッターの付加によって手作業を機械化し、技術的課題とコストダウンの実現性について検証した。機械化により生じた余剰時間を活用し、オリジナルブランド「ふくしま組子木良(KIRA)」を立ち上げた。

加工機全自動NCラジアルソー
加工機NC計算機能およびテーブル自動位置決め装置
その他高精度な治具
加工機特殊Vカッター

新しい製品・サービス:オリジナルブランド「ふくしま組子木良(KIRA)」による組子製品

事業の効果

  • 曲げ木組子240か所(風炉先屏風の一部)を試作

加工時間の短縮により新ブランドを打ち立て、木材の自然色を組み合わせた「ふくしま組子木良(KIRA)」を展開する。手作業の機械化で生まれた余剰時間を活用し、製品の価格を現代の暮らしに取り入れやすい水準にした。既存事業を維持しながら組子製品の市場を拡大することで、売上・利益率の増加と収益力の向上につながり、経営基盤を強固にすることを見込む。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    50年の建具の技と親子2代の事業、一般住宅・公共工事の受注実績が書かれており、組子製品への取組の一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    組子は県内で他社にない技術を保有し、和室減少や寺社・高級料亭の需要が健在と書かれており、外部環境と自社の強みに基づく優位性が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    加工時間の短縮と全自動NCラジアルソー導入による機械化、既存事業と組子市場拡大による売上・利益率向上の見通しが書かれ、課題解決の方向は読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製作費の低減や加工工程の機械化は書かれているが、付加価値額の増加率や賃上げの目標値は数値として示されていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員2名の体制で、代表と2代目の親子が技と感性を持ち、機械化とNC計算機能の活用を試作・検証した実績が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    対象顧客を全世代の小物層、50代から70代の富裕層、40代前半の住宅世帯主に分けて想定し、現代の暮らしに取り入れやすい価格と書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作や検証を行ったことや全自動ラジアルソーの試運転は書かれているが、中長期のスケジュールや課題解決の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    組子の製品は需要が低迷し高価格で買いにくいものであったが、面取り組子など高水準の高付加価値化を図り、他に類を見ない製品と書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    日本の伝統技術の継承や国外への認知拡大が書かれているが、雇用や波及効果については数字を伴った記載がない。

  • 費用対効果2

    機械化によりコストダウンや加工時間短縮を図ったと書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC計算機能や自動位置決め装置の活用など機械化の記述はあるが、サプライチェーンへの貢献や新しいビジネスモデルについては書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    伝統技術の衰退という課題や国外展開は書かれているが、日本経済の構造転換に資するかは明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    福島県の東白川郡矢祭町で県内他社にない技術を持つと書かれ、地域の特性を生かした事業と読み取れるが、地域への雇用効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

日本の組子のすばらしさを世界中に広めたい。小物組子製品は全世代、大型組子製品は50代から70代および40代前半を想定し、国外にも展開して伝統産業の認知拡大と継承につなげたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。